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相続人がいない場合でもお世話になった方に財産を相続してもらう方法

「相続人がいないので、自分が死んだあと財産はどうなるのだろうか」「相続人がいないけれど、自宅や財産を譲りたいと思っている人がいる。相続人でもない人に財産を引き継いでもらうことはできるのだろうか?」

年齢を重ねられてご自身が亡くなられたあとのことが気になっていらっしゃるのではないでしょうか。

「相続人はいないけれど、お世話をしてくれた方などに財産を引き継いでほしい」と思われている方がいる場合には、何とかしてその方に引き継げないだろうかと調べていらっしゃることと思います。

何もしないまま過ぎ去ってしまうと、財産はいずれ国のものになってしまいます。

本記事では、相続人がいらっしゃらない場合に、お世話になった方に財産を相続してもらうための方法や流れをご説明していきます。

今だからできる、お世話になった方に相続してもらえる準備と、相続後にスムーズに手続きを進めていただく準備をご検討いただければと思います。

1.相続人がいない場合は遺言書の作成により第三者へ相続が可能

相続人の方がいらっしゃらない場合は、ご自身の財産を誰に相続してほしいかという内容を遺言書に残しておくことで、第三者の方であっても相続をしてもらうことができます。遺言書の内容はご自身の思いを自由に書くことができます。

ご自身の身の回りのお世話をしてくれた内縁の方やご近所の方など、相続する権利がない方に財産を譲りたいというご意思がある場合には、遺言書を作成しておくことでその思いを実現することができます。

また、遺言があると、相続手続きを進める上でかなり手間と時間を削減することができます。

図1:遺言書を作ることで第三者へ相続がスムーズになる
遺言書を作ることで第三者へ相続がスムーズになる

2.まずは本当に相続人がいないのか改めて戸籍を確認する

ご自身には相続人がいないと思っていても、実はご両親のどちらかが再婚していると、戸籍上では他にご兄弟がいる場合なども考えられます。

その場合は相続する権利がある相続人がいることになりますので、相続人がいない状況ではなくなり、対策が変わってきます。

本記事の内容を進めていただく場合には、正しい情報をもって進めていただかないとご自身の思いが実現しませんので、戸籍を調べて相続人が確実にいないことを確認しましょう。

2-1.相続人がいないかどうかの調べ方

相続人がいるかどうかを調べるためには、ご自身が生まれた日から現在に至るまでの戸籍謄本をすべて取得する必要があります。

結婚されたり、別の市区町村に引越しされた際に戸籍を移動されていると戸籍謄本は複数枚になります。現在の本籍地で戸籍謄本を1通取得したら終わりではないことが多いのでご注意ください。おおよそ一人5通ほどの戸籍謄本に分かれていることが多いです。

戸籍が複数ある場合には、現在の本籍地で戸籍謄本を取得し、そこから遡っていくことになります。
 
【戸籍をさかのぼる方法】

①現在の本籍地で戸籍を取得

現在の住所地ではなく本籍地の役所にいって戸籍謄本を取得します。郵送での取り寄せもできます。
万が一、本籍地がわからない場合には現在の住民票の住所地である役所に行き、本籍地が記載されている住民票を取得することで確認ができます。

②現在の戸籍から1つずつさかのぼり、出生時の戸籍まで取得する

現在の戸籍を確認するとその戸籍が証明している期間と1つ前の本籍地が確認できますので、1つ前の本籍地から戸籍謄本を取得します。これを生まれた日まで繰り返してすべてを揃える必要があります。

戸籍は、引っ越しなどで本籍地を変更したことがあると転籍として扱われ新たに増えるのですが、ご自分では引っ越したこともなく本籍地が変わった覚えが無くても変わっている場合があります。

それは、戸籍法が改製される前の戸籍をお持ちだった場合で、法の改正とともに知らないうちに新しい戸籍ができ上っている場合があります。

③戸籍に記載のある人物との関係性を確認し、ご自身の相続人の有無を判断する

戸籍謄本がすべて揃ったら、すべての戸籍謄本に目を通して養子縁組や認知をした事実などがないか確認をしていきます。ご自身の相続人の有無を判断するため、内容を丁寧に確認することが大切です。

※誰に相続する権利があるのかについて詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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2-2.相続人は甥姪まで

相続する権利のある方は法律で決められています。相続をする権利がある方、つまり法定相続人は相続順位のルールに沿って決まっていきます。

ご自身に奥さまやお子さんがいらっしゃらず、ご両親やご兄弟も亡くなられている場合には、甥姪が相続人になることもあります。ご自身から一番遠い相続人は甥姪となります。

※相続順位について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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図2:法定相続人の範囲
法定相続人の範囲

