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遺産分割協議書に割印を押してトラブル回避!割印を押す理由と押し方


「相続をどうするか、相続人全員で話し合って同意した内容をまとめ、遺産分割協議書を作成した。相続人が各々1通ずつ保管することになったが、割印を押す必要があるのではないかと思った。遺産分割協議書の割印はどのように押せばよいのだろうか?」

遺産分割協議書は、相続の手続きをする際に提出が求められ、対外的に相続財産を引き継ぐ相続人を証明する書類となります。割印をきちんと押すことで書面の信頼性を高める意味があります。

相続の重要書類となる遺産分割協議書の割印は、実印で押します。また、2枚以上の書面を1つの連続した書面と証するための契印や、訂正印として利用できる捨印を押す場合もあります。実印を押印する箇所が多いと安易に押すことはできないと不安に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、遺産分割協議書の割印の押し方などをイラストで示しながら、分かりやすく説明していますので、押印に失敗して作成からやり直しになることがないよう、参考にしていただければと思います。

1.【イラスト付】遺産分割協議書を2通以上作成するとき「割印」が必要

遺産分割協議書は、相続人の数に応じ、複数作成されることが多い書面です。内容が同じものを複製し、相続人ごとに所持して保管することで、後々のトラブルを防ぐことになります。作成された遺産分割協議書がすべて同じ内容であることを証明するために押すのが「割印」です。

遺産分割協議書を1通ずつ、ずらして重ね、相続人全員がすべての書面にまたがるように押印します。遺産分割協議書の上部に押印するのが一般的ですが、位置に決まりはありません。

図1:遺産分割協議書を2通以上作成するとき「割印」が必要

2.遺産分割協議書が2ページ以上のときは「契印」が必要

遺産分割協議書の書式に法的な指定はありません。相続財産の種類や、相続人の数が多く、ページの枚数が複数にわたる場合には、ページとページの間に実印で押す「契印」が必要となります。

1枚目と2枚目がつながっている文書であること、途中の文書を抜き差して改ざんなどしていないということを証明するものになります。契印のことを割印といって、同じように扱っている場合が多いですが、正しくは「契印」といいます。

2-1.ページが少ないときの押し方と押す位置

遺産分割協議書のページ数が2~3枚であれば、まずはホチキスで綴じます。次にページを開いて、左右両ページにまたがるように、実印で契印を押します。相続人全員がすべてのページのつなぎ目に、実印で契印を押すことが正しい押し方です。

図2:ページのつなぎ目を左右またがるように「契印」を押印

2-2.ページが多いときの押し方と押す位置

遺産分割協議書のページ数が多い場合、すべてのページの見開きに契印を押していくのは大変です。紙の厚みで印鑑が押しにくいこともあり、製本テープを使用して「袋とじ」にして1冊に製本する方法をお勧めいたします。

遺産分割協議書の紙面と製本テープにまたがるように表表紙と裏表紙の両方に実印で契印を押します。このようにすれば、各ページのつなぎ目に契印を押す必要はありません。

図3:製本テープと紙面にまたがるように「契印」を押印

契印を押した遺産分割協議書を複数部作成するときは、正式には割印も必要ということになります。

図4:割印と契印を両方押す場合

3.遺産分割協議書に割印・契印を押すときの3つのポイント

遺産分割協議書に割印や契印を押すときの印鑑は、必ず実印で、相続人全員の押印が必要です。割印や契印を押し忘れてしまった場合、遺産分割協議書は無効となり、相続の手続きができなくなってしまうのでしょうか。押印がうまくいかなかった場合はどのように訂正すればよいのでしょうか。確認していきましょう。

3-1.相続人全員の実印で押印・印鑑証明書を添付

遺産分割協議書には、内容に同意したことを証明する自署と実印の押印が必要となります。割印や契印を含め、すべて実印で押印されていなければ、法的な効力はなく、無効となる可能性があります。押印している印鑑が実印であることを証明するために、印鑑登録証明書を必ず添付します。

実印の登録をしていない相続人の方がいらっしゃった場合は、その方の住所地を管轄する役所において、ご本人に印鑑登録手続きをおこなっていただく必要があります。なお、印鑑登録は15歳以上の方でなければできません。未成年の方が相続人であれば、特別代理人を選任する必要があります。また、相続人に海外居住者の方がいらっしゃった場合は、印鑑登録証明書に変わる「署名証明」や「拇印証明」が必要となります。

※印鑑登録証明書について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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※特別代理人について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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図5:割印や契印は実印で押印し印鑑登録証明書を必ず添付する

3-2.割印・契印がなくても無効になるわけではない

割印や契印がないという理由で遺産分割協議書が無効になることはありません。

不動産の名義変更(相続登記)なども受け付けてもらうことは可能です。しかし、割印を押すことで、相続人全員が遺産分割協議書に同意していること、契印を押すことで遺産分割協議書が改ざんなどされていないことを証明しており、対外的な信頼性が高まります。、相続人間のトラブルや、相続手続きが滞るリスクなどを回避する役目もあります。

3-3.実印の押印に失敗したときの訂正方法

実印を押印したものの、かすれたり滲んだりして印影がはっきりせず、失敗してしまった場合は、誤って押した印鑑から少しずらして重ねて押印(訂正印)し、その隣に、新たに正確な実印を押し直します。

失敗した印影を二重線などで訂正してはいけません。押し直した実印にさらに二重線を引かれて偽の印鑑を押されてしまう恐れがあるからです。実印は平らなところで、捺印マットを使用して丁寧に押しましょう。

図6:実印の押印に失敗したときの訂正方法

4.遺産分割協議書には「捨印」を押しておくと便利

遺産分割協議書が完成した後に、内容の誤りや、誤字脱字などが見つかった場合、遺産分割協議書を初めから作り直し、再度相続人全員で実印を押印するのでは、あまりにも時間と手間がかかります。

相続人全員に「訂正印」を押してもらうと、修正することが可能となりますが、訂正印を押すためだけに大切な遺産分割協議書を郵送で回せば、紛失させる恐れがあります。また、もう一度相続人全員に集まってもらうことも容易にできることではない場合があります。

訂正印の代わりになる方法としては、遺産分割協議書を作成する段階で、あらかじめ相続人全員から「捨印」を押してもらうことです。紛失するリスクはなく、手続きが滞ることもありません。

しかし、捨印を押すときには注意が必要です。捨印は小さな間違いを訂正するというイメージをお持ちかもしれませんが、訂正できる範囲に制限はありません。金額や分割内容まで訂正されるリスクがありますので、状況に応じて慎重に押印するようにしてください。捨印は文書の枠外のすべてのページに押印します。

図7:捨印は文書の欄外に押す

 

※遺産分割協議書の作成方法について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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5.まとめ

遺産分割協議書を相続人の人数分、複数作成する場合は「割印」が必要です。作成された遺産分割協議書がすべて同じ内容であることを証明します。

遺産分割協議書が複数ページにわたるときは「契印」が必要です。2ページ以上の書類がひとつの文書であることを証明します。

割印や契印を押すときには「実印」を用い、印鑑登録証明書を添付します。「捨印」は、遺産分割協議書の完成後に、誤字脱字などが見つかり、訂正したい場合にとても便利ですが、リスクがありますので状況に応じ、判断された方がよいでしょう。

遺産分割協議書は、特に対外的な相続手続きをおこなうために必要なものです。相続人全員が割印や契印を正しく押印することで、信頼性が高まり、手続きが滞ることなくスムーズに進みます。遺産分割協議書に関するご不明点は、相続の経験豊富な専門家にご相談されることをお勧めいたします。

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