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幼い子の相続税は未成年者控除で減額!控除額の計算方法と3つの条件

「働き盛りの旦那さまが、まだ幼い子どもを残して突然亡くなってしまった・・・」
このような信じがたい現実に直面してしまったら、今後の生活も不安ですが相続税の納税が必要となるとお金も心配になります。

お子さんの将来を考えると、1円でも多くの財産を相続したいと考えられると思います。
相続税の申告が必要な割合が約8%であることから、相続財産が基礎控除を超えているだけで一般的には十分な財産となりますが、納税等のことを考えるといろいろと不安になります。

相続には、残されたご家族の生活を守るため相続税を減額できる控除がいくつかあります。その一つに未成年者控除という、未成年者が相続人となった場合に相続税を減額できるしくみがあります

本記事では、制度の概要やどのくらいの相続税を控除できるのか、具体的な適用事例等についてご説明をしていきます。

1.未成年者控除とは今後の生活を考えて相続税を減額できるしくみ

お子さんが未成年であっても、財産を相続すればその金額に応じて相続税を支払わなければなりません。
しかし、未成年者の方は収入があるわけでもなく、これから養育費がかかるような状況ですので、相続税の負担が大きいと今後の生活に不安が残ります。

このように未成年の方が相続する場合には、これからの生活を維持していくためにも、相続税が大きな負担とならないように配慮し、一定の額を相続税から控除する「未成年者控除」という制度を設けています。
この未成年者控除に該当する相続税を減額できるしくみです。

成年年齢を18歳に引下げる民法改正法が2022年4月1日に施行される予定で、未成年者控除の対象についても満20歳から満18歳となります。

2.幼いほど大きい相続税の未成年者控除の計算方法

相続税の未成年者控除の控除額の計算方法は簡単です。
未成年者の方が、満20歳になるまでの残りの年数に10万円を乗じた額となりますので、幼いお子さんほど未成年者控除が大きくなります。未成年者が納税しなければならない相続税額から、この未成年者控除の計算で得られた金額を差し引くことができます。

未成年者控除で利用する年齢は4歳11ヶ月のお子さんの場合、1年未満を切り捨てますので4歳です。
未成年者控除で利用する年数は(20歳-4歳)=16年となります。
よって、未成年者控除の額は10万円×16年=160万円となります。

なお、未成年者が婚姻したことで成年に達したとみなされる場合でも未成年者控除の適用はあります。
また、胎児だった相続人が無事に生まれてくると未成年者控除の適用が認められ、控除額は満額の200万円となります。

図1:未成年者控除の計算方法

3.相続税を未成年者控除により減額する例

2章の計算方法により、未成年者の方の年齢によって控除額が変わることがわかりました。では、実際に相続税を計算した場合、未成年者の方が納税する相続税額より控除額の方が下回っている場合、もしくは上回っている場合では、それぞれどのように取り扱えばよいか減額する例を確認します。

3-1.未成年者の相続税額より未成年者控除が少ない場合

相続税額から未成年者控除の額を引いて残額がある場合は、その額を相続税の納税期限内に納める必要があります。

<事例1>
未成年者:18歳6ヶ月の長男
相続税額:200万円
未成年者控除:20万円

納税額:180万円(200万円-20万円)

図2:18歳6ヶ月、相続税200万円の長男の納税額の考え方

3-2.未成年者の相続税額より未成年者控除が多い場合

3-1と反対に相続税額よりも未成年者控除の額の方が多い場合には、未成年のお子さんの納税額は0円になります。さらに、未成年者控除はお子さんの相続税で控除できなかった金額を扶養義務者から控除することができます。

<事例2>
未成年者:1歳7ヶ月の長女
相続税:50万円
未成年者控除:190万円(140万円控除できない)

納税額:0円(50万円-190万円)

図3:1歳7ヶ月、相続税50万円の長女の納税額の考え方

この場合、長女の相続税から未成年者控除を差し引いても、控除できない金額140万円が残ります。
計算の結果、控除額が支払うべき相続税額を上回った場合は、控除しきれない額をその未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。

図4:控除しきれない場合は扶養義務者の相続税額から控除できるイメージ

ただし、未成年者の扶養義務者が亡くなられた方の配偶者である場合は、配偶者控除を先に適用するため、相続税額がすでに0円になっている場合が考えられます。
また、図4のように扶養義務者の納税額からも引ききれなかった場合、還付されることはありません。

