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株の配当金と税金のしくみ ~確定申告で税金を取り戻そう~

長引くゼロ金利時代、銀行口座にお金を預けるだけでは、全くお金が増えない時代になりました。
一方で、ネット証券の充実で、最近は多くの人にとって株式投資が身近になってきました。銀行やインターネット上、テレビでもNISAの話題も良く耳にします。
これから株式投資を始めてみようかな、今年から株式投資を始めてみたけど、という人も多いのではないでしょうか。株式投資を始めてから気付く方も多いのですが、売却益が出たり、配当をもらうと税金がかかります。
ここでは、配当に対する税金と、確定申告について詳しくご説明します。

確定申告により還付を受けられることもありますので、ご自分の現在の取引口座の契約状況をチェックしながら、納めすぎた税金を取り戻すなど、投資効率を上げましょう!

1.配当金には税金がかかる!

株式投資をしていると株を購入した企業によっては、「企業が出した利益の一部を株主に還元する」という名目で配当金を受け取ることができます。しかし、この配当金には税金がかかります。この配当に関わる税金はどのように納税すればよいのでしょうか?

1-1.配当金は必ず源泉徴収されて振り込まれる

配当金を受け取る際には、必ず税金が引かれて入金されます。これを源泉徴収といいます。会社からもらう給与や、株式投資で得る配当金の利益など一定の支払いについては、支払者が税金を差し引いて、代わりに納税をしてくれる仕組みがあります。

(参考)
日本おける本来の納税のルールは、ご自身が出した儲けについてはご自身で集計し、税金を計算して納税をするという「申告納税方式」が採用されています。しかし、全国民が申告をするのは大変なため、一部「源泉徴収方式」が導入されています。

1-2.株式投資の口座をどれにしても配当は基本的に源泉徴収される

上場株式に投資する場合は、証券会社で口座を開設して取引を始めます。特定口座(源泉徴収あり)、特定口座(源泉徴収なし)、一般口座の3つの口座があります。
どの口座を選択しても配当は税金が源泉徴収されます。

また、近年制定されたNISAについては、配当金が無税になる唯一の制度となります。

⇒ 口座に関する詳しい内容は「株の初心者必見!株式投資で利益をあげたときの所得税など税金のお話」の3章を参照

1-3.確定申告の必要性をどう見るか

配当金については原則として源泉徴収がされて振り込まれますが、証券会社で開設した口座やご自身の利益の状況によって確定申告をした方が良い場合と、そのまま確定申告をしなくて良い場合があります。
ポイントは、確定申告をして配当控除(配当に関わる税率を下げる)を受けること、損益通算(株の売却損と配当の相殺)をすることが、ご自身にとって有利かどうかです。
2章~4章を確認して該当する場合には確定申告をしましょう。

2.配当金について確定申告をしなくてよい3つのパターン

2-1.特定口座(源泉徴収あり)を選択して取引をしている場合

「特定口座(源泉徴収あり)」は、税金の計算と納税までもやってくれるため、確定申告が不要(確定申告することも可能)となります。株式の売買で得た利益も、配当についても税金はすべて証券会社が対応してくれます。

2-2.特定口座(源泉徴収なし)で20万円未満の利益の場合

「特定口座(源泉徴収なし)」の場合「年間取引報告書」を証券会社が作成してくれますが、株の売却益については源泉徴収がされないため、本来はご自身で確定申告をする必要があります。ただし、たとえば1つの会社からのお給料が2000万円以下で、それ以外の株式投資の利益、配当の利益などの所得をあわせて20万円以下の場合には確定申告が不要です。

2-3.NISA(少額投資非課税制度)を利用している場合

平成26年1月より投資による資産形成を助けるために「NISA=少額投資非課税制度」がスタートしました。証券会社等でNISA口座を開いて取引をすると、年間120万円までの新規に取得した上場株式等について、その配当と売却益が非課税になります。非課税つまり税金がかからないので、改めて確定申告をする必要はありません。

3. 配当金について確定申告が必要な2つのパターン

3-1.特定口座(源泉徴収なし)で20万円以上の利益がある場合

2-2.でご説明した内容で、20万円以上の利益が出た場合には、確定申告が必要です。

3-2.非上場株式と大口株主の配当を得た場合

非上場株式の配当金は、源泉徴収で終えることはできず原則として総合課税で申告しなければなりません。少額配当(1回あたりの配当が年ベースで10万円以下のもの)については所得税の確定申告はしなくてもいいことになっていますが、住民税にはこの取り扱いがないため確定申告が必要です。

