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名義預金とみなされる5つのケースと聞いておきたい5つの回避策

お子さん名義の口座にこのままお金を入れ続けていても大丈夫だろうか。
インターネットを調べたり、相続や贈与の本を読むと出てくる「名義預金」という言葉は、そんなご不安な気持ちをさらに不安にさせますよね。

お子さん名義の口座へお年玉やお祝い金に加えて、毎月少しずつの貯金されている場合、ポイントは「口座を誰が管理しているか」「お子さんはもらったことを認識しているか」などです。
ご両親が管理されている、毎月内緒で貯めているなどの場合は要注意です。

本記事では、名義預金とみなされしまうケースと、回避策について詳しくご説明します。
将来に備えて、正しい知識で確実な税金対策をしていきましょう。

1.名義預金は相続財産に含まれる

「お子さん名義の口座」「お孫さん名義の口座」を作ってお金を入れていけば、その子の貯蓄と認めてもらえる、という考え方は今も昔も誰もが考えそうなことです。ご自身が所持している現金を、お子さんなどの別の名義人の銀行口座を開設して、その名義人が存在を知らない預金を名義預金と言います。
また、誰かが誰かに財産を譲ることは贈与となりますので、贈与のルールを守らないといけません。

預金は、口座の名義人のものではなく、真の預金者のものとして考えていきます。万が一の相続の時に「真の預金者は亡くなった方である」と税務署が判断した場合には、その預金は名義預金として相続財産に含めなければなりません。

2.名義預金とみなされてしまう5つのケース

お子さんがいただいたお金を、お子さん名義の口座を開設して預金しておくということはよくある一般的なことですよね。しかし、一般的なはずが、口座の管理の仕方によって後に名義預金とみなされてしまう可能性があります。名義預金とみなされる5つのケースを確認し、該当するケースが無いか確認しましょう。

2-1.ケース①:預金口座があることをお子さんが知らない

お子さん名義の口座を作った場合、未成年のうちは特にお金の話をしたり、自分で使える状態だと良くない、ということから口座があることを本人に知らせないことも珍しくありません。また、成人しても口座の存在を教えてしまうと勝手に無駄遣いをしてしまいそうだから内緒にしておこう、となります。お子さんのことを考えて最善の時に渡そうと思う親心は当然のことだと思います。

しかし、口座の存在を名義人であるお子さんが知らないまま、万が一、管理していたご両親が亡くなられたら、この預金は亡くなられた方の「名義預金」と判断されてしまいます。

2-2.ケース②:通帳と印鑑をお子さんが所持していない

預金通帳やお届け印の印鑑をあずけると失くしてしまわないか、本人が口座から下ろしたらどうしようかなど、名義人のお子さんが通帳や印鑑を所持していなかった場合も「名義預金」と判断されてしまいます。名義人のお子さんがいつでも自由に、その預金を使える状態でないと名義人の預金とはいえないということです。

2-3.ケース③:口座開設時のお届印がお子さんの印鑑ではない

お子さん名義の口座を開設する際に、ついついご両親が普段使われている印鑑をそのまま使用してしまいがちです。このように口座開設時のお届印が名義人の印鑑ではない場合、名義預金ではないかと疑われてしまいます。ご両親がお子さんの口座を代理で開設する際にも、ご自身が普段使用している印鑑で開設するのではなく、口座を開設するお子さんの印鑑を使用しましょう。もし、お子さんが印鑑を持っていない場合は口座開設前にお子さんの印鑑を購入しましょう。

2-4.ケース④:収入がないのに多額の預金がある

幼いお子さんや専業主婦の方の場合、定期的な収入を得ている状況ではないため、多額の預金をすることは難しいと判断できます。幼いお子さんや専業主婦の方の口座に多額の預金がある場合には、誰かの財産を口座に入れているのではないかということで名義預金の指摘を受けることがよくあります。

例えば、専業主婦の奥さまが家計を担い、やり繰りをして残ったお金を毎月コツコツと奥さま名義の口座に預金していることがあると思います。この場合、ご夫婦の生計は同一であり、旦那さまの収入の一部を管理の都合上奥さま名義にしたにすぎず、その預金は旦那さまのものだとみなされてしまいます。

