SO0156_相続税 2割加算
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相続税が2割加算されるのは誰?全パターンと計算方法を徹底解説

「相続税を払うだけでも大変なのに、相続税が2割加算されてしまうことがあるってどんな時?」

相続税について調べていると「2割加算される場合がある」という説明を見て、私たちは大丈夫だろうか、と不安になられていることかと思います。

相続税の納税額は、妻・子・親が相続する場合には加算されることはありません。しかし、相続税の対策や本来は相続人では無い方へ相続財産を譲渡する場合などには、この2割加算が適用され、相続税の2割分を追加で納税する必要があります。

ただし、相続税の対象とならない場合は、誰に相続しても2割加算は関係ありません。

本記事では、具体的にどのような場合に2割加算されるのか、2割加算される理由は何か詳しくご説明していきます。

1.相続税の2割加算とは

ご夫婦とお子さんがお2人の場合、お父さまが亡くなられた際にはお母さまとお子さま2人が相続人となります。お父さまが亡くなられた際に、お孫さんや第三者の方へ相続財産を受け渡す場合に相続税が2割加算されます。

ただし、この2割加算は全ての相続税が2割加算されるわけではなく、2割加算の対象となる方が支払う相続税だけ2割加算されます。

実際には、相続税が発生すると約90%の方は税理士に依頼するため、ご自身で計算することは無いと思いますが、該当する方を特定したり、金額を知るために読み進めていただければと思います。

【お父さまが亡くなられた場合】
・財産をもらう人:お母さま・長男・長女・長男の子(孫)
・相続税の納税額:計500万円
  お母さま:200万円
  長男・長女:100万円
  長男の子(孫):100万円 → 100×1.2=120万円

この場合、お孫さんは法定相続人ではないため、相続税が2割加算され120万円の納税が必要となります。

図1:お孫さんは2割加算の対象
孫は2割加算の対象

2.相続税の2割加算がかかる2つの状況

2割加算が発生する状況とはどのような状況でしょうか。
通常の相続の場合には、相続順位に基づいて相続人が決まりますし、法定相続人以外の方が相続するケースはほぼありません。

法定相続人以外が相続するケースは次の2つが挙げられます。
(1)遺言書に書かれている場合
(2)相続時精算課税を利用して生前贈与をしている場合

冒頭でもお話ししましたが、相続税の対象とならない場合は誰にどのような方法で相続しても2割加算は対象外となります。

図2:2割加算が発生するケース
2割加算が発生する2つのケース

3.相続税が2割加算の対象となる全パターン

2章でご説明したケースで、どのような方が相続すると2割加算の対象になるのか、パターンごとに詳しくご説明します。基本的には亡くなられた方からみて2親等以上の方が相続する場合に2割加算の対象者となります。

法定相続人であっても、今回の相続において相続人とならない場合はその対象です。

今回は、図3を基本として相続人が亡くなられた方の奥さまとお子さんということを前提にご説明していきます。

※法定相続人について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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図3:2割加算の対象になる人(法定相続人が奥さまとお子さん)
2割加算の対象となる人

3-1.代襲相続人ではない孫

亡くなられた方の奥さまとお子さんが相続人となる場合、お父さまが作成された遺言に「孫の〇〇に△△の財産を譲る」という旨が書かれていれば、お孫さんは相続財産を相続することができます。

このような場合、お孫さんは本来の相続人ではありませんので、2割加算の対象となります。

ただし、本来の相続人である長男がすでに亡くなられている場合には、お孫さんは代襲相続人となります。代襲相続人となる場合には、相続人と同様に扱われますので遺言書に記載があろうとなかろうとお孫さんは相続人となります。

代襲相続人となるお孫さんは2割加算の対象にはなりません。

※代襲相続について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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図4:お孫さんが2割加算されるケース
お孫さんが2割加算される場合とされない場合

3-2.代襲相続人ではない孫養子

相続税対策の一環として、お孫さんと養子縁組をするケースがあります。

亡くなられた方が生前にお孫さんと養子縁組をしていると、基礎控除額を増やすことで相続税の対象財産を減らしたり、確実にお孫さんに財産を引き継がせたいという思いを実現させたりすることができます。

通常の相続の流れの場合、お父さまからお孫さん(長男の子)へ相続財産を引き継ぎたい場合には、
 1回目の相続:お父さまから長男へ相続
 2回目の相続:長男からお孫さん(長男の子)へ相続
という2回の相続が必要となります。

お父さまがお孫さんを養子にすることで、お父さまから直接お孫さんへ相続することができます。

養子縁組により直接相続することで、相続の回数が1回減る分のメリットは大きいことから、相続人であっても2割加算の対象となります。

図4:孫養子が2割加算されるケース
孫養子が2割加算されるイメージ

3-3.亡くなられた方のご両親・祖父母

亡くなられた方の奥さまとお子さんが相続人となる場合、亡くなられた方のご両親や祖父母は相続人にはなりません。そのような場合に、遺言書等でご両親や祖父母が財産の一部を相続する場合には、本来の相続人ではありませんので、2割加算の対象となります。

もし、亡くなられた方にお子さんやお孫さんがいらっしゃらない場合には、相続の順位から亡くなられた方の奥さまと、亡くなられた方のご両親が相続人となります。この場合には亡くなられた方のご両親は2割加算の対象とはなりません。

3-4.亡くなられた方の兄弟姉妹

亡くなられた方の奥さまとお子さんが相続人となる場合、亡くなられた方のご兄弟は相続人にはなりません。そのような場合に、遺言書等でご兄弟に財産の一部を相続する場合には、相続人であっても2割加算の対象となります。

