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相続税の非課税財産の種類と非課税財産を活用した相続税対策

相続財産には、本当にすべて税金がかかるのだろうか。
「この財産には税金がかからなくてもよいのではないか」「残された家族が支払う相続税は少しでも減らして おけないだろうか」「非課税の財産があると聞いたが何が対象となるだろうか」こんなことにお悩みではないでしょうか。

相続税を考える際に、相続財産から差し引いてもよいとされる「非課税財産」というものがあります。
非課税財産に該当する財産は何か、非課税財産を活用した相続税対策はできないか、について、詳しくご説明いたします。

1.非課税財産とは「相続税がかからない財産」のこと

相続を理由に受け取るすべての財産は、原則、相続税の対象財産となりますが、一部例外的に相続税の対象とならない、つまり相続税がかからない財産として認められているものがあります。それらの財産のことを非課税財産ということがあります。

1-1.具体的な5つの非課税財産

非課税財産は、大きく分けて5つの分類に分けることができます。これらに該当する財産は、相続税がかからない非課税財産として取り扱われます。
(1)墓地や墓石、仏壇、神を祭る道具など日常礼拝しているもの ※ただし、金でできたもの、骨董的な価値のあるものは除く
(2)国や地方公共団体などへ寄付した相続財産
(3)生命保険金のうち非課税枠内の保険金
(4)死亡退職金のうち非課税枠内の保険金
(5)その他の非課税財産
  ・公益を目的とする事業に使われることが確実な財産
  ・心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金
  ・個人経営の幼稚園事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの

図1:具体的な非課税財産のイメージ
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1-2.非課税財産と相続税の関係

相続税は、すべての相続財産から基礎控除額を引いて、残った金額に相続税率を掛けて計算していきます。非課税財産がある場合には、まず相続財産から差し引いて、次いで基礎控除額を引くという考え方になります。計算式は以下のようになります。

図2:非課税財産がある場合の相続税課税対象額の計算方法
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2.非課税財産で注意すべき5つのこと

非課税財産だから相続税はかからない!と安心していると、実は「該当しない」という落とし穴に遭遇する場合があります。次の5つの注意点を確認して、非課税財産に該当するための要件を満たしているか、しっかりと確認しておきましょう。

2-1.お墓や仏壇などの支払いは完済しておく

ご先祖様を祭る習慣を尊重するために、墓地や墓石、仏壇などは非課税財産に該当するとなっていますが、これは「相続開始日までに支払いが済んでいるもの」に限られます。例えば、お墓の費用の一部が未払いである場合にはお墓は非課税財産となりますが未払い金は債務控除できません。また、お墓をローンで購入していて、その支払いが完済していない場合も残念ながら非課税財産とは認められません。

また、常識的な範疇を超えた華美なお墓だったり、金で作られた仏像であったりする場合にも非課税財産には該当しません。

図3:お墓や仏壇が非課税財産となる場合、ならない場合のイメージ
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2-2.寄付をしただけでは認められない

広く一般の方々にとって利益となるような公益事業に対して、確実に財産が使われるもしくは寄付する場合は非課税財産に該当しますが、「2年以内に財産が公益事業に使われること」また、「宗教、慈善、学術などに該当する公益事業であって公益認定委員会で認めてもらうこと」のいずれかの条件を満たさない場合には、非課税財産に該当しません。

図4:寄付、もしくは公益事業等に財産が使われた場合の非課税判断のイメージ
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非課税財産と見なされる寄付先の公益法人の例は、次のようになりますのであわせてご確認ください。相続発生後に相続財産が寄付さけるように、とお考えの場合には遺言書等にその旨をはっきりと記載しておくか、相続人にその意向をしっかりと伝えておきましょう。

表1:寄付金が非課税財産とみなされる公益法人の例

公 益 法 人 事 業 内 容
日本赤十字社 国内災害救護、国際活動など
日本ユニセフ協会 戦争などで被害を受けている国の子供の支援
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 国内外での子供の支援事業及び、啓発活動
ワールド・ビジョン・ジャパン 世界の子供たちのための人道支援
私立大学 学生への奨学金、卒業した学部の運営資金など使途を指定できることが多い

2-3.生命保険金や死亡退職金の非課税枠は法定相続人しか使えない

「残された家族のこれからの生活を守るためのもの」という意味合いが強い、生命保険金や死亡退職金については、相続税の基礎控除額とは別の非課税枠が設けられています。その範囲内の金額であれば非課税となりますが、受取人が法定相続人以外の場合はこの非課税枠は適用されません。また、相続放棄をした方が受取人だった場合も非課税枠は適用されません。

