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家の相続税はいくら?相続税の基本と計算の4つのSTEP【保存版】

「両親と同居しており両親の面倒もみているから、将来は両親の家を相続したいなぁ。」と考える半面で、「もし両親の家を相続するとなると、この家にかかる相続税はいくらになるんだろうか。支払えるかなぁ」という不安はありませんか?
しかし、不安を感じてはいるもののインターネットでも書籍でも、家の相続税について記載されていることがあまりなく、「税金のことは難しくて分からないし・・・」と諦めてしまっていませんか。

実は、相続税の考え方には「家の相続税だけを個別に計算できない」というルールがあります。相続税は「個別の財産ごとにいくら」ではなく、「ご両親から引き継ぐ財産の総額に対していくら」なのかが決まってきます。
ただ、相続税の対象となる財産の大半の割合を占めるのが「家(土地)と現金」と言われていますので、「家」の財産価値(評価額)さえ分かれば、相続税の目安はおおよそ検討を付けることができます。

本記事では、ステップに沿って確認することで、ご自身で相続税を大まかに計算することができます。
おおよその相続税を計算し、家を相続する準備をはじめましょう。

図1:家の相続税を計算するイメージ(家・現金・株券などの財産がある場合)
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1.STEP1:相続税の計算に必要な家の評価方法

図1のとおり、相続税は家単独で計算できるものではなく「亡くなられた方の財産総額」に対して計算します。また、現金など財産価値がすぐにわかる財産に対して、家はすぐには財産価値がわからないため計算して「家の価値を把握する」必要があります。亡くなられた方の財産の総額に占める割合が一番大きい財産が家となるケースが多いことから、その評価の計算はとても重要です。

1-1.家が戸建ての場合は土地と建物の評価を合計する

家の評価は、所有している「土地」と「建物」に分けて考え、別々に評価していきます。それぞれ評価方法が違いますので、次のとおり確認していきましょう。

1-1-1.土地の評価は2種類の基準から計算する

家の土地を評価するためには主に国税庁が毎年7月に発表する「路線価」を基準に考えていきます。この路線価を調べると、図2のような「路線価」が設定されている地域と、図3のような「倍率地域」として設定されている地域の2つに分かれます。

<路線価>

路線価とは、道路ごとにつけられた値段で土地1平方メートル(㎡)当たりの価格が千円単位で示されます。家が面している道路の値段と、土地の広さがわかれば計算することが可能です。

図2:路線価図のイメージ
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<倍率方式>

路線価が定められていない地域は「倍率地域」と記載があります。同じく国税庁が定めている「評価倍率」という値を使って計算します。土地の広さでは無く、次の章で詳しく説明する固定資産税評価額(土地)に倍率をかけて算出します。

図3:倍率地域
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土地の具体的な評価については → 遺産相続する土地の相続方法・相続登記の手順・4つの税金【保存版】

1-1-2.建物の評価は「固定資産税評価額」と同額

家の建物の評価は簡単に把握できます。それは、毎年春から夏にかけて各市区町村村役場より郵送されてくる「固定資産税の納税通知書(図4)」を確認すると分かります。その中に「固定資産税の課税明細書(図5)」が同封されています。この課税明細書の家屋(建物)の評価額、すなわち固定資産税評価額がそのまま建物の評価額となります。

図4:固定資産税の納税通知書の見本 ※神戸市の場合
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5:固定資産税の課税明細書の見本 ※神戸市の場合
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1-1-3.土地の評価額と建物の評価額を合わせれば家全体の評価額となる

次の事例で、土地(路線価を利用)と建物の評価をあわせた家全体の評価額を確認してみましょう。実際に家の土地を評価する場合には、土地の形状に応じた特別な補正をしたり、少しでも評価額を下げられる要素が無いか細かく確認していくのですが、概算のため単純に土地の面積に路線価をかけて算出します。

