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【実家の相続】節税の要「小規模宅地等の特例」が4月から厳格化

最近、「ニュースで税制改正による増税」などのニュースを耳にしますが、今年はついに相続税の考え方にも改正がありました。
節税対策にはとても有効的な不動産の考え方についての改正ですので、ご実家の取り扱いについてしっかり知識を蓄えておきましょう。

お父さまが亡くなって財産を確認したら「5,000万円の価値のご実家と1,000万円の現金」だった場合、
 ① 相続税を支払う (場合により貯蓄の切り崩し、借金も)
 ② 相続税が0円  (生前に相続税対策がされていた)
どちらが良いかは言うまでもありません。

図1:実家を相続するときに「小規模宅地等の特例」を適用して相続税が0円になるイメージ

※相続税対象の判定(当サイト内)⇒ 私も相続税の課税対象者?財産を確認して課税対象かどうか判定しよう

ご実家の財産の価値は変わらないのに、相続税を考えるときだけ財産価値を8割も減額して2割で考えられる「小規模宅地等の特例」をご存知でしょうか?
2割の価値で相続できれば、5,000万円のご実家も1,000万円として考えるため、相続税が0円になる可能性が高くなります。

お父さまが亡くなられた場合、そのご家族がご自宅の相続税を支払えずに住む家を失うことがないように配慮された制度で、適用を受けるための要件があります。
この制度は残されたご家族の生活を守るためには大変有効的ですが、平成30年4月1日以降に発生する相続からはこの特例を適用できる条件が厳格化されます。適用要件が見直されることで、今まで可能とされていた節税対策をおこなうことが難しくなるのです。 

「ご両親と同居されている方で将来ご実家を相続する可能性がある方」
「これからご自身で住宅を購入しようと検討されている方」
従来の適用要件だけではなく、今年度の税制改正の内容をしっかりと理解しておきましょう。

この記事では、現行制度を踏まえながら、税制改正にともない確認しておくべき適用の要件を説明していきます。

【本記事の読み進め方】

「残された家族のためにこんなに有効的な特例があるなんて初耳!」という方は1章から
「両親と同居しているけれど、実際に自分も適用が受けられるのか知りたい」という方は2章から
「税制改正の内容を確認しておきたい!」という方は3章から
読まれることをおすすめします。

4章では、適用を受けられるケースの具体例を分かりやすく解説します。
ご自身やご家族が土地を相続される際にぜひお役立てください。

Contents

1.「小規模宅地等の特例」は”節税効果大”の特例!

小規模宅地等の特例とは、亡くなられた方の自宅に使われていた土地に対して、一定の要件を満たす場合に「相続税を計算する時の土地の評価額を最大80%減額する」制度です。ご家族の相続税を計算する場合に適用できれば大きな節税につながります。(実際の価値は減りません)

図2:「小規模宅地等の特例」で評価額5,000万円の実家が80%減額されるイメージ

制度の説明だけを読むと「土地の評価額が下がってしまい、売却を考えるときに不利なのでは?」と勘違いしてしまう方もいると思いますが、特例を適用することで土地そのものの価値が変わることはありませんので安心しましょう。相続税は財産の評価額に対して計算するため、相続するときに限り「評価額を下げること」はとても有効的な特例となります。

1-1.「小規模宅地等の特例」で、最大80%節税される理由

「小規模宅地等の特例」で最大80%節税される理由は、「相続におけるご家族の生活基盤の維持」です。
自宅や事業用の土地は、相続するご家族にとっての生活の基盤であり必要不可欠なものであることから、相続税の対象とすると相続税が支払えず生活基盤を失うと困ることから、この制度が設けられており、相続税が減税されます。

1-2.「小規模宅地等の特例」で、相続税が減税されて安心する例

<前提>
相続税は、「相続財産(不動産、現金、上場株式、生命保険等)」から「基礎控除」を引いた金額を基点として計算していきます。(0以下の場合には納税は不要)よって、相続税の計算上では亡くなられた方名義の土地の評価が低くなると、相続財産が減ったことと同様に扱うことができ、節税につながります。

