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子なしの相続では親も相続人!義理の親との相続で心得ておくこと

「私たち夫婦には子どもがいないので、夫に万が一のことがあると、義理の両親と妻である私が相続人になるって本当かしら?義理の両親といざこざになるのは嫌だわ。それに、その先の生活のことも不安になるので、できれば私がすべてを相続できるようにしておきたいわ・・・」

配偶者は無条件で相続人となることができますが、ご両親は、亡くなられた方にお子さんがいない場合に限り、相続人となります。ご主人さまが先に亡くなられてしまうと、残された奥さまが、義理のご両親とともに、相続を取り仕切り、手続きを進めていくことになります。

そう考えると何ともいえない不安な気持ちになりますよね。ご両親との関係性が良好とはいえない場合、相続手続きの大きな障壁となる可能性がありますので、できることならご夫婦で話し合われて、いざというときに困らないような対策を講じておくと安心ですね。

本記事では、ご両親との相続について、原則的な相続権や分割割合について詳しくご説明いたします。

1.子がいない夫婦の相続は親の相続権にも配慮が必要

ご主人さまに先立たれ、義理のご両親が健在であれば、残された奥さまとご両親が相続人となります。これは法律で定められた原則的な相続の考え方であり、相続する権利のある方を法定相続人といいます。ご両親のどちらかが、すでに亡くなられていても、考え方は変わりません。

遺言書がない場合は、ご両親と遺産分割に関する話し合いをおこない、分割内容を互いに同意して決める必要があります。どんなに疎遠な関係性であっても、相続権は守られますので、ご両親を無視して手続きを進めることはできません。手続きに協力していただくためにも、ご両親の相続権への配慮は必要です。

ご自宅だけはどうしても手放すことができない場合は、やはり遺言書が効果的です。遺言執行者を指定した遺言書があれば、他の相続人の方の同意がなくても、遺言執行者の権限で手続きを進めることができます。

婚姻期間20年以上のご夫婦間でご自宅の生前贈与、もしくは遺言書で遺贈された場合、その不動産を遺産分割の対象財産に含めて考える必要はなくなりました。これは「持ち戻し免除の意思表示」をしていたものと法律上みなされ、たとえ遺留分を請求された場合でも、ご自宅を持ち戻す必要はなく、守ることができます。

また、「配偶者居住権」が施行されたことで、住む場所を失うことはなくなりました。

1:効果的な遺言書と知っておきたい配偶者居住権

※遺言執行者について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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※配偶者居住権について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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2.相続できる割合は相続順位で変わってくる

奥さま以外の法定相続人には、相続できる順位が決まっています。順位の高い方の方が取得割合のベースが多くなっています。

2-1.【相続順位は第3順位まで】親は第2順位

法定相続人は、親族であればなれるというものではなく、血族の方で第3順位までと決まっています。第1順位はお子さん(子がいる場合)、第2順位はご両親、または祖父母(子や孫がいない場合)、第3順位は亡くなられた方の兄弟姉妹(子や孫、親、祖父母がすべていない場合)であり、配偶者は常に法定相続人です。

1順位のお子さんがすでに亡くなっていても、お孫さんがいれば、第1順位の法定相続人となります。

2順位のご両親は、第1順位に当たる方がどなたもいらっしゃらない場合に法定相続人となります。

同じ順位の方が複数いらっしゃる場合は、すべての方が同順位の法定相続人です。上位の方がお1人でもいらっしゃる場合には、次の順位の方が法定相続人になることはありません。

2:「相続順位」と第1順位がいない場合の法定相続人

3:法定相続人の範囲

2-2.【相続順位と相続割合の関係】親は3分の1

相続できる優先順位によって、相続できる割合(法定相続分)も決まっています。法定相続分とは、遺言書がなく、遺産をどのように分けるか話し合う際の「目安」とするものです。法定相続人全員が同意した内容であれば、法定相続分で分けなくても問題はありません。

4:相続順位と法定相続分

奥さまと第2順位のご両親が法定相続人となる場合の法定相続分を確認してみましょう。

奥さまの取得割合は3分の2、ご両親の取得割合は3分の1となります。ご両親がともに健在であれば、3分の1を均等に分け、6分の1ずつという割合になります。

5:奥さまとご両親の法定相続分

※法定相続分について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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2-3.法定相続分で分ける場合の具体例

