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婿養子と婿は相続権が全然違う!養子縁組の必要性と得られる相続権

長女が結婚するときに旦那さんにお願いをしてお婿さんになってもらって以来、長女の夫婦と同居または近所に住んでずっとサポートをしてもらっているなど、長女もお婿さんも近い存在のことかと思います。

ご自身たちが歳を取り、そろそろ相続のことが気になったときにお婿さんには相続の権利があるかどうか不安になられていると思います。お婿さんとしてこちら側の姓を名乗ってもらっているし、普段から良くしてもらっているので、ぜひ私たちの財産を相続してほしい、と考えられていると思います。

一般的にお婿さんというと、奥さんの姓を名乗っているイメージを持ちますが単に姓を名乗っているだけのお婿さんと、法的に養子縁組をしたお婿さん、いわゆる婿養子さんとでは全然立場が違います。
特に相続においては、お婿さんと婿養子さんでは大きな違いが生じてきますので注意が必要です。

大切な財産を揉めることなく引き継いでもらうためには、婿養子に関する正しい知識と早めの対策が必要です。本記事では、婿養子さんの相続に関わるメリット・デメリットや、婿養子をする際のポイントについてまとめていますので、ぜひご確認ください。

※養子縁組と相続について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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1.お婿さんは養子縁組することで相続権が得られる

お婿さんに相続してもらうためには、義理の父親にあたるご自身と養子縁組をしてもらう必要があります。養子縁組は互いの了承と配偶者である娘さんの承諾があればおこなうことが可能で、養子縁組が完了すると法律上の親子関係が成立します。これによって、お婿さんは義理のお父さまであるご自身の相続権を得られます。相続できる割合も長男や長女といった実子と同じ割合となります。

養子縁組の手続きは、図1のような「養子縁組届」を戸籍謄本などの必要書類とともに役所へ提出すれば完了します。手数料はかかりません。

図1:養子縁組届のイメージ

 

2:養子縁組をすれば婿養子として相続できる

2.妻の姓に変えただけでは相続はできない

戸籍上登録されており妻の姓を名乗っていたとしても、お婿さんには義理のお父さまの相続権がありません。つまり、一般的な婚姻の届け出をしてお婿さんとなっただけでは、相続の権利はありません。

お婿さんになる場合、将来の跡取りになってほしい、お嫁さん方の家業を引き継いでほしいなど、何かしら相続に関わる意図があることかと思います。将来の相続のことを考えてお婿さんになってもらう場合には、養子縁組の手続きをしなければ本質的な課題が解決しないこともありますので注意が必要です。

姓だけ名乗っていても養子縁組をしていなければ相続する権利がまったくありませんので、特にご注意ください。

表1:婿と婿養子の違い

3.婿養子の相続における4つのメリット

お婿さんが養子縁組をすることで、相続時にはどんなメリットがあるのでしょうか。
養子縁組は、法的な親子関係が成立するため、確実に相続権を持つことができます。養子縁組をしないお婿さんの立場でも遺言を使って遺贈するということもできますが、養子縁組をすることで非課税枠を増やせるなどメリットも多くあります。また、養子縁組をすることで、相続する権利を確実に守ってあげることができます。

3-1.婿養子も実子と同割合で相続ができる

婿養子として認められると、相続に関わる権利は実子と同じになります。よって、相続できる割合も実子と同等になります。さらに、遺留分といって法律で定められた最低限相続できる割合も保証されます。

また、もし相続税がかかる場合に、お婿さんが遺言によって遺贈という形で受けると相続税が2割加算されますが、婿養子となっていれば2割加算の対象外となります。すでにご説明したとおり婿養子の場合は実子と同様の扱いが認められていますので、2割加算されることもなく遺贈するよりも節税効果が高くなります。

※遺贈について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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※遺留分について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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3:婿養子と実子が同じ割合で相続するイメージ

3-2.婿養子は実親の財産も相続できる

婿養子として養子縁組の手続きをする場合、実親との親子関係が戸籍上無くなってしまったり、実親の相続権がなくなってしまわないかと不安になります。
養子縁組をしても実親との親子関係はそのまま継続されますし、実親の財産を相続する権利もそのまま継続されます。よって、婿養子になったことで両方の実子として財産を相続することができるようになります。婿養子になったことで、実親の相続の際に相続割合が減るなどのこともなく、他の兄弟と平等のままです。

図4:養親と実親の財産を両方相続できるイメージ

3-3.婿養子も代襲相続する権利がある

長女のお婿さんと義理の父であるご自身が養子縁組をして婿養子となった場合、ご自身が亡くなられたあとにご自身のお父さま(祖父)が亡くなられた場合にはお子さんたちは代襲相続となります。このような場合にも養子縁組をしていれば実子と同様の扱いですので、相続する権利を持ちます。

図5:婿養子が代襲相続するイメージ

※代襲相続について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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3-4.相続税の非課税枠が増える

相続税の対象となる場合、養子縁組をした方がいると相続税の基礎控除が増えたり、生命保険金・死亡退職金の非課税枠が増えたりします。
相続財産の総額が基礎控除以下であれば相続税の申告と納税が不要となりますし、生命保険・死亡退職金も非課税枠以下の金額は相続税の対象外となります。

具体的にはお一人が婿養子になったことで
 ・基礎控除 +600万円
 ・生命保険金の非課税枠 +500万円
 ・死亡退職金の非課税枠 +500万円
となります。
この3つだけで1,600万円の財産が非課税となるため、効果は大きくなります。

