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相続時に葬儀費用は誰が払う?葬儀費用の考え方と注意点のまとめ

「お父さんの葬儀費用は喪主の僕が支払ったけど、一人で負担するのは大変だから何とかならないかなぁ」

お父さまが亡くなられると奥さまやご長男・ご長女などが喪主となって葬儀を執りおこなうことが一般的です。無事に温かく送り出す事ができたあと、喪主であったご自身が葬儀費用などまとめて負担した場合、お金のことが心配になります。

昨今の一般的な葬儀費用の平均は200万円程と言われています。
その内訳は、おおよそ葬儀一式費用が122万円、寺院費用が44万円、接待飲食費用は34万円です。
その他の香典返しやお手伝いをしていただいた方へのお礼などは含みませんので、葬儀がひと段落した時点では、実態として200万円以上の費用を負担していることかと思います。

本記事では、相続における葬儀費用の考え方と、1人で負担した葬儀費用を他の相続人とどのように清算をしたら良いのかなどについてご説明します。

1.葬儀費用の負担は相続人の話し合いで決める

葬儀費用は、亡くなられた方の奥さまやご長男、ご長女など喪主の方が一旦立て替えて支払っておくことケースが多いです。また、葬儀費用の負担については、法律など明確に定められているものはありません。
精算をスムーズにするために、お一人が立て替えて支払っておくことがよい。とされています。

このように、明確な決まりが無いからこそ相続人同士の認識のズレが発生しているのではないか、とご不安になってしまいます。事実を相続人の皆さんで話し合って、納得して負担していただくことが大切です。
ご不安なくご自身の想いを伝えるために次の内容を確認して準備をしましょう。

1:1人で葬儀費用を支払ったので清算したい

2.代表者が支払った葬儀費用を清算する2つの方法

葬儀費用の多くは葬儀が終わってから一週間以内に支払う必要があります。
お父さまが亡くなられた際に、亡くなられた直後からやるべきことに追われ、とにかく請求書をもらうと言われるがままに支払いを済ませたという状況かと思います。何人かでバラバラと立て替えてしまうと後の精算が面倒になるので一人で立て替えたつもりが、いざお金のこととなると他の相続人へ言い出しづらくなります。
香典としていただいたお金はすべて葬儀費用として利用しても構いませんので、他の相続人へ伝えたうえで、まず香典を利用し残った費用について精算していきます。

このように1人で葬儀費用を支払った場合に、清算する方法が2つあります。
いずれの方法も他の相続人とよく話し合うことが大切です。

図2:葬儀費用の清算

31人で支払った葬儀費用を清算する方法は2

2-1.方法1:相続財産から差し引く

亡くなられたお父さまの相続財産から葬儀費用を差し引く方法です。
このあとお父さまの財産をどのように分けるのか遺産分割協議を進めるにあたり、お父さまの相続財産から最初に葬儀費用分を引いてしまい、残った財産を相続人で分ける方法です。

一度分割をしてしまうと自分の財産が減るという意識をもつ相続人がいるとトラブルになりがちですので、「お父さまの葬儀費用は相続人が負担するのではなく、お父さまの相続財産から支払う」という考え方をすることで納得性が高まります。また、立て替えているご自身もお父さまの相続財産から直接もらうことで、誰かが支払わなかったり、何度も支払うように催促したりするなどの不安が無くなります。

図4:相続財産から差し引いて、残った財産を分割する

2-2.方法2:みんなで葬儀費用を負担する

相続人全員へ葬儀費用を割り当て、負担してもらう方法です。
具体的には、お父さまの葬儀費用ということで
①全員が平等に負担する
②遺産分割協議で決めた相続する財産の割合に応じて負担する
のいずれかとなります。②の方が納得性は高くなります。

5:葬儀費用をみんなで分割して負担する

3.相続財産から精算する場合に知っておきたい3つのポイント

相続財産から葬儀費用を支払う場合に、知っておきたい3つのポイントがあります。
葬儀費用のトラブルと負担を少しでも軽くし、円滑に清算するためにご活用ください。

図6:相続財産から葬儀費用を支払う際に知っておきたい3つのポイントイメージ

3-1.ポイント1:領収書など葬儀費用の支払い明細を残しておく

相続人全員と葬儀費用の精算について話し合う際に、すでに支払いを済ませた葬儀費用についてきちんと内容を説明できることが重要です。そのために葬儀社への支払い明細、通夜飲食の領収書など、タクシー等の領収書などを保管しておきましょう。お寺への支払いなど領収証が出ない場合や、領収書をもらい忘れた場合には手書きで構いませんので必ずメモに記しておきます。
また、香典を葬儀費用の一部として支払いに利用した場合にはその清算分も明確にしておきましょう。