具体的な事例で確認してみましょう。

【8,000万円の相続財産をご主人が残された場合】
財産の内訳:ご自宅(土地・建物)4,000万円、預貯金1,500万円、有価証券500万円
      生命保険1,000万円(奥さまを受取人に指定)、
      死亡退職金1,000万円(規定により受取人は奥さま)
法定相続人:奥さま、ご両親 計3

6:法定相続分で分ける場合

話し合いで財産を分けることになった場合、初めから受取人として奥さまが指定されている財産については、分割対象財産に含める必要はありません。分割対象でなくても、相続財産であることに変わりはないので、「相続税を計算するとき」は財産の総額に含めなければなりません。

※死亡退職金について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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3.遺言書があっても親は遺留分の請求ができる

遺言書は「最優先されるべきもの」とみなされ、遺言書があれば、遺産分割協議をすることなく、財産を引き継ぐことができます。しかし、遺言書で、すべての財産を奥さまに相続させ、ご両親の相続分がゼロとされた場合、その内容にご両親が納得できなければ、奥さまに異を唱えることができます。

ご両親は、最低限相続できる割合である遺留分が法律で認められています。遺留分の割合は、法定相続分の半分までを限度とし、ご両親の場合であれば、6分の1に相当する財産まで取り戻すことが認められます。

先述した事例(図6)で考えると、ご両親の法定相続分は2,000万円なので、遺留分はその半分の1,000万円までとなります。遺言書などで法定相続分を侵害された方が、侵害している相手に対し、遺留分を請求することを「遺留分侵害額請求」といいます。

7:ご両親の遺留分

※遺留分について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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※遺留分侵害額請求について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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4.親の離婚は相続には影響しない

ご主人さまのご両親が離婚されていたとしても、親子関係は無くなることはないので、相続に影響することはありません。

幼いころの離婚で、連絡先がわからない場合でも、戸籍などを辿って連絡を取るしか方法はありません。遺言書があれば手続きを進めることができますが、なければ、法定相続人として分割協議に参加してもらわなければ、相続手続きを進めることはできません。

5.親が相続放棄しても配偶者がすべて相続することはできない

ご両親が相続放棄をすると、次の順位の方に権利が移ってしまうので、奥さまがすべて相続できることにはなりません。ご主人さまにご兄弟がいらっしゃる場合は、ご兄弟の方と奥さまが相続することになります。たとえご兄弟の方がすでに亡くなられていても、甥姪の方がいらっしゃる場合は、相続権が代襲されます。

3順位となるご兄弟の方と相続する場合の法定相続分は、奥さまが4分の3、ご兄弟が4分の1です。なお、第3順位の方には遺留分がありませんので、遺言書があれば、遺言書どおりの相続が実現できます。

ご両親に、相続放棄のご意向がある場合、遺産分割協議において「財産を相続しない」ことに同意していただければ、次の順位に相続権が移ることはなく、奥さまが財産をすべて引き継ぐことができます。

6.まとめ

ご主人さまの相続に関し、ご両親とともに相続する場合の「相続権と相続割合」について、ご理解いただけましたでしょうか。奥さまは無条件で、常に法定相続人となることができます。奥さま以外の法定相続人には、相続できる優先順位があり、ご両親は第2順位となります。

ご両親には、遺留分が認められていますので、極端な内容の遺言書を作成することはおススメできません。トラブルのもとになりますし、相続手続きに協力していただけなければ、相続手続きを進めることができなくなってしまいます。

ご両親の方から、相続を辞退するご意向を示された場合は、相続放棄ではなく、遺産分割協議で手続きを進めるようにしましょう。相続放棄では、次の順位の方に相続権が移ってしまいます。

奥さまと義理のご両親との相続では、トラブルになってしまうケースも多いです。関係性に不安のある方や、すでに何らかの問題が生じてしまっている場合には、専門家に間に入ってもらうことを早めに検討されてみてはいかがでしょうか。

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