2-5.ケース⑤:贈与税の対象なのに申告・納税をしていない

お子さんの口座に一括で多額の入金をした場合、贈与税の対象になる金額であったにも関わらず申告・納税をしていないと名義預金とみなされます。贈与税は受け取った方、すなわち、お子さんの名前で申告・納税をする必要があります。お子さんの場合は実務上、ご両親のサポートが必要ですが、きちんと申告と納税しておくことで贈与があったという確かな証拠となり、多額な預金があったとしても名義預金だと疑いをかけられることはありません。

※贈与税について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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3.本当によくある名義預金の2つの事例

実際に名義預金とみなされてしまう本当によくある事例を2つみていきましょう。
日常的によくあることなので該当する場合には、早めに対策を考える必要があります。

3-1.事例1:お子さん名義の積み立て、預金

お子さんの名義で口座を開設して、将来の結婚資金や教育資金として毎月積み立てをして、必要になった時に使ってもらおうと口座を開設するパターンです。口座の存在をお子さんには伝えず、ご両親が通帳や印鑑を所持して口座の管理をしていた場合、この状態のままでは名義預金とみなされてしまいます。将来、お子さんが必要とする時に必ず役立てる預金であっても、名義人本人が口座を管理していなければ、お子さんの預金とは言えない状態です。

※お子さんのお年玉・預金について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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3-2.事例2:専業主婦の奥様のへそくり

結婚を機に仕事を辞め、ずっと専業主婦をされていた方は、一般的にはまとまったお金を得る収入源がありません。専業主婦の方は、何十年にも渡って、毎月、家計をやり繰りして、生活費の一部をコツコツ貯金して奥さま名義で蓄財していたとしても、この資金のもとは旦那さまの収入が原資であり、奥さま名義の預金として主張することは残念ながら認められません。長年ご旦那さまを支えて貢献してきた証であると言いたいところでありますが、このような状況の場合は旦那さまの名義預金として、旦那さまの相続の際に指摘を受けてしまいます。

4.名義預金とみなされないようにするための5つのポイント

名義預金とみなされないようにするためにはどのような対策をとればよいのでしょうか。
大事なことは、名義人本人が口座の存在を把握して自らが口座の管理をし、預金を自由に引き出せる状態にすること、そして、贈与を受けた事実は証拠としてきちんと残すということです。

4-1.ポイント1:名義人独自の印鑑を用意し、本人の意思確認のもと口座開設をする

口座開設時のお届印は、名義人であるお子さん本人が普段使用している印鑑にしましょう。しかし、なかなかお子さんの頃から印鑑を持っていることもありませんので、新たに購入された方が良いです。加えて、ご本人の印鑑であれば、本人の意思のもと口座を開設しているという証明になります。お子さんやお孫さんの初めての口座開設という場合は、このタイミングで新しい印鑑をプレゼントするとよいでしょう。

また、口座開設の手続きには、出来れば名義人となるお子さんご本人に立ち会ってもらいましょう。名義人が口座を開設する事実をきちんと理解できる年齢に達しているならば、可能な範囲で本人が口座開設の手続きをするようにしましょう。名義人本人の直筆で書類を記載することは、本人の口座であるという確固たる証拠にもなります。

4-2.ポイント2:通帳・印鑑の所持と預金の管理を名義人自身がおこなう

通帳・キャッシュカード・印鑑を名義人のご本人が所持することはもちろん、預金の引き出しや運用をご本人が管理できる状態にしておくことが大切です。また、名義人以外の方がその預金を管理している状況の場合、管理している方の財産、すなわち、名義預金とみなされることになります。

図1:名義預金とならないためのイメージ
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4-3.ポイント3:一定額を渡す場合はその都度贈与契約を結ぶ

贈与の考え方として、ご自身の財産を無償で「贈る」という意思表示をして、相手方がこれを「受け取る」と承諾することによって成立します。お互いが合意の上で成り立つ契約です。ただし、毎年110万円以下の贈与で贈与税を発生させずに贈与を繰り返す場合、贈与契約書を作成しておくことがおススメです。

