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戸建てを持っている方必見!あなたも相続税の課税対象者?!

平成25年度税制改正により相続税の非課税枠である基礎控除額が大幅に下げられたのをご存知でしょうか。実は、この改正により相続税の課税対象者は大幅に拡大し、地価の高い地域に戸建てをお持ちの方などは課税対象者となる確率がかなり高くなります。

ここでは、相続税課税対象者となるかどうかの判定や相続税課税対象財産の範囲について書いていきます。ポイントを押さえて分かりやすくお伝えしますので、戸建てをお持ちの方、漠然とした相続税に対する不安をぜひ解消してください。

1.相続税の課税対象者拡大と税率UP

1-1.相続税の基礎控除額が大幅に(△40%)下がりました!

相続税は亡くなった方の相続財産全体が相続税の基礎控除額を超える場合にかかってきます。

図1:相続税の課税対象の考え方
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この基礎控除額が平成25年度税制改正により大幅に下げられました。具体的には改正前の水準に比してマイナス40%となります。相続をする人数に関係なく控除することができる定額控除分については5,000万円⇒3,000万円に縮小し、相続人の数で増えていく比例控除分についても一人当たり1,000万円⇒600万円へ縮小となりました。

表1 基礎控除額の変化 
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※例示の場合、改正前 ⇒ 改正後 △40%になりました。

1-2.相続税の基礎控除が下がったことによる影響の例

例えば、東京23区の平均坪単価は約420万/坪(平成27年)ですから、東京23区内に15坪の土地を持っているだけで約6,300万円の資産があることになります。

※実際には相続税評価額は路線価をもとに計算。時価よりもやや低く評価される。
※15坪×約420万円/坪=約6,300万円

このとき、相続人2人のケースでは、
<改正前>
土地6,300万円 < 基礎控除額7,000万円
基礎控除額以下で、相続税の課税対象外。

<改正後の現在>
土地6,300万円 > 基礎控除額4,200万円
差額の1,100万円(=6,300万円-4,200万円)の相続税が課せられる。

1-3.相続税の最高税率が上がりました!(50%⇒55%へ)

相続税の基礎控除額が引き下げられたのは前述のとおりですが、同時に相続税の最高税率もUPして更に課税が強化されています。下記の表のとおり、最高税率が50%⇒55%となりました。

表2 相続税の税率の改正
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2.相続税のかかる財産

2-1.本来の相続財産とは?

相続税は原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。この場合の財産とは、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋、貸付金、ゴルフ会員権などのほか特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。また、事業を行っていた方であれば事業用設備や売掛金なども相続財産となります。

2-2.みなし相続財産とは?5つのみなし財産を知ろう!

本来の相続財産は故人が死亡した時点で所有していた財産をいいますが、相続税法では次のようなものについても相続財産とみなすと規定しています。例えば、死亡保険金は故人が死亡した時点で所有する財産ではなく、故人の死亡によって遺族にもたらされる財産となりますが、その性質から見て相続財産と同等の性質をもとものと考え、相続税がかけられるのです。みなし相続財産はいくつか種類があり、代表的なものは次の5つです。

(1)死亡保険金
故人が掛け金を負担していた保険で、故人の死亡を理由として遺族に支払われる保険金をいいます。

(2)死亡退職金
本来故人が退職時に受け取るはずであった退職金で、故人の死亡を理由として遺族に支払われる退職金をいます。

※会社から支払われる弔慰金や花輪代、葬祭料については一定の金額までは相続税の対象とはなりません(実質的な死亡退職金を除く)。

ⅰ.業務上の死亡の場合
故人の死亡当時の普通給与の3年分に相当する額

ⅱ.業務上の死亡ではない場合
故人の死亡当時の普通給与の半年分に相当する額

(3)故人が保険料・掛金を負担した保険契約や定期金の権利
故人が保険料・掛金を負担した保険契約や定期金で、故人死亡時点に置いて保険支払いの発生事由や年金の支払事由が発生していないものをいいます。

(4)定期金(個人年金)・退職金年金の受給権
存命中に故人が受給していた年金や退職金年金で故人死亡後に残りの受給期間について遺族に支給される一時金や年金をいいます。

※厚生年金や国民年金などの被保険者であった人が亡くなったときは、遺族の方に対して遺族年金が支給されますが、これらは相続税や所得税の対象ではありません。

(5)高額療養費と傷病手当金
高額療養費と傷病手当金は本来、故人本人が請求し本人が受け取るべきものですが、死亡した場合には、遺族が請求し遺族が受け取ることができます。これらについては本人存命中において所得税はかかりませんが、死亡後には相続税がかかることに注意が必要です。

死亡前に故人本人が受け取っていた場合には預貯金を構成するため相続税が課される一方で、故人死亡後に遺族が受け取る場合には相続税が課されないとすると課税の公平が担保できませんので、いずれの時点で受けとっても相続財産とみなすべきと考えます。

2-3.見落としていませんか?相続開始前3年以内に贈与があったことを!

