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相続放棄は自分だけで完結!「相続放棄申述書」の書き方と提出方法

「相続放棄をしたいけど、自分だけで手続きが完了できるだろうか」
「裁判所に提出する書類って何だか難しそうだけど、自分で書けるだろうか」
このようなことをお考えではないでしょうか。

相続放棄をするためには「相続放棄申述書」という書類を作成して、必要書類を集め裁判所へ提出します。

この「相続放棄申述書」に関しては比較的簡単に作成することができます。
もちろん専門家に依頼すれば、正確でスムーズなお手続きのサポートが受けられますが、ご自身で作成することも充分可能な書類ですので、本記事を参考に作成をしていただければと思います。

なお、相続放棄についてはこちらでご紹介しています。(当サイト内)

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Contents

1.裁判所に提出する「相続放棄申述書」の5つのポイント

相続放棄をする場合、「私は相続放棄します!」と家族に宣言をしても民法で決められた相続手続きをしていないため、借金等がある場合にはその返済義務等を逃れることはできません。正しい手続きを取って期日までに家庭裁判所へ必要な書類を提出しましょう。

借金等が多く相続放棄をしたい場合には民法に沿って相続放棄をおこないます。一方で、相続する財産があるが、その相続をする権利を放棄したい場合には、家族に宣言してご自身の相続する割合がゼロと書かれている遺産分割協議書に署名・捺印をすることで相続分の放棄をすることができます。

図1:口頭で伝えただけでは相続放棄が法的に認められない

1-1.相続放棄申述書を書いて裁判所へ提出し完了するまでの流れ

相続放棄は家庭裁判所に受理されて成立します。その時に提出を求められる申請用紙が「相続放棄申述書」です。相続放棄には期限があり「相続発生から3ヶ月以内」に相続放棄申述書を提出しなければ、原則、認めてもらうことができません。

図2:相続放棄が認められるまでの流れ相続放棄受理証明書

相続放棄受理証明書について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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1-2.相続放棄申述書の書式は決まっている

「相続放棄申述書」は図3のような「A4サイズの2枚の書面」です。様式にそって順に記載していけば、誰もが作成できる書類ですので安心して下さい。相続放棄申述書の中に記載のある「申述人」とは、相続放棄をする人のことです。

図3:相続放棄申述書の書式

 

1-3.相続放棄申述書は簡単に入手できる

「相続放棄申述書」は、家庭裁判所へ直接行って入手することもできますが、裁判所のホームページからダウンロードして使用することも可能です。ダウンロードしたら印刷して、2章・3章の記入例に沿って作成します。こちらのURLからダウンロードして作成をしましょう。

※裁判所ホームページ「裁判手続きの案内→家事審判の申立書→相続放棄申述書書式ダウンロード」
20歳以上 http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_kazisinpan/syosiki_01_13/index.html
20歳未満 http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_kazisinpan/syosiki_01_13_02/index.html

1-4.放棄する人(申述人)が申述書を書く

相続放棄の手続きは相続人全員でまとめて行うことができません。逆を言えば、個人の判断で相続放棄をおこなうことができることはメリットでもあります。よって、放棄をする方は各個人ごとに相続放棄申述書を作成して必要書類を準備し、家庭裁判所へ提出をします。

1-5.提出先は亡くなられた方の最寄りの家庭裁判所

相続放棄申述書の提出先は、亡くなられた方の最後の住所地(住民票があった住所)を管轄している家庭裁判所となります。放棄をする方がお住いの住所地を管轄する裁判所ではありませんのでご注意下さい。

管轄の家庭裁判所は、裁判所のホームページから調べることができます。なお、相続放棄については、裁判所の本庁だけでなく「支部」や「出張所」がある場合は、そちらでも取り扱っている場合がありますので、管轄をご確認の上、書類を提出しましょう。管轄がよく分からない場合は、直接、裁判所にお電話でお問い合わせをすれば教えてもらえます。

また、提出は郵送で構いません。相続放棄の手続きは「財産を隠して放棄しようとしている」「第三者から放棄することを強要、もしくは脅迫されている」など理由がない限り受理される手続きです。家庭裁判所まで呼び出されることはほとんど、郵送のやり取りで完了させることができます。

2.「相続放棄申述書(1ページ目)」の具体的な書き方

相続放棄申述書の2枚のうち、1ページ目の書き方について順を追ってご説明します。
上から順にご説明をしていきます。

図4:相続放棄申述書の1枚目の完成イメージ

2-1.収入印紙を貼る

作成後でもでも構いませんが、収入印紙800円分を貼って提出します。貼った印紙への押印は不要です。収入印紙は、郵便局で購入できます。200円の収入印紙であれば、お近くのコンビンエンスストアでも取り扱っている場合があります。

