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相続税対策で生命保険?節税だけでなく円満相続につながる5つの理由

相続税対策として、最初に頭に思い浮かべるものは何でしょうか。
最近では巷のニュースで「生命保険を利用した相続税対策」という言葉をよく耳にするようになりました。では、いったいなぜ相続税対策として生命保険が活用できるのでしょうか。

相続税対策に生命保険が活用できる理由には「死亡保険金に対する非課税枠がある」など様々なものがあります。そこで今回は、生命保険が相続税対策となる5つの理由についてご説明いたします。また、数ある保険の中から相続税対策となる商品の選び方についてもご紹介いたしますので是非ご参考にしてください。

保険契約可能な年齢はおよそ80歳前後と言われています。相続税に不安を覚える方は、保険契約のできるご年齢のうちに早めの対策をしましょう。

1.生命保険が相続税対策になる5つの理由

相続対策として気にしたいポイントとして「非課税枠を拡大する」「遺産分割しやすい財産を遺す」「相続税を納税する現金を準備する」「生前の節税対策」があげられますが、生命保険はこの5点をカバーした活用ができることから、相続対策に適していると言えます。

1-1.相続時に生命保険金の非課税枠は『500万円×法定相続人の数』

ご自身が亡くなったあとご家族が生命保険金を受け取った場合、相続税の計算時に法定相続人1人当たり500万円までが非課税となります。

図1:生命保険の非課税枠の計算式

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例えば、保険金が2,000万円で法定相続人が3人のケースを考えます。現金2,000万円を受け取りますが、非課税枠が1,500万円(500万円×3人)となるため、残りの500万円(2,000万円-1,500万円)だけが相続財産にプラスされ相続税の課税対象となります。

つまり、預金で2,000万円持っていた場合には全額が相続財産なることと比べてみると、保険金で受け取った場合は、相続税の課税対象額を1,500万円低く抑えることができるのでその節税効果は絶大です。

図2:2000万円の保険金と預金を受け取った場合の違い

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これを基礎控除額と合わせれば、相続税の非課税枠は更に拡大します。

基礎控除額 3,000万円+600万円×3人=4,800万円
死亡保険金の非課税枠 500万円×3人=1,500万円

よって、相続税の非課税枠の合計は 4,800万円+1,500万円=6,300万円 まで拡大できます。

《節税のポイント》
この節税効果を得るためには保険契約者(保険料を負担する方)と被保険者(保険がかかっている方)が共に亡くなった方であること、受取人が相続人(奥様やお子さん等)であることがポイントです。

表1:生命保険金の非課税枠を使うための保険金のかけ方
被保険者 保険契約者 受取人 課税関係
父親 父親 息子 相続税

1-2.生命保険は遺産分割の争い防止策として有効です

受取人が特定された生命保険金は遺産分割協議の対象外とされ、受取人の署名のみで受け取ることができます。従って、遺産分けにより争いが生じるような場合に、特定された受取人が確実に保険金を受け取ることができるよう事前準備が可能となります。このように、亡くなった方の意思を保険金の受取人に反映させることができる生命保険は遺言の代わりにもなります。

図3:保険金の受け取り人は必ずもらえる

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1-3.受け取った生命保険金で納税資金を確保しましょう

相続税の納付方法は、原則では現金一括納付です。

相続した財産が不動産ばかりだと、納税資金が用意できずに相続した不動産を売却せざるをえないケースもあります。加えて、すぐに売却できない場合には、延納や物納による納付をすることになり延滞税を支払わなければならなくなります。このように相続税申告において納税資金の確保は重要な課題です。
  
生命保険をかけていれば、亡くなった際に生命保険金がもらえるため現金の確保ができます。いつでも引き出して利用できる流動性の高い預金と、亡くなった際に保険金として現金をもらえる流動性の低い保険では、確実に納税資金の準備をする場合には流動性の低い保険が最適です。特に銀行に預けているとつい使ってしまうという方には、納税資金を確保するという面でも生命保険はおすすめです。

