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家の相続は状況に応じた考え方と分割方法で速やかな相続登記が必要

「兄弟で実家の相続をすることになった。持ち家のある弟は、家は相続したくないと言っている。自分には持ち家はないが、仕事の関係ですぐに引っ越すことはできない。弟と公平に分けることを考えると売ってしまった方がいいか?それともしばらくこのままにしておくか・・・」

相続財産の大半が「家」の場合、公平に分けることは、なかなか難しいものです。売却してしまうことに決めても、希望どおりに話がまとまらなければ、結局は、空き家のまま、しばらく放置することになってしまう、なんてことも多いのではないでしょうか。

総務省統計局の調べ(令和元年)によると、全国の総住宅数6,2407千戸のうち、空き家は 848 9千戸で、空き家率は 13.6%と過去最高になったと公表しています。空き家の放置は、防火の問題、治安や衛星面の悪化が進み、近隣に多大な迷惑をかけてしまう恐れがあります。

手続きが複雑そうな家の相続ですが、最低限、空き家のまま放置することがないよう、速やかに相続する方法をご検討ください。本記事では、初めて家を相続する方にもわかりやすく、分割の選択肢から登記手続きに関することまで、ポイントを絞ってまとめています。家の相続に不安な方はぜひご一読ください。

1.家の相続で注意すべき3つのこと

家の相続は、相続人間の公平性を保つことが難しいという理由から、スムーズに分割の話し合いが進まないケースが多々あります。分割協議がまとまらない状態では、いつまでたっても相続手続きを進めることはできません。

家は、名義が亡くなられた方のままであれば、名義を変えてからでなければ、売却することはできませんし、また、売らずに空き家の状態のまま、長い間放置していると、いずれ固定資産税の負担が増すリスクを背負う可能性が生じます。

比較的分割しやすい預貯金などの財産とは異なり、家の相続には、権利や税金が密接に関係してくるので、容易に判断をすることはできませんが、以下のような3つの注意点からすると、速やかに話し合いを進める必要があります。

【家の相続で注意すべき3つのこと】

 分割協議がまとまるまで、対外的に家は「相続人全員の共有財産」とみなされる

  固定資産税は相続人全員で負担する、売却する場合も手続きは相続人全員でおこなう

 「空き家」のまま放置、もしくは「更地」にして放置には税金のリスクがある

  更地、もしくは「特定空き家」に該当すると固定資産税が一気に6倍増しになる

 ※特定空き家とは、放置することが不適切な状態にある建物と土地のことです。

  空き家問題を解消するべく2015年に「空き家対策特別措置法」が制定され、

  空き家の所有者に対して行政が直接的な指導をおこなうことが可能となりました。

 相続税の申告が必要な場合は、評価額が下げられる特例適用の条件に留意する

  申告期限までに分割協議をととのえなければ、特例を使うことができない

  また、申告期限までに家を売却してしまうと特例は使えない

※特例について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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2.【家の相続手続き】完了までの4つのステップ

家に関する相続手続きをきちんとしなければ、固定資産税などの税金に負荷がかかる恐れがあることをご理解いただけたと思いますが、では、実際に相続手続きは進めるにはどのようにすればよいのでしょうか?

家の相続手続きが完了するまでの流れは、大きく4つのステップで進めていきます。法定相続分(法律で定められた相続できる割合)に分けるならば、家に関する分割協議や遺産分割協議書の作成は必要なく、ステップ4の名義変更手続き(相続手続き)のみで完了します。

相続人が複数いるが、遺言書がない場合には、相続人全員で遺産分割協議をおこない、全員が同意した上で、家を相続する方を決めなければなりません。

【家の相続手続き4つのステップ】

 

ステップ1:遺言書の確認

亡くなられた方が遺言書を残されていたかどうかを確認します。自筆証書遺言が残されていた場合には開封せずに、家庭裁判所で検認の手続きが必要となります。相続において「遺言書」の内容は、差優先されるべきとみなされます。

 

ステップ2:相続人・相続財産の調査と確定

法定相続人(亡くなられた方の財産を相続する権利がある方)は誰なのか、きちんと調査した上で確定します。調査方法としては、亡くなられた方の出生からお亡くなりになられるまでの繋がった戸籍謄本をすべて取得して、内容を確認していきます。また、相続財産についても漏れなく確認し、家以外のプラスの財産、借金などのマイナスの財産などをすべて把握します。万が一、負債の方が多い場合、速やかに相続放棄の決断をするためにも、調査と確認は大切なステップとなります。

 

ステップ3:遺産分割協議をする

遺言書はない、もしくは内容に不備があり、遺言書の内容とは異なる分け方にされる場合は、相続人全員で遺産分割協議をおこない、相続財産の分け方を決定します。

 

ステップ4:相続登記をする

家を相続する方が決定したら、名義変更手続き(相続登記)をするための必要な書類をすべて準備し、法務局へ提出します。必要書類の詳細は、4章の2でご説明いたします。

図1:家の相続手続きを完了する4つのステップ

3.家を相続する3つの考え方

分割するには不平等になりやすい家は、相続において、どのような考え方をすればよいのでしょうか?