図5:非課税枠の考え方
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2-4.生命保険は契約の仕方に注意しよう

生命保険の契約の際には必ず、契約者と被保険者、保険金の受取人が指定されています。契約の仕方を誤ると、対象となる税金が相続税ではなくなってしまう場合があります。相続税の課税対象となって非課税枠が認められる場合の契約の仕方は以下のパターンだけなので注意してください。

図6:非課税財産となる生命保険の契約パターン
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生命保険の契約に関しては ⇒ 相続税対策で生命保険?節税だけでなく円満相続につながる5つの理由

2-5.現役世代の方は会社の退職金規定を確認しておこう

退職する時に支払われる退職金ですが、万が一、退職する前に亡くなられた場合は、遺族の方が「死亡退職金」という名目で代わりに退職金を受け取ることになります。また、死亡退職金と同時に「弔慰金」として、ご家族への慰めとして会社等から追加で支払われる制度が整っている場合があります。死亡退職金、弔慰金については、会社ごとに退職金規定にルールが定められていますので、退職金規定をしっかりと確認しておきましょう。

また、死亡退職金も、生命保険と同じように「残された家族のこれからの生活を守るためのものと見なされますので、非課税枠が適用されます。さらに「弔慰金」という名目で支払われる場合、別枠の非課税枠を適用する考え方がありますので、次の例を参考に確認していきましょう。

図7:弔慰金の非課税枠の考え方
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図8:弔慰金と死亡退職金の非課税枠の計算例
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3.非課税財産を使った相続税の4つの節税対策

非課税財産に該当するものがわかると、非課税財産の枠を活用して最大限に相続税を減らそうと思われるのではないでしょうか。非課税財産の枠を正しく有効活用して、生前に相続税の対策をしておきましょう。
今回は、相続税の節税対策になる考え方を4つご紹介します。

3-1.お墓を買うなら、生前に現金で購入する

葬儀がひと段落した後に亡くなられた方のためにお墓を新たに購入する場合、相続財産の一部から費用を出してお墓を購入するとなると、お墓の購入費用分は相続税の対象にしてほしくない。と思います。しかし、亡くなられた後にお墓を購入する場合には、相続した財産からねん出してお墓を購入した、という考え方になるため、非課税にすることができません。購入予定がある場合、生前にできれば現金一括で購入されておくと相続財産を減らすことができます。これは購入したお墓が相続時に非課税財産となること、加えて購入することで現金を減らすことができるため相続財産が減り節税につながります。ただし先に説明したとおりローンで返済していて途中でお亡くなりになられると非課税財産にならない点に注意が必要です。

図9:お墓は生前に購入した方が節税になる具体例
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3-2.生命保険の非課税枠は受取人が1人でも最大限利用可

生命保険金の非課税枠は、「法定相続人の数」で決まることがお分かりいただけたと思いますが、この非課税枠を活用するには、「法定相続人ごとに受取人となる保険を契約しなければならない」と勘違いされるケースもありますが、生命保険の受取人はお一人で構いません。受取人がお一人で、相続人が3人の場合、受取人の方が受け取る生命保険には1,500万円の非課税枠が利用できます。

図10:生命保険金の非課税メリットの考え方
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3-3.生命保険金の非課税枠の節税メリットは大きい

生命保険金は、確実に指定された受取人に財産を引き継いでもらうことができます。奥さまが受取人であれば、他の相続人は受け取ることができないルールです。よって、遺言のような意味合いを持たせることができ、もめごとを防ぐことができます。そして非課税枠を活用することで相続税の心配も減少します。

図11:生命保険金が相続の節税対策をする具体例
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4.さいごに

非課税財産は、相続税がかからない財産だということを、ご理解いただけましたか?
特に「相続財産の総額が、相続税の対象となるのかならないのかギリギリのライン」という方は、非課税財産の枠をうまく活用して、ぜひ相続税の対象では無くなる工夫をしましょう。

相続税を支払う必要があるということは、残された家族にとって大きな負担になることもあります。相続税の支払いに必要な現金を準備したり、その現金を信頼できるご家族に一任したり、ご自身の想いを形にすることができます。

そのためにも、十分な対策をできるだけ早めにしておくことが、円満な相続への近道になるのではないでしょうか。

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