FU0013
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

相続で住宅ローンの返済に悩んだらまず確認!団信保険の加入の有無

「お父さんが先日亡くなったが、10年前に実家を新築にしたので、住宅ローンがまだまだ残っている。保険に加入していたら住宅ローンの支払いが免除されるって聞いたことがあるけど、実際にどうなんだろうか。また相続の時にどのように扱ったらいいのだろうか」

住宅ローンの支払いが残ったまま亡くなられたことで、本当に返済する必要がなくなるのか、相続の手続きをする際にどのように扱ったらいいのかなど、ご不安なことと思います。

本記事では、住宅ローンを残して亡くなられた方の相続時に確認すべきポイントと対応すべき手続きについてまとめました。ぜひ参考にしていただければと思います。

1.住宅ローンの団信保険に加入していれば相続しなくてよい

ご自宅を購入されたり、購入を検討されたことがある場合には「団体信用生命保険(団信保険)」という保険についてご存じのことと思います。住宅ローンの契約をした方が返済の途中に亡くなられ場合、ご家族が返済のためにご自宅を手放すようなことにならないよう、住宅ローンの返済が不要になる保険のことです。

住宅ローンの契約条件として団信保険への加入が義務となっている金融機関もありますが、団信保険への加入が任意となっている金融機関もあります。

亡くなられたお父さまが住宅ローンの契約をされた際に団信保険に加入されていれば、今回の相続が発生したことで住宅ローンの返済が免除されます。

一方で、健康上の理由や契約時の手数料等を考えて団信保険に加入していない場合には、住宅ローンが残りますので、住宅ローンの返済義務を相続することになります。

まずは亡くなられたお父さまが住宅ローンを契約した際に、団信保険に加入していたかどうか確認しましょう。

住宅ローンの借り入れ先の金融機関、または住宅金融支援機構団信専用ダイヤルにて照会することができます。

参考サイト:住宅金融支援機構ホームページ

図1:団信保険の加入状況で住宅ローンの相続が決まる
団信保険の加入状況で住宅ローンの相続が決まる

2.住宅ローンを相続しない場合の4つのポイント

団信保険に加入していた場合には、住宅ローンの返済義務が免除されます。

ただし、お父さまが亡くなられたあとに何も手続きをしなければ保険会社は亡くなられた事実を知りませんので、翌月もまた住宅ローンの返済のために引き落としされます。

住宅ローンの返済を止めるとともに、お父さまのご自宅の名義変更等をおこなう必要がありますので、次の4つのポイントを確認しておきましょう。

2-1.団信を申請し住宅ローンの返済義務を免除してもらう

住宅ローンの残債を団信保険で払ってもらうために、お父さまが住宅ローンを契約していた金融機関の窓口に行って相続が発生した旨を伝えます。

そうすると、金融機関と保険会社の間で連絡を取り合って、保険会社はローンの残債分を保険金として金融機関に支払ってくれます。

この間、ご自身の口座等に保険会社からお金が一旦振り込まれて、金融機関に返済するなどの手間は一切なく、金融機関と保険会社が直接対応をしてくれますので安心です。

この手続きが終われば、住宅ローンは無事完済されたことになりますので、お父さまのご自宅には負債が無くなります。

お父さまが亡くなられたことを金融機関に届け出ると、口座が凍結されます。口座が凍結されると凍結を解除するために手続きが大変になるイメージがありますが、口座の凍結解除の相続手続き自体はそれほど難しくありません。

逆に凍結させることで住宅ローンの引き落としなどを止めることができます。もし、口座の凍結が遅れて亡くなられた後に住宅ローンの返済分が引き落としされた場合には、手続きを踏むことで返済してもらうことができますので安心してください。

※口座凍結について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
関連記事

2-2.抵当権の抹消登記をする

住宅ローンを契約するときに、金融機関は土地と建物に対して抵当権を設定して融資をします。これは返済が滞った場合等に備えて土地と建物を住宅ローンの担保とするためです。

これにより返済が滞った場合には対象の不動産を差し押さえて、競売にかけられるようにするためです。

団信保険が適用されると住宅ローンが完済されますので、不動産の抵当権を外すことができます。この手続きを抵当権の抹消登記といいます。

相続人から金融機関に申し出をおこなうと、完済の確認と抹消登記に必要な書類を作成してくれます。抹消登記は、相続人ご自身で行うこともできますが、一般的には専門家である司法書士に依頼した方が間違いなく確実な手続きができます。

ただし、抵当権抹消登記には登録免許税がかかります。不動産1筆あたり1,000円必要で、土地と家屋を合わせて2,000円となります。

注意点としては、抵当権を外す手続きに期限はありませんが、抵当権を外していない場合には売却ができません。

図2:抵当権抹消登記の登記申請書
抵当権抹消登記の登記申請書

2-3.不動産を相続する方を決めて相続登記をする

2-2でご説明した抵当権の抹消登記をすると同時に、相続する不動産の名義を相続する方に変更します。これを所有権移転登記といいます。

亡くなられた方の遺言書がある場合には、遺言書の内容をもとに名義を変更することができます。遺言書が無い場合には、相続人全員で財産の分割について遺産分割協議をおこない、その内容をまとめた遺産分割協議書の内容に沿って名義を変更します。

※相続登記について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
関連記事

2-4.相続税には何も影響しない

例えば住宅ローンが3,000万円残っている状況でお父さまが亡くなられた場合、3,000万円分の団信保険が支払われます。

この場合に、3,000万円の保険金が相続財産に含まれるかどうか疑問に思いますが、この団信保険で支払われた金額は相続財産には含まれません。

これは契約によって、保険会社から金融機関へ直接支払われるため相続人のみなし財産としても扱われません。生命保険はみなし相続財産として相続財産に含まれますが団信保険は異なります。