詳しくは5-5でご説明します。

4.婿養子の相続における4つのデメリット

お婿さんと養子縁組をして婿養子にするということは、メリットばかりではありません。お子さんが長男と長女のお二人の場合、長女の旦那様を婿養子にすると長男の相続割合が減ることになります。このような場合、のちにトラブルになったり兄弟仲が悪くなったりと、予期しないことが起こる可能性がありますので、次の4つのデメリットを確認したのちに話し合いをしながら進めていきましょう。

4-1.相続で実子とのトラブルになる可能性がある

婿養子にするするということは相続する人数が増えるということです。婿養子は実子と同等の権利と割合で相続できるため、ほかに実子にあたる方がいらっしゃった場合には、その方にとっては到底受け入れ難い事実となる可能性があります。相続できるはずの財産が減ってしまうことは大問題と思うケースも多いことから、何かしらのトラブルに発展してしまうケースも珍しくありません。

図6:実子の相続する割合が減るのでトラブルになる可能性があるイメージ

4-2.相続するとは負の財産も引継ぐこと

相続財産には負の財産、つまり借金を含むマイナスの財産が含まれる場合があります。借金があった場合には、その借金も含め相続する対象となります。婿養子も実子と同じように相続する権利を持ちますので、「相続できない」と判断すれば相続放棄の手続きをする必要があります。相続放棄が認められれば、初めから相続人ではなかったものとみなされます。
通常であればお父さまの借金に対してお子さんである長女だけが相続放棄をすれば良いものですが、婿養子となった場合には夫婦そろっての相続放棄の手続きが必要となります。

※相続放棄について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

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4-3.養親と実親の扶養義務が生ずる

法律では「子は親を扶養する義務がある」と定められています。この扶養する義務とは、生活保持のために可能な限り、経済的な余裕があれば支援するという意味です。婿養子になると養親とも法律上の親子関係が成立しているため、実親に加えて養親に対してもこの義務が生ずることになります。

お婿さんが全く扶養しないということではなく、扶養の義務を課されることが良いかどうかということです。権利として発生するため、念のためご家族で問題が無いか確認されることをおススメします。

4-4.離婚や死別しても養子縁組が自動的に解消されない

養子縁組をして婿養子になったあと、万が一、長女と離婚をしたり、長女が亡くなられてしまった際にも、婿養子と養親の親子関係は自動的には解消されることがありません。養子としての権利がずっと継続していきますので、手続きを取らなければ、扶養義務もずっと継続しますが、相続の権利も継続します。

養子縁組を解消する場合には、養親と婿養子の方の双方同意のもと、手続きを進める必要があります。

5.婿養子にしようと考えたら確認したい4つのポイント

すでに養子縁組についていろいろな知識をお持ちの場合には不要ではありますが、知識として知っておいていただきたい4のポイントをご説明します。
ぜひ、養子縁組をする前にご確認ください。

5-1.養子縁組はいつでもできる

お婿さんとの養子縁組する時期は、特に定められていません。
結婚する長女と婚姻するタイミングでしか手続きができないとか、婚姻何年以上などのルールもありませんので、長女が結婚してお婿さんとなった場合でも、婿養子の手続きはじっくりと考えたり、話し合いをしたあとで構いません。

5-2.養子縁組は解消できる

養子縁組をして婿養子にしてみたものの、そのあと不仲となって同居を解消したなど状況が変わることもあります。婿養子の場合には養子縁組をした理由が明確なことが多いため、養子縁組をする必要性がなくなった際には、解消することができます。養子、養親双方が合意した上で、戸籍謄本などの必要書類とともに「養子離縁届」を役所に提出すれば養子縁組は解消されます。

5-3.相続を考えた養子縁組は何人でも可能

養子にできる人数に制限はありません。
しかし、ご自身のお子さんである実子の方がいる場合には、4-1でご説明したとおりお子さんの相続できる割合が養子の人数に応じて減少してしまうため、十分な配慮が必要となります。
将来、相続人同士が揉めてしまうことがないよう、養子縁組をご検討される場合は慎重にご判断頂ければと思います。

5-4.相続税対策の場合は上限がある

3-4でご説明したとおり、養子縁組をすることで相続税の非課税枠が増えます。また5-3でご説明したとおり、養子の人数に制限はありません。
これだけのルールで、相続税の非課税枠を増やすために養子縁組が何人でもできてしまうと、相続税対策として悪用され、むやみに養子を増やすことが想定されます。

そこで、相続税の申告が必要な場合には、相続税を計算する上での法定相続人の人数に含められる養子の人数には制限があります。婿養子だけを考えた場合には、この内容は関係ないこともありますが、お子さんが娘さん3人で全員にお婿さんになってもらった場合などには必要な考え方となります。

法定相続人として含められる養子の人数は次のとおりです。
・実子がいる場合:1名
・実子がいない場合:2名

また、すでにご説明したとおり、婿養子となった方は実子と同様の相続する権利がありますので、相続税の納税が必要な場合には、実子と同様に相続税の納税を負担することになります。

図7:相続税の計算上は養子の数が制限されるイメージ

6.まとめ

娘さんの姓を名乗っているだけでは、お婿さんには相続する権利がありません。
お婿さんと養子縁組をしている婿養子さんでは、相続においてとても大きな違いがあることをご理解いただけましたでしょうか。

養子縁組の手続き自体はそれほど難しいものではありませんが、養子縁組にもメリットとデメリットがあります。婿養子とするのか遺言で遺贈をするのかなど、どれが本当に良いのかについて検討し、ご家族でも話し合いをして手続きを進めていくことがおススメです。

検討する中で、どうしても引き継いでほしい財産がある、または家業を引き継いでほしいから、というような場合には、お婿さんとの養子縁組を検討されることがおススメです。

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