次のケースを確認して、特例を適用することによりどれだけ相続税を減らすことができるのかイメージしてみましょう。

<例>亡くなられたお父さまの相続をお子さん1人で行う場合の、小規模宅地等の特例の効果を確認。

図3:お父さんの財産と家族構成のイメージ

小規模宅地等の特例を適用せずに相続した場合、310万円の相続税を支払わなければなりません。

図4:小規模宅地等の特例を適用せずに相続するイメージ

しかし、特例を適用することで310万円もかかる相続税が0円になるのです。

図5:小規模宅地等の特例を適用して相続するイメージ

同じ財産を相続する場合でも、相続税にこんなに大きな差が出てくることがあるのです。

1-3.「小規模宅地等の特例」に該当する可能性は高い

2013年の日本の持ち家比率は61.7%(2017年社会生活統計指標)であり半数以上が持ち家であることから、相続の際に土地や家屋が関係してくる可能性が高いことが分かります。加えて、相続税の申告が必要な方のうち相続財産に占める不動産(土地+家屋)の割合は43.3%(国税庁:平成27年の相続税の申告状況)にもなります。土地に関する特例がいかに有効的かわかります。
以上からも、小規模宅地等の特例を活用して相続税の減税が見込まれる方は多いのですが、要件に当てはまらないと適用されないこに注意が必要です。
ご家族の誰が実家を相続するのか、その方は要件に該当するのか、相続人になる方は持ち家を持つタイミング等を考えることが大切です。

図6:相続税の申告者の財産内訳 (出典:2017年社会生活統計指標)

2.「小規模宅地等の特例」の適用の可否を知りたい5つのケース

実際にどのような相続のケースで特例の適用が受けられるのか、具体的な事例をあげながらご説明します。
実際には単純ではないケースも多く自分では判断が難しい場合もありますが、おおよそこちらの例を確認することで判断ができるようになります。もし間違っているか不安・分からない場合など専門家に相談したい場合は、相続を専門にしている税理士に確認しましょう。

2-1.亡くなられた方の自宅を相続する場合

亡くなられた方が住んでいた自宅を相続する場合には、主に3つのケースがあります。亡くなられた方の配偶者が相続する場合、同居をしている親族が相続をする場合、別居の親族のうち「家なき子」という考え方に該当する場合、この3つのいずれかのケースに該当する場合が大半ですので、まずはこちらを確認しましょう。ただし、「家なき子」の考え方は平成30年4月以降に変わりますので、あわせて変化点も確認しましょう。

2-1-1. ケース①:配偶者・同居の親族が適用される

亡くなられたお父さまの土地の場合、配偶者または同居の親族に小規模宅地等の特例が適用できます。

家族構成:お父さま(亡くなられた方)、お母さま、長男、長女
生活形態:お父さま・お母さま・長男・・・同居
     長女・・・結婚し、夫とともに2年前からマイホームに居住

図7:ケース①の生活形態のイメージ

相続する方 条件の考え方
お母さま 亡くなられた方の配偶者であり、無条件で適用される
長男 同居のご家族のため、「同居の親族」の条件を満たすため適用が受けられる
長女 配偶者であるお母さまと同居の親族である長男がいるため適用外

以上から、「お母さま」または「長男」が相続する場合には小規模宅地等の特例が利用でき80%減額となります。「長女」が相続する場合には、小規模宅地等の特例が利用できないため減額なしとなります。

2-1-2.ケース②: 家なき子が適用される【現行の制度】

亡くなられたお父さまの土地の場合、配偶者と同居の親族がいない場合で、別居の長男が相続開始前3年以内に自分または配偶者の自宅に住んでいない場合には小規模宅地等の特例が適用できます。また、亡くなられた方(お父さま)もしくは宅地を取得する方(長男)が、日本に住所があること、または取得する方が日本に住所がない場合は日本国籍であることが条件となります。

家族構成:お父さま(亡くなられた方)、長男
生活形態:お父さま:ご自身が所有する自宅に居住
     長男:賃貸マンションに居住、お父さまと生計は別

図8:ケース②の生活形態のイメージ

相続する方 条件の考え方
長男 「家なき子」の条件を満たすため適用が受けられる

2-1-3.ケース③:家なき子が適用されなくなる【平成30年4月以降】

持ち家に居住をしていない場合でも、平成30年度の税制改正によって厳格化される要件により特例を受けられなくなるケースを確認しましょう。適用されなくなるのは、平成30年の4月以降にお父さまが亡くなられたケースです。

家族構成:お父さま(亡くなられた方)、長男
生活形態:お父さま・・・ご自身が所有する自宅に居住
     長男・・・長男がマンションに賃貸住まい。お父さまと生計は別。
     相続開始の5年前に、お父さまが経営する不動産管理会社に長男が所有する
     マンションを売却し、そのままそのマンションに住み続けている。