図5:収入印紙を貼る欄のイメージ

2-2.放棄する人(申述人)が署名と捺印

1-5でご説明した亡くなられた方の最後の住所地を管轄する裁判所を宛先として記載します。その上で、ご自身の名前を必ず自筆で署名をします。相続放棄の手続きを専門家に頼んだ場合についても、この欄は自署をするように求められます。また1-4でご説明したとおり一人ずつ個別に申請するため、一人分の入力欄しかありません。

図6:提出先と申述人欄の書き方(例)

2-2-1.放棄する人(申述人)が自署できない場合の書き方

 放棄をする方(申述人)が、未成年者の場合は「法定代理人」が、認知症と診断されている場合は「成年後見人」が代理で手続きをすることが認められています。そのような場合は、相続放棄の手続きよりも先に各々の法的な手続きをきちんとしておく必要がありますが、整っていればそれぞれ代理の方が署名を代筆することができます。

<申述人が未成年の場合>

別途、「法定代理人選任の申し立て」を家庭裁判所に行う必要がありますが、法定代理人の方が「○○ ○○の法定代理人」として、代理人の方が自筆で署名をします。

図7:提出先と申述人欄の書き方(未成年の例)

<申述人が認知症の場合>

別途、「成年後見人選任の申し立て」を家庭裁判所に行う必要がありますが、後見人となっている方が、「○○ ○○の後見人」として、後見人の方が自筆で署名をします。

8:提出先と申述人欄の書き方(認知症の例)

※後見人について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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2-2-2.実印と印鑑証明は不要で認印でよい

相続放棄申述書を作成する場合には、実印や印鑑証明は必要ありません。相続放棄をする方の自筆の署名が必要となりますが、印鑑は認印で構いません。これは図2のステップでご説明した流れのとおり、申請した方の手元に照会書が届くことになっており、もしご自身以外の方が悪意をもって対応しても、この時点で把握することができるからです。

2-3.「添付書類」欄の書き方

4章でご説明する提出書類の中に、いくつかの添付書類が必要なります。今回提出する添付書類の枚数に応じて、こちらに記載します。

図9:添付書類欄の書き方(例)

2-4.「申述人」欄の書き方

相続放棄を申請する方の本籍や住所、氏名、生年月日等を記載します。こちらに記載する住所は正確に記載する必要があるため、戸籍謄本や住民票に記載されているとおりに記入することが、のちに不備を指摘されることを防ぐことができます。また1-4でご説明したとおり一人ずつ個別に申請するため、一人分の入力欄しかありません。

図10:申述人欄の書き方(例)

<記入のポイント>
本籍・住所欄は、マンションにお住いの場合「マンション名を記載しない住所が正しい」など、日ごろ記載をしている住所と戸籍上の住所が異なる場合があります。
職業欄は、会社員・公務員・パート・無職などを記載します。
被相続人との関係欄は、図9を参考に亡くなられた方から見たご自身の関係を記載します。

図11:被相続人(亡くなられた方)との関係欄の考え方(イメージ)

2-5.「法定代理人等」欄の書き方

2-2でご説明した申述人の欄に相続放棄をする方ご本人が署名された場合は空欄です。
2-2-1でご説明した、法定代理人や後見人が署名をされた場合にはこちらにその方の住所や名前を記載します。

図12:法定代理人等欄の書き方(例)

2-6.「被相続人」欄の書き方

亡くなられた方の本籍や住所、氏名、生年月日等を記載します。こちらに記載する住所は正確に記載する必要があるため、除籍謄本等に記載されているとおりに記入すれば、のちに不備を指摘されることを防ぐことができます。

図13:被相続人欄の書き方(例)

3.「相続放棄申述書(2ページ目)」の具体的な書き方

相続放棄申述書の2枚のうち、2ページ目の書き方について上から順に説明をしていきます。

図14:相続放棄申述書の2枚目の完成イメージ

3-1.「申述の趣旨」欄の書き方

申述の趣旨の欄は、最初から記載されていますので、ご自身で記載する必要はありません。
下の(注)に記載のとおり太枠内だけを記載するため、この欄は太枠内に該当しません。

15:申述の趣旨欄の書き方(例)

3-2.「申述の理由」欄の書き方

相続放棄の期日内であるかどうが、相続放棄の理由や、具体的にわかっている財産の情報について記載していきます。

3-2-1.「相続開始を知った日」欄の書き方

相続の開始を知るパターンはいくつかありますので、どのパターンに該当したかを記載していきます。葬儀など亡くなられてすぐに連絡が来た場合には「1」を選択し、亡くなられた日を記載します。亡くなられたことを知らず、一定期間を経過して連絡をもらった場合などは「2」を選択し、その連絡があった日を記載します。相続放棄は亡くなられた時点の相続人だけではなく、たとえばお子さんが放棄するとお孫さんへ、お孫さんがいない、お孫さんも放棄した場合にはご両親が、といった形で次の相続人へ相続の権利が移行していきます。この場合には、相続放棄が完了してから通知が来る場合があります。そんな場合には、「3」を選択して相続放棄を知った日を記載します。

