SO0060
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

離婚後の相続で知っておきたい財産をもらうための5つのこと

「離婚の話し合いをするときには考えていなかったけど、離婚した元夫が亡くなった時に子どもたちは元夫の財産をもらえるのだろうか」

離婚が成立してしばらく経ってから気づくのが相続財産をもらえるかどうか。ではないでしょうか。離婚をする際に財産分与で揉めてしまうことケースも珍しくありませんが、しばらくぶりに元ご主人に連絡して相続の時の財産分与の話を持ち出したらケンカになってしまうことも想像できます。

ご自身は離婚して他人になったので相続の際に関係ないことは何となく想像できますが、離婚した元ご主人との間のお子さんにとっては、一生父親であることに変わりはありません。

また、財産をもらって贅沢をしたい。という考えでは無く、例えば養育費を払ってくれていた元ご主人が突然亡くなってしまい、養育費をもらうことができなくなってしまったら、その後の生活がとても不安になるようなケースも考えられます。

離婚してもお子さんがいれば、縁はなかなか切れないものです。
一方で、ご自身にも元ご主人にも新しい家族ができるケースもありますが、そんな中でも円満に進めていける離婚後の相続の考え方をご紹介します。
ご自身のケースにあてはめながら読み進めていただければと思います。

1:離婚後に相続が発生したイメージ
SO0060_01

1.離婚した夫婦はお互いに相続する権利がない

戸籍上の婚姻関係になっている場合(内縁関係はダメ)、ご夫婦は互いに相続する権利があります。よって、離婚してしまうとお互いに相続する権利がなくなります。婚姻関係であった時期にどんなに相手に尽くしていたとしても、どんな理由で離婚したとしても、戸籍上の婚姻関係がなくなってしまった相手の財産を相続する権利はありません。

婚姻期間中に共に築き上げてきた夫婦の財産であれば、しっかりと話し合いをおこない離婚する際に分配する必要があります。元々他人だった二人が結婚して家族になるわけですから、離婚したら他人に戻って離婚後は相続の対象にならないことは、何となく想像がつきますよね。

2.離婚してもお子さんは元ご主人の財産を相続できる

離婚したご夫婦はお互いに相続する権利はなくなりますが、離婚したご夫婦の間にお子さんがいる場合、お子さんは元ご主人の財産を相続することができます。離婚した元ご主人とご自身が一切連絡をとっていなくても、関係性が悪くなっていたとしても、お子さんが元ご主人の財産を相続できる権利は変わりません。

それでは、離婚後の様々なケースを想定しながら確認してみましょう。

2-1.お子さんは離婚しても元ご主人の財産を平等に相続できる

お子さんには自分のご両親の戸籍上の関係に関わらず、双方の財産を相続する権利があります。これは元ご主人が再婚してもお子さんとしての権利は変わることなく、平等な相続ができます。

離婚後に元ご主人の財産を平等にもらえる例を2つあげます。

(1)元ご主人が再婚して、再婚相手がいる場合

相続人:
・元ご主人の再婚相手
・ご自身のお子さん(元ご主人は親権なし)
相続財産の割合:
  元ご主人の再婚相手 1/2
  ご自身のお子さん  1/2

図2:元ご主人の再婚相手とご自身のお子さんが相続するイメージ
SO0060_02(2)元ご主人が再婚して、再婚相手と再婚相手とのお子さんがいる場合

相続人:
・元ご主人の再婚相手(後妻)
・再婚相手とのお子さん(元ご主人は親権あり)
・ご自身のお子さん(元ご主人は親権なし)
相続財産の割合:
  元ご主人の再婚相手  1/2
  再婚相手とのお子さん 1/4
  ご自身のお子さん   1/4

図3:元ご主人の再婚相手とそのお子さん、ご自身のお子さんが相続するイメージ
SO0060_03

元ご主人と再婚相手(後妻)との間に新たにお子さまが生まれていても相続する権利は平等です。相続できる割合を「法定相続分」といい、図4のようなルールがあります。

図4:法定相続分の割合
SO0060_04

法定相続分の割合についてはこちら → 多様な家族も大丈夫!図解でわかる法定相続分の割合と計算【完全版】

2-2.離婚時に妊娠中だったお子さん(胎児)も財産は平等にもらえる

離婚時に、元ご主人のお子さんを妊娠中(胎児)だった場合も、そのお子さんには財産を相続できる権利があります。生まれてきたお子さんが元ご主人との子どもであることが証明されれば、お子さんから見て両親の婚姻関係は関係なく財産を相続することができます。

図5:お子さん(胎児は)として相続する権利があるイメージ
SO0060_05 2-3.ご自身が再婚してもお子さんは元ご主人の財産を相続できる

ご自身が再婚したとしても、お子さんは離婚した元ご主人の財産を相続できます。これは、お子さんが再婚したご主人と養子縁組をしている場合でも相続できる権利は変わりません。このように、再婚して再婚したご主人と養子縁組をすると、お子さんが相続できる権利は、元ご主人と再婚したご主人の双方にあることになります。

