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親が連帯保証人でも相続放棄ができる!相続放棄を選択する判断基準とは

「お父さんは生前に、友達が新しい事業を始めるから連帯保証人になってほしいって言われて応援するために保証人になってあげたんだ。と言っていたが、その連帯保証人の契約はどうなっているのだろか」

お父さまが連帯保証人になられている場合、生前にしっかり話を聞いていれば判断ができますが、いざ亡くなられてしまうとその契約はどうなっているのか?大きな負債を抱えていないかなど不安がよぎります。

また、完済されていない場合の残金の支払いや、連帯保証人の地位が終わっていない場合に地位が継続されるかどうかについてもご不安のことと思います。

連帯保証人の地位や支払い義務は、一部の契約を除き、相続人が引き継ぐことになります。

本記事では、よくある連帯保証人の契約ケースや、相続の対象となった連帯保証人に関する考え方を分かりやすくまとめました。借金などと聞くと焦ってしまいますが、本記事を参考にまずは状況をきちんと把握して適切な判断をしていただければと思います。

    1. 親が連帯保証人の場合は相続放棄ができて借金も引き継がない

    亡くなられたお父さまが第三者の連帯保証人になっていた場合、相続人であるお子さんがお父さまの財産を相続するのであれば、その連帯保証人の地位も引き継ぐことになります。

    しかし、相続放棄をすれば財産とともに連帯保証人の責任からも逃れることができます。

    よって、お父さまが連帯保証人になられている場合には、財産と負債を比較して負債の方が大きい場合には相続放棄を選択することができます。

    連帯保証人になっているかどうかを調べることは容易ではないため、可能性がある場合には、3章をご確認いただき、しっかりと調査をしましょう。

    注意点としては、負債だけを相続放棄することはできませんので、お父さまの預貯金やご自宅がある場合にはそれらの財産もすべて相続放棄することになります。

    図1:親が連帯保証人の場合は相続放棄ができる
    親が連帯保証人の場合は相続放棄ができる

    2.親が連帯保証人になっている主な3つのケースと相続放棄

    一概に連帯保証人といっても種類があり、元々の契約内容にもよりますが相続人が引き継ぐ必要がないケースもあります。一般的によくある「身元保証人」「賃貸契約の保証人」「借り入れの保証人」の3つの保証人について相続放棄を検討する際に、どのように考えれば良いかについてご説明します。

    2-1.金融機関等からお金を借りるための連帯保証人の相続放棄

    一番よくあるケースですが、金融機関からお金を借りる際には、連帯保証人が必要となります。お父さまが知人や親戚などから頼まれて実際に連帯保証人になっている場合、連帯保証人の地位を相続人は引き継ぐことになります。

    お金を借りた方が滞りなく返済をしている場合には現時点でのリスクはありませんが、将来のリスクを考えると連帯保証人の義務を相続したくないものです。

    返済残高を確認のうえお父さまの財産と比較して相続すべきかどうかを検討する必要があります。残高が大きいなど引き継ぎたくない場合には相続放棄の判断をします。

    2-2.アパート等の賃貸契約の連帯保証人の相続放棄

    アパートやマンションなどの不動産の賃貸契約を結ぶとき、連帯保証人をたてる必要があります。

    これは家賃などを滞納してしまった場合に代わりに返済してもらうためです。もし亡くなられたお父さまが賃貸契約の連帯保証人になっていた場合、借りている方が家賃をきちっと支払っていて、連帯保証人としての責任が発生していなければ相続放棄を考える必要はありません。

    誰の賃貸契約の連帯保証人になっているかによっても対応は変わりますが、ご家族の契約であれば誰かが引き継ぎ、第三者の方であれば契約先と借主の双方の了承をとったうえで保証人を変更してもらうことで解決することができます。

    実際に返済を肩代わりして滞納分などをお父さまが支払っていた場合には、相続人がその返済をする権利を引き継ぐことになりますが、借主に状況を説明して今後のことを相談しましょう。

    また、滞納の金額等が大きくて、お父さまの財産を相続することで大きな負担がかかってしまう場合には、相続放棄を考えましょう。

    2-3.会社入社時の身元保証人の相続放棄

    会社に就職するときなど、身元の保証人として連帯保証人が必要となります。

    社員の行動によって万が一、会社が大きな損害を被った場合の保険的な意味合いの保証ですが、多くの場合にはこれを問われることはありません。

    そして、この身元保証をした場合の責任の範囲はその保証した個人に留まるものであることから、保証人の地位を相続人が引き継ぐことはありません。

    お父さまが保証人となっていても、亡くなられた時点で連帯保証は終了となります。

    また、もし保証人としてすでに責任を問われていた場合には保証人として地位を相続放棄することを考えるのではなく、返済義務を負っていることに対しての相続放棄を考えることになります。

    3.連帯保証の内容を考えて相続放棄を判断

    相続放棄をすべきかどうかの判断基準についてご説明します。連帯保証人については、連帯保証の内容を正しく確認して、相続人が将来抱えることになるリスクを踏まえて、相続放棄をするべきかどうか慎重に判断しましょう。