1-4.受け取った生命保険金は葬儀費用や墓石代の支払に充てることができます

忘れがちなのが葬儀費用や墓石購入代です。墓石は相続税の非課税財産のため亡くなる前に用意しておくことがベストですが、準備をしないまま突然亡くなった場合には葬儀費用から墓石代までまとまった
お金が一度に必要となります。

※墓石の購入資金⇒相続税の課税財産、墓石現物⇒相続税の非課税財産
 よって、墓石は生前に購入しておくのが相続税対策上ベストです。

これらの費用について亡くなったあとに預金を引き出して使えばいいと考えている方はご注意ください。亡くなった方の預金口座は分割協議が整うまで凍結されるのが一般的ですので、必要な時に自由に動かせるお金がないという事態に陥ってしまうのです。このようなときにも亡くなった後にすぐに受け取ることができる生命保険金は相続税対策として有効です。

1-5.保険料の生前贈与を使って節税!一時所得加入方式をご存知ですか?

生命保険の受取金額が非課税枠を超える場合には保険の受取人である奥様や息子さんを保険契約者(=保険料を負担している方)とした保険に加入することをご検討ください。

ご自身を被保険者、息子さんを保険の契約者かつ受取人とする保険に加入した場合を例にします。保険契約者と受取人が同一の場合、ご自身(被保険者)が死亡した時点で受取人である息子さんに支払われる保険金には相続税ではなく所得税が課税されます。

表2:保険料の生前贈与を使うための保険金のかけ方
被保険者 保険契約者 受取人 課税関係
父親 息子 息子 所得税

このときの課税対象は次の式で考えます。すなわち払込保険料が経費となるため、実際にはそんなに大きな税負担はないことが多いです。
このような生命保険の利用方法を一時所得加入式と言います。

図4:一時所得の計算式
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また、その保険料をご自身が負担する場合、その負担した保険料は贈与となりますが、年間110万円(1月1日~12月31日)までの受け取りであれば非課税となる枠を活用すれば非課税となります。

この方法は親子間でなく祖父母と孫の間でも利用可能です。このように世代を飛ばした贈与で2世代にわたる相続税の軽減でも活用できます。

図5:保険料を非課税で贈与して支払うイメージ

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2.相続税対策になる生命保険の選び方のポイント

生命保険は多くの保険会社が様々な保険商品を出していることから、なかなかご自身では選べませんよね。
今回は、具体的な保険会社や商品名はご紹介しませんが、保険を選択する際に押さえておくべきポイントをご紹介します。

2-1.相続対策に有効な保険を選択する際におさえる2つのポイント

相続対策に有効な3つの保険を知りましょう。

【終身保険】
相続税の非課税枠を利用できる死亡保険金の保障が一生涯にわたって確保される

【長期平準定期保険】
終身保険よりも割安な保険料で100歳までの長期保障を得られる。ただし、100歳を超えてご健在の場合には保証が無くなります。

2-1-1.【生命保険の基本】死亡保障のある3つの種類

生命保険(死亡保険金がある保険)には大きく分けて定期保険、養老保険、終身保険の3種があります。いずれにおいても保険期間内に死亡すれば死亡保険金が出ますので、相続税の死亡保険金の非課税枠を使うことができます。ただし、それぞれの保険にはそれぞれの目的があるため、用途を確認しましょう。

表3:保険の種類と特徴
種類 保険期間 保険内容
定期保険 有期限 子どもが大きくなるまで。など一定期間の保障を大きくする保険。掛け捨ての保険のため、保険料が比較的安価
養老保険 有期限 貯蓄・運用の意味あいが強い保険。保険期間については死亡保障あり。
終身保険 無期限 生涯保障で、死亡した際に必ず保険金がもらえる。最も相続税対策として活用されている保険。

6:保険の3つの種類と特徴

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2-1-2.相続税対策に最適な保険の種類はこれ!