図6:ご自身が再婚してもお子さんが元ご主人の財産を相続できるイメージ
SO0060_06

2-4.お子さんが成人し結婚していても権利は変わらない

お子さんが将来結婚されて、今までの戸籍ではない新しい戸籍を形成されたとしても、相続する権利は変わりません。また、お子さんがご結婚相手のご両親と養子縁組(婿養子)されたような場合でも、元ご主人の財産を相続する権利は続きます。元ご主人が、お子さんにとって実の父親であることは変わりはありません。

図7:お子さんが婿養子としてご結婚された場合御の相続イメージ
SO0060_07

2-5.お子さんが亡くなられた場合はお孫さんが相続人となる

相続の権利があるお子さんが万が一先に亡くなられた場合、お孫さんがいらっしゃる場合には相続する権利をお孫さんに引き継ぎます。これを代襲(だいしゅう)相続といいます。お孫様がおらず、元ご主人のご両親がご存命の場合は、相続権がご両親に移ります。

図8:お子さんが亡くなられた場合はそのお孫さんが相続人となるイメージ

<参考>
相続には相続人を決める順番があり、その優先順位は法律で決まっています。

奥さまは必ず相続人となり、相続順位1位から3位までのうち優先順位が高い方がいた場合には、その方が相続人となります。離婚をした際に確認しておきたいのは、元ご主人の財産を相続できる対象範囲です。

・第1順位:お子さん・お孫さん
 ※お子さんがご健在であればお子さん
 ※お子さんが亡くなられた場合は、そのお子さん(お孫さん)

図9:相続できる順番(優先順位)のイメージ
SO0060_09

相続の順番(優先順位)についてはこちら → 遺産相続の順位が図解で簡単に分かる5つの法則【完全版】

3.相続対策として元ご主人が遺言を書いていた場合の対処法

元ご主人が相続対策として、離婚した元妻であるご自身との間に生まれたお子さんではなく、他の家族(元ご主人のご両親・再婚相手・再婚相手とのお子さん)に財産を相続させる遺言を作成する場合があります。

元ご主人とご自身との間に生まれたお子さんには平等に相続する権利はあるものの、遺言は亡くなられた方の意思であり尊重することが大切になります。一方で、相続人の最低限の権利を守るため「遺留分」という考え方があります。相続する権利のあるお子さんにとって不利だと思われる遺言が作成されていた場合には、遺留分の侵害が無いか確認しましょう。

3-1.まずはお子さんの遺留分を確認する

最初に元ご主人の相続に関わる事実関係を把握します。相続の対象となる法定相続人が何名いて、ご自身のお子様の法定相続分はどのくらいなのか確認しましょう。遺留分は「法定相続分の2分の1までが限度」となります。

図10:法定相続分の割合と遺留分割合の比較

遺留分割合についてはこちら → 遺言があったら要チェック!遺産相続における遺留分の割合と計算方法

次の例を確認しましょう。

【事例】
相続の対象となる財産:3,000万円
法定相続人:再婚した妻(後妻)
      元ご主人とご自身の間のお子さん
      元ご主人と再婚した妻との間のお子さん
遺言書:再婚した妻とその子どもに、財産をすべて相続させる

上記の場合、
元ご主人とご自身との間に生まれたお子さんは遺言により相続することができません。
しかし、先に説明したとおり遺言が無い場合、お子さんは本来4分の1の財産を相続できました。
よって、遺留分の権利が8分の1あるため、8分の1に該当する375万円の相続を請求することができます。

図11:事例の解説図
SO0060_11

3-2.元ご主人の相続人に「遺留分減殺請求」をする

遺言により、お子様の相続分が遺留分を下回っていた場合、侵害している相手に対し「侵害された相続分に関し、遺留分減殺請求権を主張します」とできるだけ早く意思表示することが重要となります。相手方に「遺留分減殺請求をする意思」を伝えればよいとされ、特に法律で定められた書式や方法はありません。

3-2-1.遺留分の請求の仕方と注意点

法律で手続きの詳細が決められていないため、確実に意思を示したという証拠を残すことが大切です。遺留分について主張する内容を書面にして、配達証明付の内容証明郵便で送付することが最適です。遺留分請求をする方が未成年の場合は、法定代理人(親であるご自身)が代わりに行使することになります。

図12:遺留分減殺請求書の書き方の例
SO0060_12

もし、遺留分相殺請求をしても相手方がその意思に応じない場合は、家庭裁判所に調停の申し立てを行い、裁判官を交えて話し合いをすることになります。それでも結論がでない場合は裁判をすることになります。スムーズに進まない場合には、相手方との交渉が専門的な内容になりますので、早めに弁護士にご相談されることをオススメします。

3-2-2.遺留分の請求は期限内に

遺留分減殺請求権には、請求できる2つの期限が定まっています。期限内におこなわないと権利が無くなりますので、十分に注意しましょう。

1つ目の期限は、ご自身のお子さんの相続分が侵害されていると知ってから1年です。
2つ目の期限は、元ご主人が亡くなられた事実を知らずに10年が経過した時点です。

いずれにしても、離婚後に元ご主人と全く連絡が取れない状況の場合、亡くなられたことを知る余地もありません。いろいろな事情があって離婚されたことかと思いますが、相続時にお子さんの財産の権利を行使したい場合には、継続的に連絡手段を残しておきましょう。