団信保険に加入されていれば、住宅ローンの返済金が相続税に影響することはありません。

図3:相続財産の範囲
相続財産の範囲

※みなし相続財産について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
関連記事

3.住宅ローンを相続しなければならない場合の4つの対応

亡くなられたお父さまが団信保険に加入していなかった場合には、金融機関へ保険金等が支払われることはありませんので、住宅ローンの残債を相続することになります。

住宅ローンは借金の一つですので、住宅ローンを相続する場合には債務として引き継ぎます。

3-1.住宅ローンの債務を相続する方を決める

相続をする際には、現預金や不動産などのプラスの財産だけでなく、住宅ローンなどのマイナスの財産もどなたが相続するのかを決める必要があります。

遺言書がなければ遺産分割協議をおこない、相続人全員の同意をもって住宅ローンを引き継ぐ方を決めることになります。ただし、金融機関は返済能力のある方が引き継ぐことを求めてきます。

万が一、話し合いで住宅ローンを相続する方が決められなかった場合には、住宅ローンは相続人全員の連帯債務とみなされますので、相続人全員に支払い義務が生じることになります。

金融機関は各相続人にローン返済を請求することができます。相続人はこれを拒否することはできません。

3-2.不動産を相続する方の名義で相続登記をする

亡くなられたお父さまのご自宅を相続する方が決まったら、相続登記をおこない名義を変更します。

ご自宅を相続する際に住宅ローンも相続することになると思いますので、ご自宅の名義変更を速やかにおこなうとともに、金融機関でも住宅ローンの相続の手続きをしましょう。

3-3.相続税を減額できるため申告に反映する

住宅ローンはマイナスの財産に含まれるため、相続税の申告が必要な場合には債務控除の対象とすることができます。

相続税の申告が必要かどうかについては、プラスの財産の総額から住宅ローンを含めたマイナスの財産を差し引いた財産の額が基礎控除額を超えるかどうかで判断します。

相続税の申告が必要な場合でも、住宅ローンを債務控除することを忘れずにチェックしましょう。

※債務控除について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
関連記事

3-4.返済不可能な場合は3ヶ月以内に相続放棄の手続きをする

住宅ローンを相続したものの、どうしても住宅ローンの返済を引き継ぐことが困難な場合には相続放棄を検討することになりますが、1度でも返済してしまうと相続したことになりますので注意が必要です。

相続放棄の手続きをすることで返済義務はなくなりますが、お父さまのご自宅をはじめすべての財産を相続することができなくなります。

相続放棄の手続きはお一人ずつ個別におこなうことができます。ただし、ご自身が住宅ローンを相続することになった場合に返済ができないことを理由に相続放棄をしても住宅ローンの負債は消滅せず、他の相続人の方が住宅ローンの債務を引き継ぐことになります。

住宅ローンを含むすべての財産を相続放棄する場合には、相続人となる方全員が相続放棄の手続きをおこなう必要があります。

※相続放棄について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
関連記事

3-5.不動産の所有者と住宅ローンの負担者が異なる場合は贈与税に注意

亡くなられたお父さまのご自宅を長男が相続して所有するが、お母さまが住宅ローンの残債を請け負って返済をしていく場合には注意が必要です。

年間の住宅ローンの返済額が200万円の場合に、お母さまから長男に毎年200万円ずつ返済費用として渡した場合には、110万円を超える部分に対しては贈与税がかかります。

年間110万円を超える資金援助については、親子でも贈与税の対象となりますので注意しましょう。

4.まとめ

住宅ローンの返済が残ったまま相続が発生した場合には、団信保険の加入の有無で相続の考え方や手続きが異なってくることをご理解いただけましたでしょうか。

住宅ローンを契約されている方の95%の方は団信保険に加入されているといわれていますので、住宅ローンの残債に悩まされることはあまりないと思いますが、未加入の場合には今後誰が返済をしていくのかについてしっかりと考えましょう。

また、団信保険を利用して完済した場合でも抵当権の抹消登記、相続登記などが必要となりますので、こちらの手続きは早めにおこなっていただくことをおススメします。

万が一、団信保険に加入されていなかった場合や、継続して住宅ローンの返済が困難な場合、または登記手続きでお困りの場合には相続を専門としている税理士や司法書士に相談しましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
相続対策・相続税申告で損をしたくない方へ

相続税の納税額は、その申告書を作成する税理士により、大きな差が生じます。
あなたが相続対策や相続税の申告をお考えであれば、ぜひ当税理士法人にご相談ください。
絶対に損をさせないことをお約束します。

OAG税理士法人が選ばれる4つのポイント
選ばれる4つのポイント
  • 相続税の申告件数 年間850件以上の実績
  • 創業30年の実力と安心感
  • 多くの専門書執筆が示す「ノウハウ」
  • 相続に関わる士業とのワンストップ連携
OAG税理士法人に依頼する3つのメリット
  • 考え方に幅のある「財産評価」を知識とノウハウで適切な評価をする
  • 遺産分割を次の相続(二次相続)も視野に入れ、税額軽減の創意工夫をする
  • 専門用語を使わないお客様目線の対応
【お電話でのお問い合わせ・ご相談はこちら】

初回のみ無料面談を実施していますので、まずお気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問い合わせください
【スマートフォン、パソコンからのお問い合わせ・ご相談はこちら】

SNSで最新情報をチェック

コメントを残す

相続した不動産の処分にお困りの方へ