4. 配当金について確定申告をした方がよい3つのパターン

4-1.複数の口座で投資をして、損益通算をする場合

複数の口座を使って株式投資をしている場合で、配当や売却益で利益が出ている口座と売却損が出ている口座がある場合、確定申告をするとそれらの口座を損益通算することができます。損益通算をすると、利益が出ている口座の税金が戻ってくるので、確定申告をした方がよいでしょう。

4-2.株の売却で損が出ている場合

確定申告の申告分離課税では、①株の売却益と損益通算ができ、②株の売却損を配当で引ききれなかった場合にその損失を3年間繰り越す(譲渡損失の繰越)ことができます。株で多額の売却損が出た場合には、その損と配当を通算することで、配当で源泉徴収された税金を取り戻すことができます。また、引ききれなかった損失を繰り越すことで、翌期の株の売却益、配当に充てることもできます。上場株式に投資をしていて、売却損が出ている人は申告分離課税で確定申告するのがよいでしょう。

4-3.所得が一定以下の会社員の場合

総合課税で申告する場合、他の所得と合算の上、15~55%累進税率(住民税も含む)で税金を計算します。総合課税では配当控除という控除が受けられるため、それを加味した税率は7.2%~(下表)となります。これに対し、源泉徴収で納税した額の税率は20.315%ですから、この税率の差額分が申告により還付されることになります。これに該当する場合は確定申告するのがよいでしょう。

表1:配当控除の一覧
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5.確定申告をする場合の落とし穴

確定申告をおこなうと損益通算ができたり、税率を下げることができお得なことばかりのようですが、実は落とし穴があります。

奥様やお子さんなど扶養になっている方は、特定口座(源泉徴収あり)で取引をしている間は分離課税として所得とは別で納税されるためいくら利益を出してもよいのですが、特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告をした場合や特定口座(源泉徴収なし)や一般口座で取引をして確定申告をすると所得税の支払いが発生し、自分の所得を確定させることになります。この場合、38万円以上の利益に対して確定申告をした場合に、扶養から外れることになります。(103万円ではありません)

これに該当すると扶養から外れることになり、所得税の支払いだけでなく国民健康保険などの支払いも発生してしまいます。

6.確定申告の選択方法

「源泉徴収」されてほっておく(申告不要制度)を選択するか、ご自身で申告をする「総合課税」や「申告分離課税」を選択するかについては、ご自身で選択できます。一部支払い方法に決まりがありますので、次の図を利用して選択をしてください。

図1:配当に関わる税金の納税方法の選択

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7.特定口座の配当を確定申告する場合の留意点

株式投資をする場合、ほとんどの人は「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しています。複数の特定口座で取引を行っている場合の確定申告の留意点についてご紹介します。上場株式等は売却益又は配当を確定申告するかどうかについて、契約している証券口座毎にそれぞれをどうするか選択をすることができます。

7-1.株の売却損を確定申告する場合

特定口座Aで出た売却損を確定申告する場合には、特定口座Aの配当についても同時に申告が必要となります。売却損がある場合には確定申告のありなしについてそれぞれ選択することができない点に注意が必要です。特定口座Bは、売却損の取り扱いが無いため売却益と配当のどちらもそれぞれ確定申告をするかどうか選択できます。

株の売却 配当 配当の確定申告
特定口座A 売却損 あり 売却損を申告する場合は配当も併せて申告。選択できない。
特定口座B あり 選択OK

7-2.株の売却益または配当を確定申告する場合

特定口座Cの上場株式等の売却益を特定口座Dの上場株式等の売却損と損益通算するために確定申告をする場合は、特定口座Cで得た配当については確定申告しないことができます。

株の売却 配当 配当の確定申告
特定口座C 売却益 あり 選択OK
特定口座D 売却損 あり 売却損を申告する場合は配当も併せて申告。選択できない。

8.さいごに

証券会社のしくみが整備され、税金の心配をしなくても投資ができるようになってきましたが、状況によっては確定申告をしないともったいない場合があることがおわかりいただけたと思います。

株式投資を始めると税金が20%もかかってきますので、この税金部分をどう扱うかが大きなカギになる場合があります。

投資を始めたら、ぜひ税金のことも気にしてみてください。

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