図2:贈与の双方合意のイメージ
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贈与契約の場合、法律で決まった書式があるわけではありませんが、以下のように贈与の事実を書面に残し、互いの署名と捺印を取り交わしておくと確実に贈与とみなされます。家族の間で契約書なんて、という気持ちもあり、手間もかかることですが、できれば贈与をするたびに書面を作成することをおすすめいたします。

誰が(贈与者)、誰に(受贈者)、いつ(贈与の日)、何を(贈与財産の内容)、どうやって(贈与の方法)といった5つの点を必ず明確にしておきましょう。受贈者が未成年の場合は、ご両親の署名捺印も必要です。

3:贈与契約書の例
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4-4.ポイント4: お金の移動は銀行送金で記録を残す

通帳の履歴にも、実際に贈与があったという記録を残しておくことが大切です。現金を手渡しするのではなく銀行振込をお勧めします。

図4:送金の証拠は通帳の履歴に残す
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4-5.ポイント5:暦年贈与を活用する

贈与の場合、1年間(1月1日から12月31日まで)に1人の方が受け取った金額が110万円以下であれば贈与税はかからず申告の必要もありません。これを暦年贈与といいます。将来の相続において、名義預金と指摘されないためには、この暦年贈与を上手に活用し、贈与税がかからない生前贈与を確実に実行しておくことが大切です。
ただし、相続開始前3年以内の贈与は、暦年贈与など非課税の範囲内であっても相続財産に加算をする必要がありますのでご注意ください。

※暦年贈与について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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4-5-1.誤解しがちな非課税枠の考え方

例えば「毎年非課税枠を使って100万円ずつ10年間贈与をする」と約束(契約)した場合、毎年忘れないように決まって誕生日に100万円を振り込むなどの方法が想定できます。この場合、初めから1,000万円を贈与する目的があったとみなされ、1,000万円-110万円(非課税枠)=890万円に贈与税が課税されることになりますので注意してください。この場合10年頑張って贈与したにも関わらず、10年過ぎた後に一括で贈与したものだと言われてしまうのです。

このように毎年決まった時期に決まった金額を贈与することを「連年贈与」といい「最初から全額を贈与するつもりだった」とみなされてしまいます。

4-5-2.贈与税の申告・納税をきちんとする

贈与する金額が、年間で110万円を超える場合には、贈与税の申告と納税の手続きが必要です。毎年、あえて110万円を上回る金額を贈与して、贈与税の申告・納税をすることも有効です。これは、税務署に対して毎年正しい贈与をしていることを示し、贈与の実績を作っていることから有効な手法です。
また、贈与税は財産を贈与した人ではなく、取得した人(受贈者)にかかります。

図5:贈与税の対象者はもらう人
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5.相続で名義預金と判断されたら取り返しがつかない

名義預金は、相続税の税務調査で1番指摘されやすいと言われています。相続税の税務調査では、亡くなられた方が所有されていた口座はもちろんのこと、そのご家族名義の口座の取引状況まで照会します。つまり、亡くなられた方を中心に生前のお金の流れを細かく調査します。

万が一、税務調査で名義預金と疑われ、無税で贈与したことが否認された場合、その財産は相続財産として追加されます。税務調査は申告期限後に行われるため、相続税の申告漏れとなり、修正申告と延滞税などのペナルティを追加した納税をしなければなりません。また、贈与であると認められたとしても、贈与税の申告をしていなければ、期限後の贈与税の申告とペナルティの付いた納税をしなければならなくなります。
よって、疑わしい預金に関しては早めに正しい内容に是正することをお勧めいたします。

※税務調査について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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6.最後に

お子さんやお孫さんのために少しでも多くの財産を残してあげたいと思い、地道に貯め続けたお金が将来の相続で問題になってしまうようなことになれば悲しい限りです。

相続税や贈与税は複雑で、十分な認識を持って対策を行わなければ、かえって負担が大きくなってしまうことがあります。ご自身では判断が難しいお金の流れがある場合は、専門家である税理士に早めにご相談され、万全な対策をとって頂ければと思います。

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