公平性を保つための考えるべき3つの相続方法についてご説明いたします。分割協議をする際の参考にしていただければと思います。

3-1.【現物を個々に相続】家と同程度の価値の財産が他にある場合

家のほかに、預貯金や株などの金融資産があり、同程度の価値が見込める場合は、比較的簡単に分けることができると思います。たとえば、家を長男が引き継ぎ、次男は家と同程度の価値がある預貯金などの金融資産を引き継ぐと公平な分け方ができますね。このような分け方を「現物分割」といいます。

ただし、家以外の相続財産がほとんどないという場合は、不平等感が生じ、相続人全員の同意を得ることは難しくなります。現物分割ができるかどうかは、家以外の財産があって、公平な遺産分割ができる場合、もしくは話し合いで相続人全員が納得しているケースに限られてくるでしょう。

相続財産が家だけの場合、土地を2つ以上に分け(分筆という)、引き継ぐこともできますが、分筆するためには、土地の測量や、隣地所有者との境界確認などが必要となります。手続きが煩雑化する上、手続きするために高額な費用がかかる場合があります。土地の広さと立地条件などを平等にすることはとても難しく、十分な話し合いをしてから実行していただく必要があります。

2:家と同程度の財産を公平に分ける

3-2.【代償して相続】相続財産は家だけの場合

家以外の相続財産がほとんどない場合、公平性を保つためには、相続した分を代償する方法があります。これは「代償分割」といって、家を引き継ぐ方が、他の相続人に対し、相続分に相当する代償金を支払う方法となります。たとえば、評価額3,000万円の家を長男が引き継ぐ場合、長男は次男に対し、相続分相当となる1,500万円の代償金を支払うことになります。

代償金を払うことで、公平な相続を実現し、家の名義を複数に分けることなく、単独で引き継ぐことができるので、後々トラブルになりにくい方法です。一方で、代償金の額に納得してもらえない場合や、そもそも代償金を支払う資産力がない場合には、代償分割をすることは難しくなります。

なお、代償の仕方は、期限付きで一括とするのか、分割とするのか、話し合いで決めることができます。

3:家を相続する代わりに代償金を支払う

3-3.【換価して相続】家は引き継がない場合

様々な理由から、家のまま引き継ぐことができない場合、家を売却して現金に換え、相続人同士で均等に分けるといった方法もあります。これを換価分割といます。現金に換えて、公平に分割することができるので、トラブルの発生は少ないでしょう。

家を売ってしまうので、その後の固定資産税の支払いや、家を管理する手間からも解放され、公平ですっきり分けることができる方法です。一方、家の売却には、希望通りの進まない、仲介手数料や税金などの想定外の出費が増えることなどが予想されるため、結局のところ、手元に残る金額がかなり減ってしまうケースがあります。タイミングもありますが、価格と経費のバランスをみながら、慎重な判断が求められます。

4:売却し現金に換えて公平に分ける

4.家を相続するには登記が必要

分割方法が決まれば、相続人全員が納得した内容を遺産分割協議書にまとめ、全員の署名と実印を押印します。遺産分割協議書(もしくは遺言書)の内容にそって、家の名義を変更(相続登記)します。登記手続きは、相続する家の所在地を管轄している法務局でおこないます。

4-1.登記は速やかに!登記しないことの3つのリスク

相続登記に、いつまでにしなければならない、という期限はありません。しかし、相続登記をしなければ、対外的には相続人全員の共有名義のままなので、売却する場合などは、全員で売買手続きをしなければなりません。

また、相続登記しないまま、次の相続が発生してしまうと、さかのぼって権利関係を証明しなければならず手続きが複雑化していきます。権利を証明できなければ、予期せぬトラブルに発展していく可能性が高まるため、家を引き継ぐことが決まったら、相続登記を速やかに行いましょう。

登記は、法定相続分までであれば、相続人であることを証明するだけで登記をすることが可能です。相続人の1人が勝手に登記してしまうことは可能なことなので注意が必要です。

4-2.登記に必要な書類

相続登記の際に必要となる書類の一覧です。「家に関する書類」と「戸籍などの公的書類」が必要になります。

<家に関する必要書類>

・固定資産税評価証明書

・名寄帳

・登記簿謄本

図5:家に関する必要書類

<戸籍などの公的書類>

公的書類は、遺言書がある場合とない場合で内容が異なってきます。

図6:相続登記に必要な公的書類

4-3.費用はかかるが登記申請は司法書士に依頼すると確実

登記の専門家は司法書士となります。登記は専門家に依頼しなくても手続きはできますが、登記申請書類の作成や、登記する際にかかる登録免許税の計算(図8の計算式参照)などは、専門的な知識が必要な上、正確性が求められるため、申請手続きは専門家に任せてしまった方が、時間も無駄なく、確実です。

司法書士に相続登記をお願いした場合、家1つで約5万円から10万円ほどの報酬はかかります。また、実費がかかりますが、必要書類なども司法書士が代行して取得することもでき、お時間に余裕がない方にはお勧めです。

<相続登記の際にかかる費用>

・登録免許税(登記する際にかかる税金)

・戸籍謄本などの取得にかかる実費

・司法書士に依頼する場合の報酬

図7:相続登記にかかる費用

8:登録免許税の計算式

※相続登記について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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5.まとめ

家の相続は、4つのステップで順に進めていくことをご理解いただけましたでしょうか。相続した家を引き継いで所有する場合でも、売却する場合でも相続登記は不可欠です。相続登記に期限はありませんが、トラブル回避のために、家を引き継ぐことになったら速やかに相続登記まで行いましょう。

家の相続について、分割方法、相続税、相続登記などのご相談が必要な場合には、税理士、司法書士といった専門家にお早めにご相談ください。

直ぐに必要ない家でも、トラブルが生じる可能性もありますので、空き家のまま放置してしまうようなことは避け、然るべき手続きを速やかにされることをお勧めいたします。

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