<例>

土地の面積:100㎡ 
路線価:280D ※Dは借地権割合のため、借地でなければ考えない
家屋の固定資産税評価額:1,000万円

土地:(路線価)280,000(円/㎡)×(面積)100(㎡)
      = 28,000,000円
建物: 10,000,000円

よって、2,800万円+1,000万円=3,800万円

1-2.家がマンションの場合は戸建てと基本は同じ

家がマンションの場合でも評価の考え方は同じで、土地と家屋に分けて評価をします。家屋は戸建てと全く同じ評価方法ですが、土地に関してはマンション特有の考え方があります。マンションの土地は、全体の土地の評価額を算出し、ご自身が所有する割合である「敷地権割合」を乗じて個別に評価額を算出します。敷地権割合は、図6のような不動産の全部事項証明書(不動産の謄本)を確認すると分かります。

マンションの評価については → マンションの相続税における評価方法は?節税対策とリスクのバランス

図6:敷地権割合の確認方法
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2.STEP2:家の相続税は他の財産とあわせた財産総額で計算する

相続税を計算する場合には、家など個別で計算することができないため、亡くなれた方が所有されていたすべての財産を足し合わせて計算をしていきます。家の評価額はすぐに分からないため、STEP1で計算した家の評価結果をもとに財産総額を把握していきます。生前に相続税を計算してみる場合には、例えばお父さまの現在の財産を用いて一度計算し、相続税対策ができないかどうかも一緒に確認できると相続税を軽減できる可能性が高まります。

図7:財産総額のイメージ
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2-1.家の相続税だけを個別に計算できない

繰り返しになりますが、「家だけの相続税を計算する」など一部の財産をもとに相続税を計算することはできません。「財産が家しかない」という場合を除き、図7のように相続するすべての財産の価値を把握します。そして、その財産の総額に応じて相続税の税率をかけて計算をしていきます

2-2.相続税の対象となる財産の一覧

相続税を考える場合には、プラスになる財産ばかりを連想しがちですが、実はマイナスになる財産もきちんと把握しておくことが大切です。図8でプラスの財産を、表1でマイナスの財産を確認して相続税の対象となる財産をチェックしましょう。

図8:相続税の対象となるプラスの財産の一覧
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みなし相続財産はこちら → みなし相続財産とは?相続財産の分類と相続税の対象を総点検!

表1:マイナスの財産

マイナスの財産
負債 借金、住宅ローン
税金 未払いの税金
その他 未払いの光熱費・家賃・地代・医療費
葬儀費用 葬儀費用、葬式時の食事比、法事

非課税財産はこちら → 相続税の非課税財産の種類と非課税財産を活用した相続税対策

3.STEP3:財産総額により相続税がかかるかどうか判断する

STEP1で家全体の財産価値が分かり、次いで、STEP2で相続税の対象となる財産が分かりましたね。
続いて確認したいことは、実際に相続税の申告が必要かどうかの判断基準です。

実際に相続税の申告が必要な方は亡くなられた方の約8%です。
これは、相続税を考える時「基礎控除額」という考え方があり、亡くなられた方の亡くなられた時点の財産総額がこの基礎控除額を超える場合のみ相続税の申告が必要となります。つまり、この基礎控除額を超えなければ相続税の申告(もちろん納税も)は不要ということになります。家の相続税が気になっていた方も、財産総額が基礎控除を超えない場合は相続税を考える必要はありません。

相続税の申告が不要な方へ → 相続税の申告が不要な92%の方が安心できる解説【完全版】
基礎控除はこちら → 【イラスト図解】相続税の基礎控除の考え方と使い方を徹底解説

図9:基礎控除額の考え方
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10:相続税の判断基準・考え方

4.STEP4:申告が必要な場合は相続税を計算する

STEP3でご説明したとおり、お父さまの相続財産(家・現金・退職金・生命保険)が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告が必要となります。もう一つ知っておきたいことは「申告=納税」ではないことです。相続税の申告が必要であっても、この章でご説明する特例を利用することで0円になるケースも多くあります。

4-1.節税につながる主な6つの特例・制度

STEP3を確認して「お父さまの財産総額が基礎控除額を超えてしまう!」と不安に思った方も、相続税の非課税枠や財産の減額評価が認められる特例を利用することで結果的に相続税を減額できる可能性があります。