保険加入の目的は相続に限らずそれぞれ理由があります。代表的な上記の3つの保険のうち「相続対策保険」という観点で絞るならば死亡時に必ず死亡保険金がもらえる「終身保険」が主流でした。その中でも、資産運用の要素もあり、かつ、加入条件が緩和されている一時払い終身保険が相続税対策の代表格でしたが、昨今の日銀マイナス金利政策の影響を受け、一時払い終身保険は各保険会社で縮小・販売停止の方向にあります。

そこで、その代替となるこれからの相続税対策保険としては次の2つの保険をご紹介します。

(1)外貨建一時払い終身保険

これまで相続税対策の生命保険と言えば「円建て一時払い終身保険」が主流でした。一時払い方式だと、支払保険料が死亡保険金を上回ることがないため資産運用としても安心、且つ、加入条件も緩和されていることから、高齢者も加入しやすいとして相続税対策としてよく用いられてきました。しかし、2016年2月より始まった日銀によるマイナス金利政策の影響で「円建ての一時払い終身保険」は各保険会社において保険料の値上げや予定利率の引き下げ等、縮小・販売停止の方向に動いています。

そこで今注目されている一時払い終身保険は『外貨建て』の商品です。円建て保険はこれまでの低金利~マイナス金利政策の影響を受けて、そのほとんどの運用利回りは1%を下回る状態ですが、外貨建て商品の中には運用利回りが2%を上回るものもあります。

しかし『外貨建て』商品さえも、一時払いのものは今後縮小傾向にあり、2017年4月以降はどれくらいが販売されているか分からない状況とも言えます。今後しばらくは『外貨建一時払い終身保険』の加入を考えていた方による駆け込み需要があるでしょう。
 
外貨建て商品については為替がリスクになることも運用に転じることもあります。為替リスク等のデメリットをよく理解した上で、将来的に円安に転じると予測する方は検討してみてはいかがでしょうか。


(2)長期平準定期保険

定期保険の中には保険期間が「99歳」「100歳」までと大変長い商品もあります。これを長期平準定期保険といいます。このタイプの保険は企業で保険の契約をすると保険料の1/2を損金に算入できることや比較的高い解約返戻金ピークを持つことから、法人が節税や退職金対策として用いることが多いです。一方で、この商品は相続税対策の選択肢の一つにもなります。その理由はその長い保険期間と保険期間中において死亡保険金額が変わらない(=平準)という特徴から、終身保険に近い死亡保障が受けられるためです。

長期平準定期保険は終身保険と比べて保険料が若干安く設定されています。また、無解約返戻金型の商品もあり、これは解約返戻金がつかない代わりに毎年の保険料が更に安く設定されています。ただし、あくまで定期保険ですので保険期間に終わりがあります。100歳までの長期平準定期保険だとしても、100歳を超えて死亡した場合には死亡保険金は受け取れませんのでご注意ください。

2-2.保険の加入は相続税の死亡保険金の非課税枠を目安に!

生命保険に全く加入していない、自分でしっかり考えたことが無いなどの場合、いくらの保険金に入ったらいいのか迷いますね。その場合には保険金の非課税枠が一つの目安になるかと思います。もちろん、生命保険ですから遺された家族が困らない程度の金額を用意したいとお考えになるかもしれませんが、学資金や住宅購入資金の生前贈与など生命保険以外にも家族に遺産を上手に遺す方法はありますので、相続税対策を生命保険一本に絞るのではなく是非さまざまな方法を検討してください。

 詳しくは ⇒ 「相続税の節税を考えるのは今?生前贈与を活用した6つの対策とは」      

次に、保険金額の設定の一例を確認しましょう。

《保険金額設定のポイント》

まずは相続税の計算における死亡保険の非課税枠を目安に加入しましょう。
例えば、ご自身と奥様、お子さん2人の4人家族であれば、ご自身を被保険者として加入する保険の額は、500万円×3人=1,500万円です。

