不動産取得税 非課税
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不動産取得税が非課税になる5つの非課税枠と軽減措置の考え方

そろそろ自宅を購入したいな。と考えているときに、久しぶりの同窓会。
みんなどんな生活をしているのかな。すでに自宅は購入しているのだろうか。と考えながら、インターネットで自宅の購入にともなう費用についての検索をした。

同窓会の当時に聞いてみると、ここ2~3年の間に都内のマンションを購入して住んでいる友人が数人いた。さっそく、どんな家を買ったのか、ローンはどうしたのか、「不動産取得税や登録免許税」などの税金はどの程度だったのか聞いてみた。

そしたら、みんなの反応は「不動産取得税?そんな税金あったっけ?」
あれ?何でみんな知らないという反応なんだろうか。マンションを購入したら、ディベロッパーが不動産取得税を支払うから、購入金額に含まれるもの?それとも何か非課税になるラッキーな制度があるの??

それにしても、法人税、所得税、住民税、相続税・・・
税金にはたくさんの種類があるけど、そもそも「不動産取得税」って何だろうか?

結論としては、あまり聞きなれない税金ですが、不動産取得税とはその名の通り「不動産を取得したときにかかる税金」です。不動産を取得するということは、それなりに現金等の財産を持っていることになり、税金を負担する能力も高いと判断されるため、課税されています。

実は、この不動産取得税にも様々な理由から特例が設けられており、非課税となる特例や、控除の特例にはマンションの購入した場合にゼロ円で済むような控除があります。

ここでは、不動産取得税がかからない非課税措置と、ゼロ円になる控除の考え方について、確認していきたいと思います。

せっかく非課税の適用があるのに、知らずに納税してしまうことのないようにしましょう。

1.不動産取得税とは、不動産を取得した際に発生する税金

「不動産取得税」とは、土地や建物等の不動産を取得した際に、その不動産が所在する都道府県に支払う地方税となります。不動産の取得とは、売買によるものだけでなく、家屋の建築、増改築、あるいは交換、贈与、寄附なども含まれており、有償・無償を問いません。
ただし、後ほど説明するとおり非課税(2章)や軽減(3章)の特例があります。

1-1.納税は納税通知書が届いてから支払いを

原則として、不動産を取得したら所轄の都道府県税事務所に申告をすることになっています。申告期限は、各都道府県によって異なります。しかし、実際には申告をしていなくても法務局へ登記の申請をすると、その情報が各都道府県の担当者に届き、自動的に納税通知書が送られてくるしくみになります。納税通知書に記載してある期限までに納付をすれば、特に問題はありません。ただし、納税の必要が無い方には通知書が届きませんので届いたら支払う。と覚えておきましょう。

1-2.納付書が届いたら、とりあえず都道府県事務所に聞いてみよう!

不動産取得税の落とし穴は、意外にも自分で申告をしないというところではないでしょうか。納付書が自動的に送られてくるということは、市町村の担当者が計算して請求しています。よって、もしかしたら非課税の適用があっても気づかず請求が届き、納税をしてしまっている人もいるかもしれません。ですから、もし不動産を取得して納税通知書が送られてきたら、一度管轄の都道府県税事務所に確認してみることをお勧めします。

各都道府県税事務所は、各都道府県の税務の窓口であり、ホームページで検索できます。

2.不動産取得税の主な5つの非課税枠

不動産取得税の主な非課税枠には5つありますが、多くは「1.相続による不動産の取得」になります。
5つのいずれかに該当すれば、非課税となります。

2-1.相続による不動産の取得

相続に伴う財産の所有者の変更については不動産を取得した方の意思で取得したわけではなく、亡くなった方の財産を権利上もらえたため取得したことになります。よって、取得ではなく「形式的な所有権の移動」として扱い非課税となります。ただし、贈与や売却など、不動産の所有者がご健在のときに不動産を譲渡した場合は、取得意思を持って不動産を取得することから不動産取得税が発生します。

なお、相続が原因であっても、相続人以外の方への遺贈(遺言を活用した相続)については、不動産取得税が発生します。

図1:不動産取得税の課税・非課税の考え方
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以下は、特殊な場合の非課税枠です。

2-2.法人の合併又は一定の分割による不動産の取得

法人が合併したり分割をする際に土地の所有権が変更となりますが、その際は取得したわけではなく会社の実態に合わせて変更しただけですので非課税となります。

2-3.学校法人、宗教法人などが本来の事業に用いる不動産の取得

次の場合は、公益を目的とする用途に使用する、と判断され、非課税とされています。

・宗教法人が専らその本来の用に供する境内建物及び境内地
・学校法人等がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する不動産
・社会福祉法人や医療法人などが社会福祉事業の用などの用に供するために取得した不動産  など