主な控除、特例について簡単に一覧にまとめました。まずは大まかに把握しておきましょう。

表2:相続税の主な控除、特例制度について

名称 控除や特例が使える方 内容
配偶者控除の税額軽減 戸籍上の配偶者(夫・妻) 1億6,000万円、もしくはその配偶者の方の法定相続分のどちらか高い方まで相続税が無税となる制度
未成年者控除 20歳までの未成年 (10万円×20歳になるまでの年数)の金額を控除
障害者控除 一般障害者 もしくは
特別障害者の方
(10万円×85歳になるまでの年数)の金額を控除 ※特別障害者の方は20万円
相次相続控除 今回の相続発生前10年
以内に相続があった方
相続税の申告及び納税が10年以内で続いて発生した場合、納税の負担が大きくなることに配慮して、前回納めた相続税分を控除できる制度
贈与税額控除 相続発生より3年以内に
贈与を受け取った方
相続前3年以内の贈与財産は相続税の課税対象となるため、その時に贈与税を納めていた場合は、納めた贈与税分は相続税より差し引ける制度
小規模宅地等の特例 土地を相続される方で
要件に合致される方
居住用不動産(自宅)の土地であれば、限度面積330㎡までは80%減額評価できる制度

4-2.申告が必要でも納税が不要なこともある

4-1でご説明した制度は、適用するか否かで相続税を減額したり、無税としたりすることができるしくみです。相続税の申告が必要な場合、申告書を作成する際に、表2のような控除や特例を使える方は、適用した内容で税額を計算し、税金の減額や無税を承認してもらうことになります。相続税の申告が必要となる約8%の方の中で、実際に相続税の納税が必要となる方はさらに少なくなります。

4-3.特例を正しく利用するのは専門家でも難しい

特例の適用に関しては適用の条件が複雑、かつ 影響度がとても大きいものが多くあります。しかし、お父さまの相続で可能な限り特例を利用することがよいケースばかりではなく、次の相続を考えてトータルで相続税が減るような工夫も大切です。これらは、日ごろから相続税について対応をしている相続を専門に取り扱う税理士に相談されることをオススメします。

ただし、相続税を減額するための節税対策は生前にできる対策の方が多いことから、基礎控除を超えている場合、気になったら早めに無料相談を実施している税理士にご相談されることをオススメします。可能な限り、無料相談の際に相続税の簡易計算や今後の方向性を示してくれる税理士に相談しましょう。

4-4.家の相続でもっとも影響が大きい「小規模宅地等の特例」

財産総額の半数以上の割合を家(土地・建物)が占めるケースが多くあり、その家の評価額を下げることができれば、相続税にも大きく影響することが分かります。家の評価を減額できる特例としては、土地に対して適用できる「小規模宅地等の特例(最大80%減額)」があります。

この制度は、亡くなられた方の家(ご自宅/居住用)には、その家を相続する方も一緒に住んでいるケースが多いため、一緒に住んでいる方を保護する目的があります。家の財産価値は高いけれど、相続税を支払う現金がないという事案も少なくないことから、「家を売却して手放さないと税金が払えない!」なんてことにならないよう配慮されています。

制度の内容を簡単に説明すると「相続する土地において限度面積である330㎡までは、その評価額を80%減額することができる」ということです。

[事例①]300㎡ 以下の土地の場合

土地の広さ:300㎡ (限度面積330㎡以下)
相続税評価額:3,000万円

相続税の計算をする際の財産額は600万円 ※実際の価値は下がりません

図11:小規模宅地等の特例の考え方(330㎡未満の土地)
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[事例②]300㎡ 以上の土地の場合

土地の広さ:400㎡ (限度面積330㎡以下)
相続税評価額:4,000万円

相続税の計算をする際の財産額は1,360万円 ※実際の価値は下がりません

図12:小規模宅地等の特例の考え方(330㎡以上の土地)
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4-4-1.特例が適用できる条件を確認しよう

「小規模宅地等の特例」は、残念ながら相続するすべての方が利用できる制度ではありません。要件が決められており、その要件に該当する方が相続した場合のみ、特例を使って評価額を減額することができます。お父さまが複数の家や土地を持っていたり、アパートを経営していたりするなど、自宅以外の土地がある場合には、制度の主旨から自宅の減額が最も多く、それ以外の土地は条件によって減額の割合が異なります。