1,500万円の保障を目安としますが、生涯保障の終身保険や、約100歳までの長期平準定期保険などは、保険料も高額となります。保険は途中解約をすると損をすることもありますので、ご自身の収入など資金繰りと相談して頂き、無理のない金額を設定しましょう。

2-3.保険料払込期間はご自身の資金に合わせてムリなく

保険料の払込には「一時払い」「短期間」「長期間」などご自身で選択をすることができます。長期期間の払込み方法を選択した場合、一時払いや短期間の払込みと比べて支払総額は多くなります。加入年齢や払込期間によっては支払保険料の総額が死亡保険金を上回る可能性があるので、設計書でよく確認する必要があります。

<払込期間を長期にした場合>
メリット1:毎年の支払い保険料は安く抑えられる。
メリット2:払込途中の早期に死亡した場合、少ない保険料で満額の保障が受け取れる
デメリット1:長生きした場合には支払保険料総額が死亡保険金を上回る可能性がある。

<払込期間を短期にした場合>
メリット1: 早期解約を前提としない場合には運用益が期待できる。
デメリット1:余剰資金がない場合には短期間の支払いが負担になる。

払込方法について相続税対策と資産運用の両面を兼ねるためには、比較的若い年齢で加入し、余剰資金を用いてなるべく短期に保険料の払い込みを完了するとよいです。

3.相続税対策生命保険に加入する場合の注意点のまとめ

相続税の対策として生命保険を活用する場合に、おさえておくべき注意点をまとめました。少しの考え方の変化が、後に大きな変化をもたらすこともあるため、しっかり確認しましょう。

3-1.誰が保険料を負担するか、誰が保険金を受け取るかで税金が異なります

保険料負担者によって、または保険の受取人によって税金が異なります。相続税対策において非課税枠を活用する場合は「相続税」のパターン、非課税枠を超えて相続財産を形成する場合は「所得税」のパターンがオススメです。贈与税タイプは最も重い課税を受けるので避けるのが無難でしょう。

表4:保険料負担者と受け取り者による税金の違い
課税関係 被保険者 保険契約者
(保険料負担者)
受取人 課税対象金額
相続税 父親 父親 息子 保険金額―500万円×法定相続人の数=課税対象金額
所得税 父親 息子 息子  (保険金額-払込保険料総額-50万円)×1/2=課税対象額
贈与税 父親 母親 息子 受取保険金=課税対象者

3-2.長期間の保険料支払いは資金繰りが大変です

保険料の払込期間を長期に設定すると、資金繰りの影響で途中解約せざるを得ない状況が来る場合もあります。保険商品によっては途中解約をすると、解約返戻金が少ないなど、不利になることもありますので、長期的な計画の上、資金繰りに無理のない範囲で保険の加入金額を決めてください。

3-3.逓増定期保険(低解約返戻金型)にご注意ください

以前の相続税対策の主力商品であった逓増定期保険(低解約返戻金型)の払込保険料と解約返戻金の差を利用した財産圧縮法は、最近では税務調査や訴訟の対象となっています。この種の節税商品の購入をご検討の方は十分にご注意ください。

4.まとめ

マイナス金利政策の影響で各保険会社が円建て一時払い終身保険商品の販売縮小、停止に向かう傾向にあります。

このような環境下、相続税対策としての保険商品の選択肢は少ないですが、昨今の税制改正により相続税の基礎控除額も大幅に削減されたこともありますから、まだ生命保険に未加入で相続税の課税対象となる可能性のある方は死亡保険金の非課税枠を使い損ねることのないようぜひ加入をご検討ください。

すでに非課税枠いっぱいまで加入の方は、一時所得加入方式や、学資金や住宅購入資金の生前贈与など生命保険以外にも家族に遺産を上手に遺す方法がありますので、相続税対策を生命保険一本に絞るのではなく是非さまざまな方法を検討してください。
  
 詳しくは ⇒ 「相続税の節税を考えるのは今?生前贈与を活用した6つの対策とは」         

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