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弔慰金をもらった時の相続税の取扱いは様々!解決できる判断基準とは

旦那さまが在職中に亡くなられて葬儀等がひと段落したところで、旦那さまが勤めていらっしゃった会社の人事から手続きの説明を受けられた頃かと思います。

人事の方から「死亡退職金と弔慰金の手続きをしたい」と話をされて、そもそも何が違うのか、税金はどうしたら良いのかとお困りのことと思います。

弔慰金は香典と比べると高額となる傾向があり、相続税等が気になるところです。弔慰金を受け取ったらまず何をすればよいのかなど、本記事では弔慰金の相続税における取り扱いをご説明していきます。

1.弔慰金が相続税の対象かどうかは金額と会社の考え方で決まる

弔慰金と言っても相場もなく、考え方も会社によって異なるため、実はとても取り扱いが難しいものになります。
一般的に弔慰金とは、亡くなられた方が勤めていた会社から亡くなられた方を弔い、ご家族に対して慰めの気持ちを表わすために、また亡くなられた後の生活の支えとなるようにおくられるお見舞金のことです。企業によっては、福利厚生として社員が亡くなられたときだけでなく、ご家族が亡くなられたときにも支給されることがあります。
一般的には、宗教的な意味合いはありません。

在職中に亡くなられた場合には、会社の人事の方や上司の方から退職の手続きや退職金、弔慰金等について詳しくお話をしていただけることと思います。

図1:在職中に亡くなられた場合には人事の方がご説明してくれます

1-1.弔意金を受け取ったら会社の人事に規定を確認するとよい

弔慰金の取り扱いは会社ごとに違うことから、会社の人事の方からご説明をいただく際に
「退職金が○○○○万円で、弔慰金が○○○円となりますので、後日口座に振り込みをします」
とだけ説明を受けると、その後の手続きや税金についてどうしたら良いのか困ってしまいます。

まずは会社の人事の方に弔慰金の取り扱いについて確認しましょう。福利厚生の一環として規定されているのか、死亡退職金の代わりとして規定されているかなど、会社のルールが各社バラバラですが規定には明確にされているかと思いますので、退職給与規定、弔慰金規定などを教えてもらいましょう。

ただし、弔慰金は任意の制度ですので、すべての会社が対象となるわけではありません。

図2:弔慰金規定等の会社の規則を確認する

1-2.弔慰金は業務内か業務外かで金額が大きく異なることが多い

弔慰金はすでにご説明したとおり一般的には会社からの退職金以外のお見舞金として考えられることが多いですが、業務上の理由で亡くなられた場合と、業務外で亡くなられた場合では支給金額が異なりますし、相続税の非課税枠も異なります。一般的には相続税が発生しない範囲での支給が良いとされていますが、代表者や役員の方の場合には高額なるケースもありますので、立場はどうであれ確認が必要となります。
業務上の理由にはもちろん通勤災害にも含みますので、通勤中の事故の場合には業務中として取り扱われます。

1-3.弔慰金は原則として相続税がかからない

弔慰金は亡くなられた方に支払われるものではなく、亡くなられた方のご家族に支払われます。つまり、亡くなられた方から受け継ぐ財産ではないことから、原則として相続税の対象とはなりません。

しかし、死亡退職金は相続税の対象であることから、名目を変えて受領し、税金の支払いから逃れようとすることを防ぐため、決められた金額以上の弔慰金を支払った場合には、相続税の課税対象財産として扱われます。
詳しくは2章でご説明します。

2.弔慰金の金額が非課税枠を超えると相続税の課税対象になる

会社経営者など一部の方には、社会通念上の金額を超えた高額な弔慰金が支給されることがあります。また1-3でご説明したとおり、税金を逃れるために名目を変えている可能性もありますので、弔慰金として認められる金額の範囲が決まっています。一定額を超える部分については、死亡退職金として相続税の課税対象として考えます。

また、亡くなられた原因が業務上か業務外かで、弔慰金の非課税枠の上限が異なります。

※死亡退職金について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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図3:死亡退職金はみなし相続財産

2-1.弔慰金の非課税額は業務内か業務外かで決まる

弔慰金の非課税枠は業務上の理由で亡くなられた場合と、業務外で亡くなられた場合では異なります。
(1)業務上の場合:月給×36ヶ月
(2)業務外の場合:月給×6ヶ月

旦那さまの会社では、この非課税枠の中で弔慰金の額が設定されており非課税になると思われますが、もしこちらを超えている場合には、忘れずに相続財産として組み入れましょう。

2-2.業務上の理由で亡くなられた場合の考え方と計算例

業務上の理由で亡くなられた場合は、亡くなられた時点の普通給与の3年分に相当する額が弔慰金に相当する金額とされているため、その金額を超える部分は死亡退職金として相続税の課税対象となります。普通給与とは、基本給に加えて、扶養手当や勤務地手当、資格手当などの諸手当を含んだ合計金額のことで、賞与は含みません。
ただし、複数の会社から給与をもらっている場合には、各社から弔慰金が支払われる可能性もあります。この場合には各社ごとに非課税枠の範囲内かどうか確認をします。