    ただし、相続放棄をするためには亡くなられてから3ヶ月以内に情報を収集して判断し、その後に家庭裁判所への申立てまで終える必要があります。

    具体的には、どのような連帯保証の内容なのか契約書を確認して借金の額を調べましょう。
    連帯保証のリスクの見込みと、すでに返済をしているようであれば残額を確認して、少額で返済ができそうな金額であれば、あえて相続放棄しなくてもよい場合もあります。

    契約内容や支払い状況の確認は個人信用情報センター(信用情報機関)で調べることができますので、不明な場合は開示請求をしましょう。手数料として1,000円かかります。

    表1:個人信用情報センター一覧

    機関名URL主な会員
    株式会社日本信用情報機構(JICC)https://www.jicc.co.jp/消費者金融会社やクレジット会社、金融機関など

    株式会社シー・アイ・シー(CIC)

    https://www.cic.co.jp/信販会社、クレジット会社など
    全国銀行個人信用情報センター(JBA)https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/金融機関など

    3-1.すでに連帯保証が開始している場合

    金融機関からの借り入れなどの場合、借主が返済義務を負えずお父さまが連帯責任としてすでに返済をしている場合です。この場合には、返済義務が引き継がれるためすぐに返済対応をしなければなりません。

    相続すべきか相続放棄をすべきかについては、どのくらいの返済義務が残っている状況なのか、本来の契約者が今後支払いできる可能性があるのかなどを確認していきます。

    返済額が大きく、借主からご自身へ返済してもらえる見込みもない場合にはリスクが大きいため、相続放棄してしまった方がよいでしょう。

    3-2.まだ連帯保証が開始されていない場合

    連帯保証人になっているだけで、実際の支払いなどの負担が発生していない状況です。

    金融機関からの借入れ等も、本来の契約者が無事に返済できている場合にはすぐに問題が生じる可能性は少ないでしょう。しかし、将来的なリスクについては検討する必要があります。

    相続放棄をしない限り連帯保証人の地位は引き継ぐことになってしまうので、もし本来の契約者が返済できないような事態になった場合には、相続した方が返済する義務を負うため、きちんと連帯保証人となる借金の額等を把握して判断する必要があります。

    4.ご自身で相続放棄を完了させるための5つのステップ

    相続放棄をする場合、ご自身が自ら手続きの準備をすることで専門家に依頼せず終えることができます。

    相続放棄は亡くなられてから3か月以内に家庭裁判所に申立ての手続きをする必要があります。期限を過ぎた場合には、相続財産を負債も含めてすべて相続したとみなされてしまいますのでご注意ください。

    また、ご自身やご兄弟などお子さんが相続放棄をした場合には、次はお父さまのご両親へ、その次はお父さまのご兄弟へと相続人の権利が移りますので、次に相続人の権利を得る方へ相続放棄をした旨を伝える必要があります。

    ご自身が相続放棄を終えるための手順はこちらです。

    図2:相続放棄の5つのステップ
    相続放棄の5つのステップ

    ステップ1:必要な書類を用意する

    図3:相続放棄に必要な書類
    相続放棄に必要な書類

    ※相続放棄の詳しい手順について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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    ステップ2:家庭裁判所へ申立てする手続きを行う

    ※相続放棄の申立てについて詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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    ステップ3:家庭裁判所から届く照会書に記入返信する

    ステップ4:家庭裁判所から受理通知書が届いたら完了

    ※相続放棄の受理通知書について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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    ステップ5:さらに受理証明書を取得しておくとより安心

    5.ご自身が親の連帯保証人の場合は連帯保証の義務は放棄できない

    ご自身が亡くなられたお父さまの借り入れ等の連帯保証人になっている場合、相続放棄は検討できますが、連帯保証人の義務は放棄できません。

    ご自身の連帯保証人としての地位は、相続で引き継ぐことになったものではなく、お父さまがご健在のときから地位を持っていることになるため、相続の対象ではありません。

    連帯保証契約は貸主と連帯保証人になったご自身との間で直接交わした契約ということになります。連帯保証人はお金を借りた本人と同じ立場となるため、連帯保証人も借金をしていることと同様の意味となります。

    お金を借りた本人が亡くなられたら借金は自動的に連帯保証人が支払うことになります。この連帯保証人としての責任は完済するまでずっと続いていきます。

    図4:ご自身が連帯保証人の場合連帯保証の義務は放棄できない
    ご自身が連帯保証人の場合連帯保証の義務は放棄できない

    6.まとめ

    亡くなられたお父さまが連帯保証人になっていた場合はその連帯保証人の地位は相続人が相続することになりますが、相続放棄をすることが可能です。

    しかし、相続放棄をすれば預貯金やご自宅などの他の財産もすべて相続できなくなります。連帯保証人であることがきっかけで相続放棄をする場合には、現在発生しているリスクと、今後発生しうるリスクを把握して判断する必要があります。

    3ヶ月以内に情報把握、判断、家庭裁判所への申立てをすべて終える必要があることから、慎重な判断が必要な一方でスピードも必要となります。

    また、相続放棄の手続きは個々におこなう必要があることからご自身が代表して行うことはできませんので、ご兄弟等がいらっしゃる場合には同様に3ヶ月以内に相続放棄の手続きを終えてもらう必要があります。

    手続きをスムーズに進めるためには、相続に強い弁護士に相談することをおススメします。

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