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【イラスト図解】相続税の基礎控除の考え方・使い方を徹底解説

相続について調べていると比較的早い段階で目にする「相続税の基礎控除」ですが、「何となく意味は分かるけれど、具体的な内容がわからない」「自分の場合はどうなるのだろうか?」といったことを感じられているのではないでしょうか。

相続税の基礎控除は、相続税の申告をするかどうかのボーダーラインとしてまずは利用します。具体的な割合としては、約92%の方が相続税の申告が不要となり、約8%の方が必要となります。
もう一つは、相続税の申告が必要となった場合には、この基礎控除の額までは相続税がかかりません。

まずは基礎控除の意味を正しく理解し、申告が必要か否かの判定を正しく速やかにおこないましょう。
本記事では、イラストを活用しながら相続税の基礎控除についてわかりやすくご説明をしていきます。

1.相続税の基礎控除を使って、申告が必要かどうかを判定する

相続税の基礎控除とは、簡単にいうと「相続する財産のうち、相続税がかからない額」のことです。つまり相続する財産の総額が相続税の基礎控除を下回れば相続税が全くかかりません。ただし、基礎控除される額は相続人の人数によってそれぞれ違いますので、以下で詳しく説明していきます。

1-1.相続税のボーダーラインとなる基礎控除の意味

相続税がかかるか、それともかからないか、その境界線(ボーダーライン)と言えるのが基礎控除であり、相続税を試算する上でも重要な意味を持ちます。

約92%の方は相続する財産の総額が基礎控除額より少なく、相続税の申告が不要となります。もちろん納税も必要ありません。反対に基礎控除額を上回る相続財産があれば、その超えた部分だけが相続税の課税の対象となり、相続税がかかることになります。「基礎控除額」と記載しており具体的な金額が示されていない理由は、相続人の人数によって基礎控除額が異なるためです。

図1:相続税の基礎控除額のイメージ
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1-2.基礎控除額を決める“法定相続人の数”

相続税の基礎控除は、「3000万円+法定相続人の数×600万円」という式で求めることができます。この法定相続人を決めるためのルールとして相続順位という考え方があります。相続順位の考え方に基づいて決定した法定相続人の数が、この基礎控除の対象人数となります。相続人が多いと控除される割合が多くなります。

相続順位の詳しくは → 【イラストでわかる】誰でも簡単!遺産相続の順位が分かる5つの法則

図2:相続税の基礎控除の計算式
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1-3.相続人が3名なら基礎控除額は4,800万円

お父さまが亡くなられた場合で、相続人がお母さま、ご自身(長男)、長女(妹)の3人が法定相続人になる場合の相続税の基礎控除額を確認してみましょう。法定相続人が3名となりますので、基礎控除額は4,800万円となります。

3:相続人が3名となる例
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4:法定相続人が3名の場合の基礎控除額の計算例
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1-4.相続税の基礎控除額の早見表

法定相続人を数えて式に入れて計算することも一つですが、相続税の基礎控除額を算出するための早見表を準備しました。ご自身の環境に合わせてご利用ください。

表1:相続税の基礎控除額の早見表

法定相続人の数 算式 基礎控除額
0人 3,000万円+(600万円×0人) 3,000万円
1人 3,000万円+(600万円×1人) 3,600万円
2人 3,000万円+(600万円×2人) 4,200万円
3人 3,000万円+(600万円×3人) 4,800万円
4人 3,000万円+(600万円×4人) 5,400万円
5人 3,000万円+(600万円×5人) 6,000万円
6人 3,000万円+(600万円×6人) 6,600万円
7人 3,000万円+(600万円×7人) 7,200万円
8人 3,000万円+(600万円×8人) 7,800万円
9人 3,000万円+(600万円×9人) 8,400万円

※10人以上の場合にも、簡単に計算することが可能です。

2.【こんな時どうする】迷いやすい基礎控除の7つの例

相続税の基礎控除を考える際には、法定相続人の数が影響していることはご理解頂けたと思いますが、実際にご自身の家族関係にあてはめてみるとわからないケースがあります。近年は、家族環境も多様化していますので、状況に応じてどのように判断すればよいか7つの例をご紹介します。