図9:ケース③生活形態のイメージ

主なポイントは「相続開始3年以内にお父さまが経営する不動産管理会社が所有するマンションに居住していたこと」また「相続開始時に居住していたマンションが過去に長男が所有していたものであること」となり、適用対象外となります。

ご実家の相続について小規模宅地等の特例を利用して節税を考えられている方は、今回見直される条件(4章)をしっかりと確認しておくことが大切です。

2-2.二世帯住宅を相続する場合

2-1の例と変わって、今度は二世帯住宅を建てて同居している場合の考え方です。こちらは、お父さまと長男の二家族で住む場合には、同じ家であっても、誰が所有者なのかによって考え方が変わるため、購入時に注意が必要です。(ただし、相続税対策だけでなくローンの支払いなど総合的に判断しましょう)

2-2-1.ケース④:亡くなられた方が所有者の二世帯住宅は適用される

亡くなられたお父さまが所有する土地と建物内に住んでいれば、二世帯住宅であってもその住宅全体に対して小規模宅地等の特例が適用できます。
二世帯住宅の作りが家の内部を行き来できるかどうかに関わらず、適用が可となります。

家族構成:お父さま(亡くなられた方)、お母さま、長男(妻・子あり)
生活形態:お父さま・・・ご自身が所有する自宅に居住
     お母さま・・・お父さまと同居
     長男・・・お父さま所有の二世帯住宅に居住(妻・子ともに)

図10:特定居住用宅地の特例が適用されるケースのイメージ
 ※建物は区分所有登記がされていません。

相続する方 条件の考え方
お母さま 亡くなられた方の配偶者であり、無条件で適用される
長男 「同居の親族」の条件を満たすため適用が受けられる

なお区分所有登記をしている場合は、小規模宅地等の特例は適用されない点に留意しましょう。

2-2-2.ケース⑤:1階と2階の所有者が異なる二世帯住宅は適用されない

二世帯住宅を建てる場合に、1階は長男、2階はお父さまのように世帯ごとに住宅の登記をした場合(区分所有登記)は、亡くなられたお父さまが所有している部分のみ特例の対象となり、お子さんの居住部分に適用ができないため注意が必要です。したがって、二世帯住宅の場合は住宅全体の登記内容を確認し、所有者が別々の場合は変更するなどの事前対策を行いましょう。

亡くなられたお父さまが所有する土地と建物の所有部分を長男が相続する場合に、自宅(特定居住用宅地)の特例が適用されないケースがあります。
住宅内部で行き来が出来ない構造で、区分登記がされている場合は適用が受けられません。

図11:区分登記がされている二世帯住宅のイメージ

相続する方 条件の考え方
お母さま 亡くなられた方の配偶者であり、無条件で適用される。
お父さまの家屋に対応する土地のみ適用可。
長男 「同居の親族」ではなく「自宅に住んでいる」となり「家なき子」に該当しない

3.「小規模宅地等の特例」を受けるためのポイントを自宅の相続で考えよう

亡くなられた方の自宅(特定居住用宅地)に小規模宅地等の特例が適用できると、ご家族が相続する際に330㎡(約100坪)までの土地の評価額が80%減額できます。この小規模宅地等の特例については、すでにご説明してきたとおり、誰が相続するのか、どの宅地について適用するのかによって条件が異なります。

3-1.「小規模宅地等の特例」の対象となる宅地は4種類

この制度の対象となる土地は、自宅以外の場合も含め次の4種類あります。

表1:「小規模宅地等の特例」の対象となる4つの宅地

亡くなられた方の所有する宅地 土地の種類 適用面積 評価減
自宅 特定居住用宅地 330 80%
事業を行っていた土地
(工場、お店など)
特定事業用宅地 400 80%
貸付事業を行っていた土地
(不動産貸付業、駐車場業など)
貸付事業用宅地 200 50%
亡くなられた方やその親族が
一定の割合の株を持つ会社が
事業(賃貸事業を除く)を
行っていた土地
特定同族会社事業用宅地 400 80%

3-1-1.「小規模宅地等の特例」は更地では適用されない

亡くなられた方のご自宅において「小規模宅地等の特例」の対象となる土地は、相続開始直前まで住まいとして使用されていることが条件となります。そして、そこに建物や構築物がなければならず更地の状態では適用を受けられません。