いずれもここに記載した日から3ヶ月以内が相続放棄申述書の提出期限です。

図16:相続開始を知った日欄の書き方(例)

3-2-2.「相続放棄の理由」欄の書き方

相続放棄の理由には、様々なケースがあります。ご自身が該当するケースを記載します。借金等の負債が多いため、相続放棄をする場合には「5」を選択します。ただし、亡くなられた方が生前に借金をした際にご自身が保証人となっている場合には、この相続放棄の手続きをしても解消されませんので、ご注意ください。

図17:相続放棄の理由欄の書き方(例)

3-2-3.「相続財産の概略」欄の書き方

さいごに、亡くなられた方の財産の概略を記載します。相続放棄をする前に相続財産をすべて把握しておく必要があるため、その把握した内容を記載していきます。

図18:相続放棄の理由欄の書き方(例)

4.相続放棄する際に一緒に提出が必要な5つの書類

相続放棄の手続きで必要となる書類を一覧にまとめると以下のようになります。

①相続放棄申述書
②亡くなられた方の除籍謄本
③亡くなられた方の住民票除票もしくは戸籍の附票
④放棄する方(申述人)の戸籍謄本
⑤切手(82円切手、10円切手を数枚)

①は相続放棄をする方全員がそれぞれ提出する必要がありますが、②③相続放棄の亡くなった方の住民票の除票や戸籍謄本類は、1事案(亡くなられた方に対する相続放棄:裁判所では事件番号として管理)に関し、1セット提出されれば、同じ戸籍を何回も提出する必要はありません。

4-1.相続放棄申述書

本記事で書き方をご説明したとおり、申述人ごとに作成した相続放棄申述書の提出が必要です。収入印紙800円(一人ずつ必要)が貼られていることを確認します。

4-2.亡くなられた方の除籍謄本

亡くなられた方の死亡の事実確認をするために、亡くなられた方の最後の本籍地を管轄する役所で亡くなられた方の除籍謄本を取得します。

4-3.亡くなられた方の住民票除票または戸籍の附票

住民票除票は亡くなられた方が最後に住所登録された役所で取得でき、戸籍の附票は最後の本籍地を管轄する役所で取得できます。

4-4.放棄する方(申述人)の戸籍謄本

ご自身の本籍地を管轄する役所で取得できます。

ただし、戸籍謄本は、亡くなられた方と、放棄をする方(申述人)との関係性を明らかにするために提出を求められるものですので、関係性が明確になるまで戸籍を遡って取得することになります。なお、戸籍には、類似した戸籍抄本という書類がありますが、戸籍謄本の提出が必要です。

未成年者の場合、法定代理人の現在の戸籍謄本も必要となります。成年後見人の場合は、後見人であることを証明する登記事項証明書、もしくは、特別代理人の選任審判書の提出も求められます。

4-5.家庭裁判所が申述人に照会書を送るための切手

家庭裁判所は相続放棄申述書を受け取ると、おおよそ1~2週間程度で申述人に「あなたは本当に相続放棄をしますか?」等の申述人の意思を確認する書類を送付します。放棄の事実を把握しているか、強要されていないか等を申述人本人に確認することが目的です。この照会書を送るための切手を入れる必要があります。枚数は管轄の家庭裁判所に電話で確認する必要があります。

5.相続放棄にかかる費用

相続放棄にかかる必要は、ご自身でおこなう場合はおおよそ数千円程度です。亡くなられた方との関係によっては戸籍謄本の取得が複雑化し、金額がかさむこともあります。役所・裁判所とは郵送でやり取りできますので、大きな交通費も発生しません。

もし、相続放棄の手続きを専門家の司法書士や弁護士に頼む場合には、数万円~十万円程度になります。
戸籍が複雑かどうかなどによって金額も変わってきますので、無料相談にいって相談してみましょう。

6.期限内に相続放棄申述書が提出できない場合

相続放棄の期限は亡くなられてから3ヶ月と非常に短く、四十九日が過ぎるまで財産の把握等に手を付けていないととても厳しい期間となります。通常の場合には、相続放棄の申述書を提出しなければこの3ヶ月を経過した時点で単純承認となり、負債を含むすべての財産を相続するという意思を示したことになります。

もし、3ヶ月を経過する場合に相続するか相続放棄をするか迷っている場合には、期間延長の申請を必ず出しましょう。

7.さいごに

相続放棄申述書の作成自体は、さほど難しいものではないことをご理解いただけたでしょうか。3ヶ月という期限のある手続きなので、相続放棄をされる場合は速やかに相続放棄の申述書の作成準備を進めていただければと思います。

ご自身で手続きを完成させる場合は、本記事の書き方をぜひ参考にしてください。

本記事に類似した点で気を付けていただきたいことが2点あります。
 ・「相続放棄申述書」が受理されてしまうと、相続放棄の意思が取り消せないこと
 ・葬儀費用など亡くなられた方の財産をすでに使ってしまった場合は相続放棄ができないこと

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