図4:業務上の死亡の場合の弔慰金の非課税枠

【事例1】

亡くなられた理由:業務上の事故
普通給与:30万円/月
弔慰金:400万円

(非課税枠) 30万円 × 36ヵ月 =1,080 万円
(課税対象) 400万円 - 1,080万円 <0万円

普通給与の3年分に当たる1,080万円が弔慰金として非課税になります。この例では超過部分がありませんので、相続税はかかりません。

2-3.業務外に亡くなられた場合の考え方と計算例

業務外の理由で亡くなられた場合は、亡くなられた時点の普通給与の6ヶ月分に相当する額が弔慰金に相当する金額とされているため、その金額を超える部分は死亡退職金として相続税の課税対象となります。

図5:業務外の死亡の場合の弔慰金の非課税枠

【事例2】

亡くなられた理由:業務外で病気による
普通給与:30万円/月
弔慰金:100万円

(非課税枠) 30万円 × 6ヵ月 = 180万円
(課税対象) 100万円 - 180万円 <0万円

普通給与の半年分に当たる180万円が弔慰金として非課税になります。この例では超過部分がありませんので、相続税はかかりません。

3.弔慰金が実質退職金と認められて相続税がかかるケース

2章のケースでは、業務上の理由で亡くなられた場合の事例1では1,080万円以上、業務外で亡くなられた場合には180万円以上の弔慰金が支払われた場合には、実質退職金として取り扱います。特に企業のオーナーや経営者、役員の場合には弔慰金の非課税枠を超えるケースも珍しくありません。

【事例1の弔慰金が多い場合】

亡くなられた理由:業務上の事故
普通給与:30万円/月
弔慰金:2,000万円

(非課税枠) 30万円 × 36ヵ月 =1,080 万円
(課税対象) 2,000万円 - 1,080万円 > 0万円

この場合には、920万円が死亡退職金扱いとなりますので、相続税の課税対象として考えます。

4.弔慰金と死亡退職金を両方受け取った場合の相続税の計算例

弔慰金と死亡退職金を両方支給する会社も珍しくありません。両方受け取った場合、または会社の制度上は弔慰金しか無いが非課税枠を超える場合の相続税の課税対象となる金額の確認方法です。

先にご説明しましたが死亡退職金は亡くなられた方がもらう財産であることからみなし相続財産となります。この死亡退職金には別途非課税枠があり「法定相続人の数×500万円」が非課税となります。この金額を超えた場合には相続税の課税対象となります。

図6:死亡退職金の非課税枠

【弔慰金と死亡退職金を両方受け取ったときの相続税の計算手順】
① 弔慰金の非課税枠を求める(1-2参照)、
② 弔慰金の非課税枠を超えた分は死亡退職金に加える
③ 死亡退職金の非課税枠を求める
④ ②が死亡退職金の非課税枠を超えた場合は相続税の課税対象とする

具体的な事例をみてきましょう。

【事例3】

亡くなられた理由:業務上
普通給与:30万円
弔慰金:2,000万円
死亡退職金:1,600万円
法定相続人:配偶者(妻)と子2人の計3人

※弔慰金の取り扱い
(非課税枠) 30万円 × 36ヵ月 = 1,080万円
(課税対象) 2,000万円 - 1,080万円 = 920万円

普通給与の3年分が非課税枠となり、超過した弔慰金は死亡退職金となるため

※死亡退職金の取り扱い
(死亡退職金の額) 1,600万 + 920万 = 2,520万円
(死亡退職金の非課税枠) 500万 × 3 = 1,500万円
(課税対象) 2,520万 - 1,500万 = 1,020万円

相続財産に1,020万円を追加して、相続税の申告対象かどうか判断をしていきます。

※相続税の課税対象の判断について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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5.さいごに

弔慰金で最も難しいことは、法的にも会社の制度的にも明確なものがないことだとお分かりいただけたと思います。
業務上の理由で亡くなれた場合と、業務外の理由で亡くなられた場合では大きく異なりますが、いずれにしても課税の対象となるかどうかは、金額での判定となります。

また、「弔慰金」という名目で受け取ったお金も、実質は死亡退職金として考える必要がある場合があります。この場合には、別途死亡退職金としてもらった金額に追加して考えていきます。結果として、相続の課税対象となる可能性も高くなります。

さいごに、非課税枠を超える弔慰金をもらったにも関わらず相続税の課税される対象の財産としていない場合には、相続税の申告忘れや、相続税の過少申告につながるため、ペナルティにつながる可能性があります。

※相続税の延滞税について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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弔慰金を受け取った場合は、会社の人事の方にまずは確認して、そのあとに相続を専門とする税理士に相談することをおススメめします。

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