3-2.相続する方に応じた適用条件を確認しよう

ご家族が相続する場合に、誰もが小規模宅地等の特例に該当して80%減額できるわけではなく適用が受けられるご家族が決められています。また、誰が自宅を相続するかによっても適用条件が異なります。亡くなられた方の自宅(特定居住用宅地)にも2種類あり、一つは「亡くなられた方が住んでいた自宅」、もう一つは「亡くなられた方と生計を共にする親族が住んでいる家」です。対象となる2種類の宅地について、相続人と適用の条件をまとめましたので確認していきましょう。

<生計をともにする親族とは>
亡くなられた方が扶養しているご家族(仕事や修学等の都合で別居しているが仕送りで生活をしている親族等)は、生計をともにしていることになります。
わかりやすく言うと、亡くなられた方と「お財布が同じ」ということです。

図12:亡くなられた方が所有している宅地の2つのパターン

この2つの宅地について、「小規模宅地等の特例が利用できるかどうか」説明していきます。

3-2-1.亡くなられた方が住んでいた自宅に特例を適用する場合

亡くなられた方が住んでいた自宅に小規模宅地等の特例を適用する際の要件は、表2のとおりです。

表2:小規模宅地等の特例の居住要件(亡くなられた方が住んでいた自宅)

相続する方 相続開始前 相続開始日から相続税の
申告期限まで
相続税の申告期限後
①配偶者 条件なし 条件なし 条件なし
②同居の親族 居住が必要 居住が必要 条件なし
③家なき子 条件なし 条件なし 条件なし

相続する方によって考え方は異なります。

①配偶者が相続する場合

亡くなられた方の自宅に住んでいても住んでいなくても、無条件で適用が受けられます。
亡くなられた方と配偶者の方は一緒に夫婦で財産を築いてきたものとして、自宅を相続する際に相続税が
起因して家を失うことが無いような配慮がされています。

②配偶者以外の同居の親族が相続する場合

亡くなられた方の自宅について、次の条件をすべて満たす場合に適用が受けられます。
亡くなる以前から同居をしていた親族の方は、自宅の相続時に相続税が起因して家を失うことが無いような配慮がされています。

<条件>
・相続開始前から住んでいる
・相続開始日から相続税の申告期限まで、住み続けている。
・相続した日から相続税の申告期限まで、所有していること。(申告期限まで売却は出来ない。)

③同居していない親族が相続する場合(家なき子)

ご両親のいずれかが一人暮らしをしていて、本来ならば心配で同居をしたいが、仕事や家族の関係で一緒に住めない場合などに適用されます。(これを「家なき子」の条件で判断しています)冒頭でご説明したように、平成30年4月以降は適用の要件が厳しくなります。詳しくは3章でご説明します。

3-2-2.生計をともにする親族が住んでいる家に適用する場合

生計をともにする親族が住んでいる家に小規模宅地等の特例を適用する際の居住要件は、次の表3のとおりです。

表3:小規模宅地等の特例の居住要件(生計をともにする親族が住んでいる家)

相続する方 相続開始前 相続開始日から相続税の
申告期限まで
相続税の申告期限後
①配偶者 条件なし 条件なし 条件なし
②生計をともにする親族 居住が必要 居住が必要 条件なし

相続する方によって考え方は異なります。

①配偶者が相続する場合

亡くなられた方の自宅と同じ考え方で、亡くなられた方と生計をともにする親族の家に住んでいても住んでいなくても無条件で適用が受けられます。

②配偶者以外の生計をともにする親族が相続した場合

亡くなられた方と生計をともにする親族の家は、次の条件をすべて満たす場合に適用が受けられます。

<条件>
・相続開始前から住んでいる
・相続開始日から相続税の申告期限まで、住み続けている。
・相続した日から相続税の申告期限まで、所有していること。(申告期限まで売却は出来ない。)

3-3.亡くなられた方の自宅の評価が80%減額される例

亡くなられた方の自宅(特定居住用宅地)の特例が適用されると、土地の面積330㎡を上限として評価額が80%減額できます。具体的にどのくらいの減額となるのか確認しましょう。

3-3-1.亡くなられた方の自宅の土地が330㎡以内の場合

亡くなられた方の自宅の土地が270㎡の場合、小規模宅地等の特例の減額対象である330㎡以内のため、すべてが減額の対象となり、次のように計算します。

図13:小規模宅地等の特例の範囲内の土地の場合
 

 