※配偶者控除について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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4.相続税の未成年者控除が適用できる3つの条件

相続税の未成年者控除を受ける場合には、適用条件があります。
次にあげる3つをすべて満たす場合に未成年者控除が適用できます。

4-1.①日本に住所があること

原則として、相続開始時に日本に住所がある場合には未成年者控除の対象になります。
なお、海外に住所がある場合でも、未成年者控除を適用できる場合があります。

4-2.②相続や遺贈で財産を取得した年齢が20歳未満であること

財産を取得した時とは亡くなられた日のことです。亡くなられた翌日以降に誕生日を迎えて20歳になったとしても亡くなられた日に20歳未満であれば、未成年者控除の対象となります。また、母親のお腹の中にいる胎児についても、無事に生まれてきたことを条件に未成年者控除を使うことができます。

4-3.③相続や遺贈で財産を取得した方が法定相続人であること

相続でも遺言による遺贈でも、法定相続人の場合に限り未成年者控除が利用できます。遺言書により法定相続人では無いお孫さんへ相続する場合などは、この対象とはなりません。
また、未成年者控除の法定相続人は、相続放棄をした場合でも相続放棄が無かったものとして法定相続人を考えることになります。

5.相続税の未成年者控除を使うために必要な2つの手続き

相続税の未成年者控除を使うためには、しっかりとした手続きを取る必要があります。ご自身とお子さんだけが相続人だからと言って、財産の分割方法を勝手に決めて申告してはいけません。面倒だと思いがちですが、未成年者控除を使うためには次の2つの手続きが必要となります。

5-1.特別代理人を決定する

相続人の確定や相続財産の把握など、通常の相続と同様の内容を進めていきますが、法定相続人の中に未成年者がいる場合には、必ず特別代理人を選定する必要があります。これは、未成年者は判断能力が十分ではないとされていること、亡くなられた方の奥さまはお子さんの保護者である一方、同じ相続人という立場であり利害関係にあるためお子さんが不利にならないように特別代理人の選任が義務付けられています。

実際には祖父母などに特別代理人となっていただくことが多いですが、特別代理人は未成年者が不利にならないようにしなければならないため、法定相続分を下回らないように遺産分割協議へ参加します。
特別代理人は家庭裁判所で選任してもらわなくてはならないので時間もかかります。早めに対応をしましょう。

※特別代理人について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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図5:戸籍・財産調査、特別代理人の選任手続きのイメージ

5-2.遺産分割協議を調える

法定相続人全員で遺産分割協議を行います。このときに未成年者の代理として特別代理人が出席します。
遺産分割協議が整ったら遺産分割協議書を作成して、全員が署名・捺印をしたうえで印鑑証明書を添付すれば完成となります。未成年者の分の署名・捺印は特別代理人が行い、印鑑証明書も特別代理人のものを添付します。完成された遺産分割協議書は相続税の申告の際だけではなく、様々な名義変更手続きの際にも使用されます。

図6:遺産分割協議のイメージ

6.未成年の相続人がいる場合は専門家への相談がおススメ

いざ相続となるとやらなくてはならないことがたくさんあり、子育ても旦那さまが亡くなられた後の生活を落ち着かせることも大変で気が遠くなります。また相続税の申告が必要な相続財産をお持ちの場合には、少しでも相続税を減額したいものです。
そんな時には、相続に関わる手続きから相続税の申告まで、相続税を専門とする税理士に相談されることをおススメします。

戸籍、財産調査を含む相続の手続きから相続税の申告までワンストップでサービスを提供してくれます。
相続税の申告を依頼する場合には、手数料だけで比較するのではなく、手数料と相続税の合計額が少なくなるように、相続税のノウハウを持つ専門税理士に依頼することが最適です。

※税理士の選び方について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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7.まとめ

相続税の未成年者控除についてご理解をいただけましたでしょうか。

旦那さまが相続税の申告が必要となる財産を残してくれたことは、とてもありがたいことです。また、未成年者のお子さんがいらっしゃることで相続税を減額でき、今後の生活に少し兆しが見えてくるかと思います。

相続税の申告は亡くなられた日の翌日から10ヶ月以内に済ませる必要があります。相続の手続きだけではなく、保険、団信、年金、退職金などの手続きをひとつひとつこなすだけでも大変なことだと思います。

相続に強い税理士にご依頼いただければ、これらの手続きのサポートも得ることができます。頼れるところは頼りつつ、しっかりと期日までに進めていきましょう。

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