4.離婚した元ご主人の遺族年金を受け取れる場合がある

離婚して養育費を支払っていた元ご主人が突然亡くなられて、養育費がもらえない状況になってしまった場合、財産を相続する以外に元ご主人の「遺族厚生年金をお子さんが受け取れる」場合があります。受け取れる期間は、お子さんが18歳になった年の3月31日までと定められています。

ただし、注意点が2つあります。
1つめは、元ご主人が再婚し再婚相手との間にお子様がいた場合は受け取ることはできません。
2つめは、遺族厚生年金は請求をしなければ支給されることはありません。必ず手続きが必要です。

実際に請求される場合には、細かな要件を確認したり、書類を作成したりする必要がありますので、社会保険労務士などの専門家に一度ご相談されることをオススメします。

5.再婚したらお子さん(連れ子)を養子縁組しないと相続できない

ご自身が離婚された後、元ご主人との相続ばかり気にしていると思わぬ落とし穴にはまることがあります。ご自身がお子さんを連れて再婚された場合、再婚したご主人との相続における権利関係についてもきちんと確認しておきましょう。

5-1.ご自身は自動的に再婚したご主人様の相続人になる

新たなご主人との家庭を築く場合、婚姻届を提出して戸籍上の婚姻関係になるかどうかとても大切な分かれ目になります。内縁関係では相続の権利がありません。婚姻して配偶者となれば特に意識することなく自動的に新たなご主人の相続権が発生します。この点に注意をしましょう。

5-2.お子様は養子縁組をしない限り、再婚相手の相続権がない

ご自身は婚姻関係になると自動的に相続権が発生しますが、気をつけるべきは元ご主人とのお子さんを連れ子として再婚する場合です。勘違いされている方が多いケースですが、再婚して元ご主人とのお子さんを同じ戸籍に入れて家族としますが、これだけでは新たなご主人との親子関係は自動で成立しません。つまり、このままだと家族であるにもかかわらず、新たなご主人が亡くなると相続権が無く、ご自身が亡くなった場合に相続権があるという偏った状況になるのです。(再婚してもお子さんは、元ご主人の相続権が維持されます)

連れ子の場合、新たなご主人との親子関係を成立させ、相続権を得るには別途「養子縁組届」を提出する必要があります。養子縁組に関する手続きは難しいことではありません。婚姻届を役所に提出し、夫婦関係が成立した後に、再婚相手様とお子様の養子縁組届を住所地を管轄する役所に提出します。養子縁組届の記入欄には 婚姻届と同じく、証人2名の署名欄がありますので、予め証人を決めておく必用があります。

また、再婚を決意する際には、再婚相手にお子さんとの養子縁組をしていただくこともきちんと了承を得ておくことが後のトラブルを防ぎます。

「養子縁組届」は、役所の窓口に直接行って入手できます。役所によっては、ホームページよりダウンロードできますので確認されることをお勧めします。

図13:養子縁組届書式 ※全国共通書式より引用
SO0060_13

6.さいごに

離婚が成立すれば、当人同士の関係性はなくなりますが、お子さんにとって親御さんであるという事実は一生なくなりません。互いに再出発を果たし、新たな人生を歩んでいたとしても、万が一相続が発生してしまったら、お子さんは思わぬ相続問題に巻き込まれてしまうかもしれません。

また、継続的に相手の状況を知る手段を残しておかなければ、亡くなられた事実を知ることもできません。

お子さんが将来的に元ご主人の財産を相続したり、新たなご主人の財産を相続することができるか、これはご自身が権利関係や連絡手段を整備してきたかどうかでとても大切になります。将来そんなはずじゃなかった。と苦労しないためにも、相続に伴う権利関係の認識をしっかりと合わせておき、どのように対応していくか、お子様に伝えるご準備をしておいていただければと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
相続対策・相続税申告で損をしたくない方へ

相続税の納税額は、その申告書を作成する税理士により、大きな差が生じます。
あなたが相続対策や相続税の申告をお考えであれば、ぜひ当税理士法人にご相談ください。
絶対に損をさせないことをお約束します。

OAG税理士法人が選ばれる4つのポイント
選ばれる4つのポイント
  • 相続税の申告件数 年間850件以上の実績
  • 創業30年の実力と安心感
  • 多くの専門書執筆が示す「ノウハウ」
  • 相続に関わる士業とのワンストップ連携
OAG税理士法人に依頼する3つのメリット
  • 考え方に幅のある「財産評価」を知識とノウハウで適切な評価をする
  • 遺産分割を次の相続(二次相続)も視野に入れ、税額軽減の創意工夫をする
  • 専門用語を使わないお客様目線の対応
【お電話でのお問い合わせ・ご相談はこちら】

初回のみ無料面談を実施していますので、まずお気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問い合わせください
【スマートフォン、パソコンからのお問い合わせ・ご相談はこちら】

SNSで最新情報をチェック

コメントを残す

相続手続きでお困りの方へ