3-3-2.亡くなられた方の自宅の土地が330㎡を超える場合

亡くなられた方の自宅の土地が400㎡の場合、小規模宅地等の特例の減額対象である330㎡を超えるため、超えた分は減額の対象外となり、次のように計算します。

図14:小規模宅地等の特例の範囲を超えた土地の場合

 

4.持ち家がない「家なき子」の厳格化される要件を確認しよう

持ち家がないご家族も、亡くなられた方の自宅について、一定の要件を満たすことで特例の適用を受けることができますが、平成30年4月以降に発生する相続では、現行の要件に加えて新たに2つの条件が定めらます。

4-1.現行制度おさらいしよう

現行の制度では、以下の条件をすべて満たす場合に適用が受けられます。

<条件>
・亡くなられた方に配偶者がいないこと。※表2①に該当しない
・亡くなられた方に同居の親族がいないこと。※表2②に該当しない
・相続開始日から相続税の申告期限まで、所有していること。(申告期限まで売却は出来ない。)
・相続開始3年以内に、日本国内に自身または自身の配偶者が所有する家に住んだことがないこと。

4-2.平成30年4月以降の相続から追加される2つの条件

現行の制度では、持ち家に居住していないご家族は3-1であげた条件をすべて満たす場合に適用を受けられますが、平成30年4月以降に発生する相続からは次のいずれかにあてはまる場合に対象から除外されます。

①相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族またはその者と特別の関係のある法人が国内で所有する家屋に居住したことがある者
②相続開始時において居住していた家屋を過去に所有したことがある者

条件が新たに加わることで、残されたご家族の住む家がなくならないためにと設けられた特例が、本来の主旨にそってのみ利用されるようになります。

実際にどのようなケースで特例の適用が受けられるのか、また対象外となるのかについて、具体例をあげながら4章でご説明します。

5.小規模宅地等の特例の対象かどうかをチェックしよう

最初に、ご自身やご家族が相続する宅地が小規模宅地等の特例に該当し80%減額の対象となるか、フローチャートを使用して確認してみましょう。

図15:特定居住用宅地の適用を確認するフローチャート

※1:3章でご説明した平成30年4月からの税制改正の内容によっては「いいえ」となります。

6.小規模宅地等の特例を適用するためには相続税が0円でも申告は必須!

小規模宅地等の特例を適用する場合に、大幅に評価が下がることから本来は相続税の対象であった方が、相続税の対象外となるケースは多々あります。しかし、たとえ相続税が0円であっても必ず申告期限までに相続税の申告書を提出しなければなりません。

6-1.小規模宅地等の特例を適用する場合、添付資料に遺産分割協議書の写しが必要

小規模宅地等の特例を適用させた場合には、添付資料として「遺産分割協議書の写し」を提出する必要があります。特例を受ける宅地を誰が相続するかが決定していることが、特例を受けるための条件となっているからです。
※だれがどの財産を受け取るかを明確にする資料が必要なため、遺産分割協議書に限らず、財産の分割内容が記載された遺言書の写しでも構いません。

6-2.相続税の申告期限までに決まらない場合は延長の申請を

もし遺産分割の話し合いがまとまらず申告期限内に申請ができない場合は、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付することで、相続税の申告期限後3年以内を目途に延長することができます。ただし申告期限内に延長申請をした場合には特例の適用をせず一旦相続税の納税をします。その後、対象となる土地が分割された場合は小規模宅地等の特例を適用することができ、多く納めた税金の還付を受けることができます。

相続税の申告期限は、相続開始を知った日(被相続人が死亡したことを知った日の翌日)から10か月以内です。せっかく適用できる場合でも、申告を忘れてしまっては多額の相続税を納めなければならなくなってしまいますので、申告を忘れないように気をつけましょう。

7.さいごに

小規模宅地等の特例について、適用されるための条件についてお分かりいただけたでしょうか。
相続税の対象となる財産の43.3%が土地と家屋であることから、この小規模宅地等の特例が与える影響は大きく、適用されれば大幅な節税にとても効果的な制度となります。

実際の適用に関しては設けられている条件を確実にクリアしているかどうかを適切に判断しなければなりません。また、平成30年4月以降に発生する相続については、適用の要件が厳格化されるため、その判断をご自身やご家族だけで行うことは非常に難しくなってきていますので、難しい事例やご不安がある場合は相続を専門にしている税理士に相談されることをおすすめします。

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