図7:領収書や支払い一覧など証拠を残しておく

3-2.ポイント2:相続する預金から上限150万円の仮払いが可能

お父さまの財産は亡くなられた時点から相続人全員の共有財産となるため、遺産分割協議が終わるまで口座が凍結されてしまい、引き出すことができません。しかし、お母さまが専業主婦の場合など、凍結されてしまうと葬儀費用はもちろん入院費や生活費など、お金が必要な場合に困ってしまっていまいます。

そこで、民法が改正され2019年7月1日以降に金融機関から引き出す場合、「相続した預金の仮払い制度」を利用できるようになります。これにより、金融窓口でご自身が相続人である事を戸籍謄本などで証明すれば、亡くなられた方の預貯金から上限150万円まで引き出す事が可能になります。

もし、葬儀費用等の立て替えが困難な場合には、この仮払い制度を活用しましょう。

【仮払い制度の考え方】 ※2019年7月1日以降
(1)口座ごとの預金額×3分の1×法定相続分
(2)口座ごとに一人150万円が上限

図8:仮払いのイメージ

3-3.ポイント3:葬儀費用としての支払いが証明できれば相続放棄も可能

相続では亡くなられた方の財産を一部でも使用したり処分した場合には、単純承認と言い、相続財産をすべて引き継ぐ意思があるとみなされます。その結果として、のちに亡くなられた方に多額の借金があったとしても、相続放棄をすることができません。しかし、葬儀は社会的儀式として必要性が高いと認められることから、亡くなられた方の預金を葬儀費用として利用するなど、葬儀のための費用を引き出しても相続放棄は可能とされています。ただし、葬儀費用に必要な分だけを引き出したという証拠がなければ認められないため、葬儀費用の明細を作成しておきましょう。

4.相続財産から精算できる葬儀費用の範囲

相続人の皆さんで負担する場合には、どこまでを葬儀費用として考えても皆さんが納得されればよいのですが、相続税の申告が必要な場合や、相続放棄をする場合には注意が必要です。葬儀費用といっても幅広く、何もかもが認められるわけではありません。

相続税の申告が必要な場合には、葬儀費用を債務控除として取り扱い、相続税の対象から外すことができます。そうすることで、相続税の支払いを下げることができます。このときの債務控除として考えてもよい費用を葬儀費用として認識しておくと、相続税の申告や相続放棄が必要となった場合に便利です。

4-1.相続財産から差し引ける葬儀費用

相続税の債務控除として取り扱われる葬儀費用は次の5つです。
こちらの費用は、どのようなケースでも葬儀費用として取り扱われます。

1.火葬や埋葬、納骨にかかった費用
2.遺体や遺骨の回送にかかる費用
3.お通夜など葬式の前後にかかる費用
※その際に欠かせないもの
  通夜の費用、飲食代、葬儀場までの交通費など
4.葬式でお寺などに対し読経料などのお礼
5.遺体の捜索または遺体や遺骨の運搬費用

4-2.相続財産から差し引けない葬儀費用

相続税の債務控除として取り扱われない葬儀費用は次の4つです。
こちらの費用は話し合いの中で葬儀費用として取り扱うことは構いませんが、相続放棄の場合など相続財産から支払いをしないように注意しましょう。
  
1.香典返しの費用
2.墓石や墓地購入や借りるための費用
3.初七日や四十九日の法事などの費用
4.遺体の解剖や裁判での特別な処置の費用

5.亡くなられた方が生前に葬儀の方法を決めておくとスムーズ

生前にお父さまからご自身の葬儀に対する意志を聞いておくことはとても大切であり、手続きや支払いもスムーズに進められます。
また、生前に葬儀の進め方が決まっていれば、その費用の支払いを相続人の方の手をわずらわせることなく、直接葬儀会社に支払うことができる「葬儀保険」や「葬儀信託」を活用することもできます。
亡くなられた時の話をすることは気が引けますが、葬儀や相続についてのご意志を確認しておく、その対策をしておくことはとても大切です。

6.さいごに

葬儀費用は短い期間に高額な金額を支払う必要ことになります。
これを喪主や誰か1人が負担するという決まりはありませんので、相続人できちんと話し合い、皆さんが納得する形で平等に負担しましょう。

亡くなられたお父さまの相続財産から差し引く、相続人へ平等に負担を求める、相続した財産割合に黄土して負担を求めるなど、一番納得できる方法を取っていただければと思います。
しっかりと精算されることを考えると、最初に相続財産から差し引いてその後に遺産分割協議をされることが一番おススメです。
また、そのためにもかかった費用の明細を説明ができるよう領収書などは必ず保管しておきましょう。

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