表3:「小規模宅地等の特例」が適用される相続人

相続する不動産 相続される方 適用要件
亡くなられた方のご自宅 配偶者 無条件で適用が認められる
同居のご家族 「同居の親族」は、適用が認められる
別居のご家族 ・配偶者や同居の親族がいたら適用は認められない
・相続発生前において、ご自身が所有する家
 もしくは配偶者が所有している家に住んだことがないこと
 (マイホームを所有していないこと)

上記の適用要件を満たした上で、さらに、相続税の申告期限(亡くなった日の翌日から10ヶ月以内)までその家に住み続ける(所有し続ける)ことなどの条件があります。相続してすぐに売却してしまうと特例が適用されないことになってしまいますので注意が必要です。

4-4-2.平成30年度の税制改正でも見直された小規模宅地等の特例の要件

「小規模宅地等の特例」の要件は、平成30年度の税制改正で見直しがあり厳格化されました。今後もさらに厳しくなる傾向にあると推測されます。現時点では適用可能な状況であっても、税制改正が行われるうちに条件に合致しなくなる可能性があります。将来、家を相続することを考えている方は今後の税制改正の内容をチェックしていきましょう。

「小規模宅地等の特例」についてはことら → 【実家の相続】節税の要「小規模宅地等の特例」が4月から厳格化
    

4-5.相続税の計算例

最後に、実際に相続税はどのように計算するのか、具体的な事例にあてはめて概算の方法をご説明します。この概算が計算できると、家を相続した場合 かつ、相続税の支払いが必要となった場合のご自身の負担額がわかります。

相続税を試算する前提として以下の2点を確認しましょう。
①プラスの財産の総額から、マイナスの財産を差し引いて、基礎控除額を上回っていること(STEP2)
②相続税の試算は、特例や各控除を適用する前の評価額で考えること
  ⇒ STEP4のとおり特例等の適用は、税理士に相談しましょう。

[相続税の計算例]

遺産総額6,000万円
・家(土地):4,000万円
・預貯金:1,500万円
・保険金:500万円

相続人:3人
    お母様(配偶者)、長男(同居)、長女(別居)

基礎控除額:4,800万円

 図13:相続税を計算するイメージ  ※家(土地)のみ特例の適用を考える
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※死亡保険金には、別途(500万円×法定相続人の数)という非課税枠があります。

相続税の計算に必要な情報をこちらにまとめます。実際に相続税の総額が70万円となった場合、一般的には相続する財産総額の中で自分が相続した財産の割合をもとに負担する相続税額を計算していきます。(財産の50%を相続したら35万円を負担)

相続税における生命保険の考え方はこちら → 相続税対策で生命保険?節税だけでなく円満相続につながる5つの理由

相続税に計算・税率はこちら → 相続税率は?相続税率の決め方と簡単な計算方法
  

5.まとめ

家を相続する場合に必要な相続税を計算したい。という考えから、相続税全体を把握していく必要性をご理解していただけましたでしょうか。そして、ご両親の財産状況からおおよその相続税を計算できましたか。

また、家の相続を考える場合には「小規模宅地等の特例」という制度が適用できるかどうか、これが相続税の納税に大きな影響を与えることもご理解いただけたと思います。思い出の残る実家、ご両親と同居している自分の将来の住む場所など、家の相続は家族のために争いなく、売却もすることなく維持されたい方も多いと思います。税制改正や条件に合致する状況をしっかり確認して、必要に応じて生前にいろいろな対策を講じましょう。

また、日常生活ではあまり意識をしていない路線価や固定資産税評価額に関しては、固定資産税を支払う時期や毎年7月の路線価の改訂のタイミングで、「家の評価額が今いくら位のものなのか?」とチェックするようにしておくと、将来のことを考える癖がついていきます。

最後に、今回は家の評価を概算で確認する方法をご紹介しましたが、実際の相続税の計算においては、より細かな補正を施して、正確に評価していくことになります。相続税や節税に関しご心配がある場合には、ぜひ相続税に強い専門家にご相談をされることをオススメします。

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