相続や遺贈によって財産を取得した相続人が、故人から死亡前3年以内に他の財産を贈与されていた場合には、その贈与財産は相続財産に加算されることになっています。これを相続開始前3年以内の贈与加算といいます。

つまり、故人の死亡前に暦年課税制度の基礎控除額110万円を利用して駆け込みで財産の移動を行おうとしても、それが3年以内であれば相続財産に加算されてしまうのです。このような場合は相続税開始前3年以内贈与加算の対象外となる生前贈与制度、例えば教育資金、住宅取得資金、配偶者に対する贈与の非課税制度を利用することをお勧めします。

3.相続税のかからない財産

基本的には金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものは相続財産となりますが、政策的配慮からいくつかの財産が非課税財産とされており、代表的なものについては次の通りです。

(1)お墓、仏壇、祭具等
お墓の土地も経済的価値がありますが、お墓に相続税をかけるのは残された家族の感情を配慮して非課税とされています。仏壇・仏具や祭具も同様に非課税ですが、骨董的価値のあるものや投資用と判断できるようなものは非課税財産とはなりませんのでご注意ください。

(2)死亡保険金のうち500万円×法定相続人の数をかけた金額までの部分
死亡保険金は残された家族の生活保障を目的としています。その点を考慮して、法定相続人1人につき500万円までは非課税とすることにされています。非課税財産というよりは死亡保険金の非課税枠(非課税限度額)と理解した方がしっくりくるかもしれません。

図2:生命保険の非課税枠の考え方
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(3)死亡退職金のうち500万円×法定相続人の数をかけた金額までの部分
死亡退職金についても②の死亡保険金同様に法定相続人1人につき500万円までは非課税とすることにされています。

図3:死亡退職金の非課税枠の考え方
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従って、死亡退職金が2,000万円で法定相続人が3人のケースでは、非課税枠は500万円×3人=1,500万円となり、相続財産にプラスされる金額は2,000万円-1,500万円=500万円となります。

その他、次のような資産も非課税となります。
(4)心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の受給権
(5)一定の要件に該当する公益事業者が取得した公益事業財産
(6)一定の要件に該当する幼稚園事業者が取得した幼稚園事業財産
(7)相続財産を国や特定の公益法人に寄附した場合のその寄附財産
(8)皇室継承のいわゆる3種の神器  

4.知らないと損!債務控除とは?

これまで相続財産についてお話してきましたが、これらはプラスの財産といわれるものになります。一方でマイナスの財産とされるものがあり、相続税の対象となるのはプラスの財産からマイナスの財産を控除した“正味財産”になります。例えば、土地や不動産をたくさん持っていてもそれを上回るような借金があれば結果的に正味財産は0円となるのです。

図4:”正味財産”の考え方
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さらに、相続に付随して必然的に発生する費用として葬式費用は相続財産から控除できることとなっています。これらマイナスの財産と葬式費用を併せて債務控除といいます。ここでは債務控除できるものできないものについてそれぞれ確認していきます。

4-1.相続財産から債務控除できる2つのポイント

4-1-1.借金は相続財産から控除されます

借金と言うとどのようなものがあるでしょうか。故人死亡時点における借入金やクレジットカードの未決済分はもちろん、亡くなる前の医療費・入院費で死亡時に未払いのものも含まれます。また、事業を行っていた方であれば買掛金や支払手形なども相続財産から差し引かれます。

その他、未払税金も債務として相続財産から差し引くことができます。例えば故人のその死亡した年の所得税や固定資産税、住民税です。

4-1-2.葬式費用は相続財産から控除されます

葬式費用は故人の死亡時点で発生している債務ではありませんが、債務控除として認められています。その範囲は明確ではありませんが、基本的には通夜葬式の前後で発生する寺院や葬式社への支払い、埋葬費・火葬費等です。寺院への支払では領収書を受領できない場合も多々あるかと思いますが、このような場合は支出の支払先・日付・金額等を記した出納帳を残しておけば控除が認められます。

4-2.相続財産から債務控除できない3つのポイント

4-2-1.香典返し、初七日法要は控除できません!

葬式関連費用でも注意が必要なのが香典返しです。香典返しについては、収入である香典に対して課税されない代わりに、債務控除も認めないとされています。初七日や四十九日の法要についても葬式費用とは認められませんのでご注意ください。

4-2-2.墓地や仏壇の未払金は控除できません!

債務控除といってもすべての債務につき相続財産から控除できるわけではなく、墓地や仏壇等の非課税資産を購入した際の未払金は債務控除の対象とはならないことになっています。例えば、お墓を400万円で購入したケースで、故人の死亡前に支払を終えていれば非課税財産となり相続税はかかりませんが、死亡時点で未払いの場合には支払予定金400万円については債務控除できませんから相続税がかかってしまいます。相続のことを考えればお墓や仏壇等はあらかじめ購入して支払まで済ませておくのが得策です。

4-2-3.保証債務は控除できません!

故人が借金の保証人になっていた場合、保証債務はマイナスの財産であるため、相続人は保証債務を引き継がなければなりません。ただし、保証債務は債務控除の対象にならないことが一般的です。その理由は、保証債務はその履行と同時に発生する求償権(もともとの債務者に返還請求できる権利=プラスの財産)と相殺されると考えるからです。

※しかし、もともとの債務者に返済能力がなく求償権が行使できないような場合、つまり保証人がその債務を返済しなければならないような状態にある場合は債務控除の対象となります。求償権の行使ができないことが明らかなためです。

最後に

相続税に不安を覚える方は、まず各ご家庭における通帳や固定資産税の課税明細書、証券会社の取引報告書、借入金の返済予定表等を確認して財産リストを作りましょう。

次に基礎控除額を計算します。

そして、正味の相続財産(プラスの財産-マイナスの財産)が基礎控除額を上回ればあなたも相続税の課税対象者となる可能性がでてきます。

ただし、相続税の計算には「小規模宅地の特例」や「配偶者の税額軽減」などの特例措置があり、正味の相続財産が基礎控除を上回ってもこれらを上手に利用すれば相続税を回避することが可能です。

相続税の課税対象者となる可能性がある場合には、さまざまな特例制度を活用し、最大限に相続税額を抑えたいですね。そんな際には相続税申告のノウハウを持った税理士がいる事務所に足を運んで、無料相談からはじめてみてはいかがでしょうか。

 

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