3.内縁関係など相続人がいない場合の手続きの流れ

相続人がいない場合に限られますが、内縁関係の方やご親戚の方など相続人ではない方が介護などのお世話をしてくれた場合には、ご自身が亡くなられた際に遺言書がなくても、家庭裁判所への申立てにより特別縁故者として認められれば財産を相続することができます。

一方で、特別縁故者として申立てをする場合には、相続が終わるまでにかなりの時間を要しますが、遺言書が作成されている場合には、相続する方が相続人でなくともすぐに相続手続きをすることができますのでスムーズに進めることができます。

3-1.内縁関係などの特別縁故者が財産を引き継ぐまでの流れ

特別縁故者として財産を引き継ぐためには、まず家庭裁判所へ申立てをおこないます。申立てはステップを踏んで二度おこなう必要があります。

初めに「相続財産管理人の選任の申立て」という手続きをおこない、相続人がいないことを確認してもらいます。そのあと債権者などに対し必要に応じて財産の清算をすべて終えます。

ここまで終えた段階で「特別縁故者の申立て」をおこないます。手間と時間がかかる手続きとなります。

また、特別縁故者として認められた場合でも、財産をすべて引き継ぐことは難しくなります。引き継ぐことができる財産は、裁判所が判断した割合となります。

3-2.遺言書がある場合にはスムーズに引き継げる

3-1でご説明したとおり、亡くなられたあとに特別縁故者として申立てをして財産を引き継ぐ方法は、引き継ぐ方にとても大きな負担をかけることになります。

お世話になった方など財産を引き継いでほしいと思う方に、負担をかけることなく財産を相続してもらうには、遺言書の作成が最適です。

遺言書にご自身の思いを記載することで、ご自身の思いどおりに財産を引き継いでもらうことができ、財産を引き継ぐための相続手続きもスムーズに進めることができます。

4.相続人がいない場合は無効にならないよう公正証書遺言書がおススメ

遺言書を作成するといっても、ご自身の思いを自由に記載すれば良いというものではありません。遺言書を作成する場合には、書き方に厳密な決まりがあって不備があると無効になる可能性があります。

せっかく遺言書を作成しても、ご自身が亡くなられた後に遺言書が無効であることが分かるとご自身の思いを実現することができなくなってしまいます。

遺言書には種類があり、無効になることを防ぐためには公正証書遺言書を作成されることをおススメします。

公正証書遺言であれば、公証人が代理で遺言書を作成してくれますので、記載内容の不備を防ぐことができます。また、公証役場で保管もされていますので見つからない心配もありません。

※公正証書遺言書について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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4-1.相続人がいない場合の土地の受け渡しには要注意

遺言書をとおして第三者の方にご自宅の土地などを引き継いでもらう場合には、必ず引き継ぐ方の同意を得ておきましょう。ご自宅など不動産を引き継ぐということは、必ずしもメリットばかりとは限りません。

維持費がかかったり管理の必要があったりして、うれしく思われないこともあります。ご自宅に住み続けるなど不動産を引き継いでほしいと思っていても、不動産がよいか現金が良いかなど引き継ぐ方の意志も確認して、場合によっては生前に現金化しておくことも検討が必要かもしれません。

図3:土地などの不動産を引き継ぐ場合には注意が必要
土地などの不動産を引き継ぐ場合には注意が必要

4-2.財産の内容が変わったら遺言書を書き換える

作成した遺言書は、公正証書遺言書に限らずいつでも書き直すことができます。ご自身のお気持ちや財産の状況などが変わることもありますので、定期的に遺言書の内容を確認して、変更点があれば書き換えましょう。

公正証書遺言書の場合、公証役場に保管されている原本を修正する必要がありますので、書き換える際には手数料がかかりますが、確実に相続をしてもらうためには大事なことです。

4-3.スムーズに手続きを進めるために遺言執行者を選任

遺言書を作成する際に遺言執行者を選任しておくと、さらにスムーズに手続きを進めることができます。

遺言執行者とは、遺言の内容に沿って実現していく役割と義務を持つ方をいい、不動産の名義変更をするための登記手続きや金融機関で凍結された口座の解約の手続きなどすべての手続きを担ってもらえます。

相続手続きは一般の方では荷が重い部分もありますので、弁護士や司法書士などの専門家に依頼して、遺言執行者として指定しておくとスムーズかつ確実に手続きを終えることができます。

※遺言執行者について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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5.まとめ

相続人がいない場合にご自身の思いを叶えるためには、遺言書の作成が大切であることをご理解いただけましたでしょうか。

相続人がいない場合には、内縁関係の方や親せきの方、ご近所の方にお世話になりながら過ごすことも多いと思いますので、お世話になった方にご自身の財産を引き継いでもらえるように早めに準備をしておくことが大切です。

また、財産を引き継ぐ方にとって手間が増えたりストレスを感じることはよくありません。ご自身のことだけでなく、財産を引き継ぐ方がいかにスムーズに手続きを終えることができるかについても配慮されておくとよいでしょう。

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