もし、亡くなられた方にお子さんやお孫さんがいらっしゃらない場合で、すでにご両親や祖父母も亡くなられている場合、兄弟姉妹がルール通り相続人となりますが、この場合も2割加算の対象となります。

ご自身のご兄弟にお世話になった場合や、介護などをしてくれた場合など、生前にお礼するのではなく、
遺言書をとおして相続財産の一部を引き継ぐことでお礼をするケースなどがあります。

3-5.亡くなられた方の甥、姪

亡くなられた方の奥さまとお子さんが相続人となる場合、亡くなられた方の甥や姪は相続人にはなりません。そのような場合に、遺言書等で甥や姪に財産の一部を相続する場合には、相続人であっても2割加算の対象となります。

3-4のケースで亡くなられた方のご兄弟が相続人となったが、すでに亡くなられている場合には代襲相続として甥や姪が相続人となります。この場合で相続税が課税される際には2割加算の対象となりません。

3-4のケースと同様に、甥や姪がお世話を手伝ったりしている場合があり、そのような場合に遺言が書かれていることがあります。

3-6.相続人ではない受遺者(子の配偶者、内縁の妻など)

長男の奥さまが介護などに貢献してくれた場合など、お父さまが本来は相続人では無い長男の奥さまにもお子さんたちと同様に相続してもらいたいと考えられことがあります。

また、内縁の妻がいらっしゃり、内縁の妻に財産を相続させたいと考えられる場合もあります。

このようなことを実現するには、遺言書を作成する必要があり、遺言に書かれた相続人では無い方のことを受遺者といいます。この受遺者は本来の相続人ではありませんので、2割加算となります。

類似の内容として婿養子という考え方がありますが、婿養子として養子縁組をした場合には2割加算の対象とはなりません。詳しくは5章でご説明します。

※内縁の妻の相続権について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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3-7.特別縁故者

亡くなられた方に法定相続人が1人もいらっしゃらなくて、遺言もなかった場合には、亡くなられた方と実際に生計を共にされていた方や、看護や介護をされていた方などがいらっしゃる場合には、特別縁故者として相続人と認められる場合があります。

遺言書がないけれど世話をしていた内縁の妻、毎日食事を届けていたご近所さんなど、実際に生活を支えていた方が裁判所で手続きをすることで、認められることがあります。

このような特別縁故者は、本来の相続人ではありませんので、相続税の2割加算の対象となります。

4.相続税の2割加算の計算方法

相続税の2割加算は、相続税の全体にかかったり相続人全員にかかるわけではなく、2割加算の対象者にだけ相続税がかかります。

よって、まずは相続人全員の取得割合に応じた実際の納税額を計算します。その納税額が確定したのちに2割加算の該当額を計算します。

※相続税の計算について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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【奥さまとお子さん2人、お孫さん1人の場合】
法定相続人:奥さま、お子さん2名
財産をもらう人:お孫さん1人(長男の子)※遺言でお孫さんの相続分あり
相続財産の取得割合:奥さま(2/5)、その他3名(1/5)
相続税の納税額(4名):500万円

お孫さんの納税額である100万円に2割が加算されて120万円の納税になります。

図5:2割加算の計算方法(各自の納税額が決まったあと)
2割加算の計算方法(各自の相続税が決まった後)

※配偶者の税額軽減について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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5.相続税対策をする際には2割加算を考慮する

相続税の対策をする場合の1つに、相続人を増やすために養子縁組をすることがあります。この養子縁組は、相続税の基礎控除の人数を増やすには上限があります。

また、誰を養子にするのかによって、2割加算の対象となるかどうか異なってきますので、養子縁組を検討する場合にはしっかりと調べてからおこないましょう。

※養子について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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5-1.養子縁組は状況により2割加算の有無が変わる

孫を孫養子にした場合は2割加算の対象となります。婿養子や再婚相手のお子さんを養子にした場合には、2割加算の対象とはなりません。

養子縁組と相続を考える場合には、1世代飛ばして相続の権利を付与すると該当する財産に対する相続税の課税機会が1回減ります。

そのことにより相続税の納税額が減る可能性があるため、税金逃れを防止するために2割加算の制度があります。

図6:孫養子にした場合は2割加算の対象となるイメージ
孫養子にした場合は2割加算の対象

※婿養子について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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5-2.遺言は2割加算を想定しておくことがベスト

これから遺言書を残される場合や、すでに作成されているがご健在の場合には、2割加算による相続税の負担が大きくなりすぎないか、確認しておきましょう。

また、2割加算がかかるのであれば、相続ではなく贈与で対応する方が良い場合もあります。

特に相続人以外の方へ財産を引き継ぐようなときには、不動産のみを相続すると相続税+2割加算分をご自分の財産から捻出して納税をする必要があります。

生前から話をして合意していれば良いのですが、その方が遺言をとおして財産を引き継ぐことを初めて知った場合、感謝のつもりがその方を困らせてしまう可能性があります。

他の相続人とのバランスもありますが、2割加算される相続税を十分に支払える内容で残してあげることが理想的です。

6.さいごに

相続税の2割加算について全体感をご説明しました。
2割加算されるといっても相続税の対象かつ該当する場合のみであることから、1章でもふれましたが多くの場合には税理士にお願いして計算をしてもらいます。

また、そもそも相続税の対象とならない方は、お孫さんへ相続しても2割加算の対象とはなりません。

※相続税の申告の必要性について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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2割加算について概要をご理解いただけしたら、実際に相続税の申告書を作成していくことになりますが、こちらは相続税を専門としている税理士へご相談されることをおススメします。

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