2-4.土地改良事業、土地区画整理事業の施行に伴う換地の取得

都道府県や市町村の事情において、区画整理をはじめとしたご本人の意志よりも政策が優先される場合があります。この場合には、別の場所に土地を取得することになりますが、その際には理由を鑑みて非課税となります。

2-5.公共の用に供する道路などの用地の取得

次の場合は、その不動産が公共の用に供されること等を考慮して、非課税とされています。

 ・公共の用に供する道路
 ・保安林
 ・墓地
 ・公共の用に供する運河、水道、用悪水路、ため池、堤とう、井溝   など

3.非課税以外に不動産取得税ゼロ円になる軽減措置

不動産取得税には、非課税以外にも税金が少なくなる「軽減措置」や、災害等の場合の「減免措置」などもあります。「軽減措置」に関しては、適用を受ける方が多いため、ご自身で適用になるかどうか確認しましょう。

3-1.主な軽減措置

「新築、増改築、又は中古住宅の取得」や「住宅用地の取得」の場合に、軽減措置の適用が受けられます。自分の不動産取得税がいくらになるのかも確認していきましょう。

3-1-1.不動産取得税と軽減措置の計算式を知ろう

不動産取得税と軽減措置の求め方はそれほど難しくなく、ご自身で計算をすることができます。建物の不動産取得税について軽減の特例を受けると合わせて土地の軽減の特例が受けられます。

<新築の建物>

(計算式)
不動産取得税=(固定資産税評価額-1200万円)×税率
※固定資産税評価額は家を購入する際に、おおよそどの程度の固定資産税になりそうか売り手に確認することで把握できます。

表1:不動産取得税の税率表
不動産の種類 土地 家屋
住宅 その他
平成20年4月1日~平成30年3月31日 3% 3% 4%

(要件)
・居住用その他も含め住宅全般に適用(マイホーム・セカンドハウス・賃貸用マンション[住宅用]など)
・貸家意外のときは課税床面積(マンションは共用部を加えて計算したもの)が50m2以上240m2以下

<土地>

(計算式)
不動産取得税=(固定資産税評価額×1/2×税率)-控除額(下記A・Bの多い方)
A:45,000円
B:(土地1m2当たりの固定資産税評価額 × 1/2)×(課税床面積 × 2(200m2限度))× 3%

(要件)
・上記「建物」の軽減の要件を満たすこと
・取得から3年以内(平成30年3月31日までの特例)に建物を新築すること
・土地を借りるなどして住宅を新築した人が新築1年以内にその土地を取得すること

3-1-2.不動産取得税の軽減を受けてゼロ円になるケース

現在の特例が続く間は、大半のマンションは条件を満たすことから非課税となります。
 
<要件>
平成28年に自宅用に新築のマンション(不動産)を取得する場合
課税床面積が100㎡、共有持ち分土地面積が80㎡の東京都の物件の場合。
土地の固定資産税評価額が3,500万円、建物の固定資産税評価額が1,100万円の場合。

【建物の不動産取得税】
(1,100万円-1,200万円)×3%=0円

【土地の不動産取得税】
(3,500万円×1/2×3%)-131.25=0円
A:45,000円
B:(3,500万円/80㎡)×1/2×(100㎡×2)×3%=131.25万円

以上から、建物および土地の不動産取得税は、特例を用いて控除した結果「ゼロ円」となります。

3-2.主な3つの減免措置

次の場合には、申請をすることで税額を減額したり、免除をうけたりすることができます。

・災害により滅失又は損壊した不動産に代わる不動産を取得した場合
・取得した不動産がその取得直後に災害により滅失又は損壊した場合
・土地区画整理事業の施行に伴い代替資産を取得した場合

4.まとめ

不動産取得税は、あまりなじみのない税金なうえ、地方税のため都道府県により取扱いも異なります。また、不動産取得税はご自身が申告して納税する税金ではなく、納付書が届いてから支払うものです。

相続で取得した不動産をはじめとした非課税枠、特例を活用した「納税額ゼロ円」に該当する方が多いことから、実際に支払った経験のある方も少ないはずです。

不動産取得税については、購入する際にぜひ購入する相手に確認してみてください。
もし、贈与を受ける場合については、ご自身で計算してお金を準備しておきましょう。

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