2-1.内縁の妻は対象外

お母さまがすでに亡くなられており、お父さまが内縁の妻と一緒に暮らしている場合には、法的に籍を入れていないことから相続の対象とはなりません。あわせて、基礎控除を考える際の法定相続人としてもカウントされません。

2-2.連れ子は養子縁組をすれば実子扱い

お父さまが再婚されて新たなお母さまに連れ子がいらっしゃる場合には、養子縁組をすることでその連れ子も税法上の実子として取り扱われます。この連れ子は何人いても実子と同じ扱いとなることから、再婚した際には養子縁組を早い段階でおこなっておきましょう。ただし、前妻とのお子さんがいらっしゃる場合には相続できる割合が減ることになるので、関係性の考慮や気持ちへの配慮など丁寧に対応しましょう。

2-3.養子を相続人として数えるには制限がある

法定相続人が増えると基礎控除額が増えることから、相続税の対策としてお孫さんを養子縁組するなど、相続税対策をされるケースもあります。つまり、お父さまと相続人であるご自身のお子さんを養子縁組するようなケースです。ここでの注意点は、何人でも養子縁組をすることができますが、相続税の基礎控除を考える際に法定相続人となる養子縁組の人数は、実子がいる場合には1人まで、実子がいない場合は2人までという制限があることです。ただし、養子縁組として特別養子縁組をしている場合には、連れ子同様に養子縁組した全員が法定相続人となります。

2-4.相続手続き中に相続人が亡くなっても変動なし

お父さまが亡くなられて相続の手続きをしている間にお母さまも後を追うように亡くなられてしまった。ということも珍しくありません。このような状況の相続のことを「数次相続」といいます。このようにお父さまの相続税の申告期限前に亡くなられてしまった場合も基礎控除額は減りません。相続税の基礎控除を考える際には、お父さまが亡くなられた時点を起点として考えます。つまり、お父さまが亡くなられた際にご存命だったお母さまは、基礎控除額を計算する際の法定相続人に含めることができます。

2-5.相続放棄した人がいても基礎控除額に変動なし

お父さまに多くの借金がある場合やプラス財産であっても相続をしたくない場合等、何かしら事情があって相続をしたくない場合には、相続放棄(家庭裁判所に申述し承認を受けた人)をします。相続放棄の手続きが終わると相続をする際には「初めから相続人ではなかったもの」と見なされますが、相続税の基礎控除を考える場合には、相続放棄をした方も法定相続人の人数には含めて計算します。

「たとえ相続放棄をしても、相続発生時点では相続人であったため」と覚えておいて下さい。

2-6.遺言で第三者への遺贈があっても基礎控除額に変動なし

亡くなられたお父さまが遺言を作成されている場合、相続権のない同居をして介護をしてくれた長男のお嫁さんやお孫さん、または全く知らない第三者へ相続財産を譲ると記しされている場合があります。相続人以外の方へ財産を譲る場合には、その方は相続税の支払いが必要ですが、基礎控除の対象にはなりませんので注意しましょう。

2-7.欠格や廃除に該当したら基礎控除額に変動あり

相続人の中に欠格者、廃除者がいる場合には、基礎控除の対象とはなりません。ただし、欠格者や廃除者に代襲権のある相続人がいればその方が新たな相続人となりますので、代襲相続人として法定相続人の数がカウントされることになります。

(欠格者とは)
欠格者は、相続人が犯罪を犯して(相続に関したことで法律を犯した場合)法定相続人の権利を完全に失うことです。例え、遺言で欠格者に相続させたい旨が記されていても認められません。また相続権を復活させることもできません。
 
(廃除者とは)
廃除者は、被相続人が遺言に記載、もしくは生前に家庭裁判所に請求することにより特定の相続人の法定相続人としての権利を奪うことです。廃除の理由としては、相続人が亡くなられた方に対して、虐待や重大な屈辱を与えた、もしくは著しい非行があった等、それなりの理由がなければ認められず、家庭裁判所も慎重に審議します。

3.相続税の基礎控除額を上回った時の今後の対応

相続税の基礎控除のボーダーラインを越えてしまい、申告が必要となる方は全体のうち約8%です。相続税の基礎控除を上回った場合には、基礎控除を超えた相続財産に対して相続税の申告が必要となるうえに、申告には10ヶ月というとても短い期限がありますので、内容をよく確認しましょう。

3-1.上回ったら相続税の申告!期限に気を付ける

相続税の基礎控除額を超えた場合には、10ヶ月以内に遺産分割協議を整えて、相続税の申告及び納税をする必要があります。遺産分割協議では、相続人全員が集まって相続財産をどうするか話し合いますが、現金等の分けやすい財産ばかりであればよいですが、亡くなられた方の自宅が主な財産の場合には、遺産分割協議がなかなか進まないケースも多くあります。

期限については → 遺産相続全体の流れと『遺産相続の7つの期限』【総まとめ】
遺産分割協議とは → 遺産分割協議とは?「困った」を解決し円満に進めるhow toポイント

3-2.相続財産のうち基礎控除額までは相続税の対象外

相続財産の総額が7,000万円で、法定相続人が3人の場合を例に考えてみます。相続税の基礎控除額が4,800万円となるため、4,800万円の財産には相続税がかかりません。相続財産の総額である7,000万円から基礎控除の4,800万円を引いた「2,200万円」に相続税がかかります。

54,800万円まで相続税がかからないイメージ
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3-3.相続税の申告は必要だが納税の必要性をチェックする

相続税の基礎控除額を超えた場合には必ず相続税の申告が必要です。ただし、基礎控除額までの財産は相続税の対象となりません。さらに基礎控除を超えた財産についても、特例や控除が利用できる場合があり、それらを適用した結果相続税の納税が0円となるケースもあります。

3-4.相続税の専門の税理士に相談する

相続財産の正しい評価や特例・控除の適用に関しては高度な知識が必要であり、相続税の申告が間違っているとペナルティも発生します。国税庁から発表されている相続税申告のうち税理士が関与した割合は89.8%です。高度な知識とノウハウのある相続税専門のチームを持つ税理士法人へご相談されることが最適です。

4.相続税の基礎控除を下回った時の今後の対応

相続税の基礎控除のボーダーラインを越えず、申告が不要となる方は全体のうち約92%です。相続税の基礎控除を下回った場合には、相続税の申告は不要です。ただし、どこからも相続税の申告が必要なのか不要なのか通知が来ませんので、自己判断となり不安にもなります。

4-1.下回ったら相続税の申告は不要だが相続登記が必要

相続税の基礎控除を下回った場合には、相続税の申告も納税も不要です。ただし、遺産分割協議をおこない亡くなられた方の財産を相続人で分割します。遺産分割協議がまとまったら遺産分割協議書という書面を作成して、口座や亡くなられた方の自宅、車などの名義変更をおこないます。特に期限はありませんが、名義変更をしないとのちにトラブルになりやすいので、早めに対応をしましょう。

4-2.約92%の方が基礎控除を下回る

相続税の申告が必要な方が多いように感じている方もいらっしゃると思いますが、日本の相続税の申告は先に記載した通り約8%です。平成27年度の税制改正で相続税の基礎控除が引き下げられたことで申告の対象者が倍になりました。つまりそれまでは4%でした。

相続申告が2倍に → 相続税の基礎控除の改正は影響大!平成27年の申告件数は約2倍に!

4-3.基礎控除額ギリギリの場合には、税理士へ相談する

相続財産の総額が3,000万円以上の場合には、念のため相続税の申告の必要がないか税理士に相談されることをお勧めします。万が一、相続税の対象だった場合のペナルティは大きいですので、有料であっても相続税の申告が必要ないことを確かめてもらったほうが得策です。

5.さいごに

相続税の基礎控除について、ご理解頂けましたでしょうか?
相続税を考える基本的な考え方として「相続税の基礎控除」のしくみが大筋でも把握できていれば、亡くなられた方の相続手続きの進め方の目途が立ちます。

また、この考え方がわかれば生前に相続税が発生するかどうか判断でき、相続税が発生する場合には生前贈与など相続税の対策を取っておくことができます。

相続税の基礎控除の考え方を有効活用しましょう。

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