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住民税はいくら?住民税の考え方とご自身の住民税の簡単な計算方法

住民税はいくら払うのが妥当なのだろうか。
今支払っている住民税は正しいのだろうか。
ふるさと納税で住民税が控除されるって聞くけど、どういうこと?

住民税は今年の収入を確定させた後に税金を確定させ、来年支払いをするものになります。
1年遅れて後払いをするちょっと変わった税金ですね。日ごろは毎月の給与で支払っているため何気なく支払っていますが、自分の住民税がどのように決まっているか知り、来年の自分の住民税を計算して、ふるさと納税の額などを確認しましょう。

 

1. 控除があるからバラバラ。同じ年収でも住民税が違う4つの理由

住民税の具体的な計算方法は2章で説明しますが、

  「税金の計算をする前に一定の金額を引く”控除額“が人によってバラバラ」

となるため同じ年収でも住民税が異なってきます。例えば独身なのか家族を扶養しているかなど、置かれた状況で税金の対象となる額が変わります。
よって、「年収500万円の方は住民税がいくら」とはっきり答えられないのです。

1-1.理由1:扶養する家族がいると住民税が安くなる

独身の方、夫婦共働きでお子さんがいない(または16歳未満のお子さんだけ)場合などは対象となりませんが、奥様やお子さんが次の場合には税金の対象となる所得から減額をすることができます。このように家族の状況によって税金の対象となる「課税所得」の金額が変わってきます。

表1:扶養による控除額一覧
控除 条件 控除額
配偶者控除 所得が38万円以下 33万円
配偶者特別控除 所得が38万円超76万円未満 33万円から3万円まで段階的
扶養控除 16歳以上 33万円
特定扶養控除 19歳以上23歳未満(大学生) 45万円

※所得38万円=年収103万円-給与所得控除65万円
※所得76万円=年収141万円-給与所得控除65万円
⇒ 給与所得控除は2-3-1で説明
※16歳未満のお子さんは扶養控除の対象外。控除ではなく子ども手当てが支給される。

1-2.理由2:保険料の支払いが多いと住民税が安くなる

保険料には大きく2つあり「生命保険料控除」と「地震保険控除」があります。保険料の支払額に応じて税金の対象となる所得から減額をすることができます。このように保険料の支払額によって税金の対象となる「課税所得」の金額が変わってきます。

表2:保険料控除額の一覧
保険料控除の種類 控除額
生命保険料控除 最大7万円
地震保険控除 最大25千円

1-3.理由3: 4~6月の給与額によって社会保険料の金額が変わる

社会保険には「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「介護保険」の4つがあります。
このうちの「健康保険」「厚生年金」「介護保険」の3つは、4-6月の給与で決定する標準報酬月額を利用することから4-6月の給与額によっては同じ年収でも社会保険料が変わります。この社会保険料で支払った金額は住民税の税金の対象となる「所得」から減額をすることができます。

表3:社会保険の考え方
社会保険 税金の額 求め方
健康保険 1年間固定 標準報酬月額×健康保険料率
厚生年金 1年間固定 標準報酬月額×厚生年金保険料
雇用保険 毎月異なる 総支給額×雇用保険料率
介護保険 1年間固定 標準報酬月額×介護保険料率

※「健康保険」は加入する健康保険組合により健康保険料率が異なる
※「介護保険」は都道府県によって利率が異なる
※標準報酬月額は2等級以上変化がある場合のみ変更される

1-3-1.標準報酬月額とは、4-6月の平均給与で決める月額の給与基準

4-6月の給与支給額(手当て、残業代、通勤費も込)の平均から標準報酬月額を求めます。7月に決定し、基本的には1年間(9月~翌年8月まで)固定されます。「健康保険」には全50等級、「厚生年金」には全30等級あります。4-6月の給与で決定して主には1年間継続するため、4-6月の給与が低いほど、社会保険料を減らすことができます。

1-4.理由4:住む場所によって税金が異なる場合がある

住民税を計算する際に、所得金額にかかわらず均等な金額を納税する住民税を「均等割」といいますが、横浜市は「横浜みどり税」として900円、神奈川県は「水源環境の保全・再生」として300円を追加徴収しています。横浜市に住むと1200円の住民税が少なくとも余分に発生します。その他山形県(1,000円:やまがた緑環境税)、静岡県(400円:もりづくり県民税)などもあります。

2.今年の住民税はどうやって決まる?

普段の生活で気になるのは「年収」と「手取り額」ではないでしょうか。実は年収から手取りが決まるまでには、いろいろな計算がされています。普段は人事など給与計算の担当者が触れる金額のためなじみがありませんが、実際にはいろいろな計算がされています。その計算の中に住民税の計算があります。

2-1.今年の収入をもとに、来年支払うのが住民税

住民税は今年の所得をもとに計算して、来年支払うことになります。今年の1-12月の所得をもとに、住民税を計算して来年6月から再来年5月までの1年間は計算した新しい住民税を支払います。住民税の納税額が決まると、サラリーマンの場合は12で割って、12分の1を毎月納税(会社が代理で納税)します。そのため、賞与がある場合には住民税の支払いはありません。参考として、所得税は毎月の所得から計算して支払いますので、賞与時も支払いがあります。

図1:社会保険の考え方

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2-2.住民税を計算するための4つのSTEP

住民税を計算する際には、年収をそのまま税金の対象とするのではなく、年収からご自身の状況に合わせて税金の対象となる金額を下げていき、最後に「課税所得」という住民税の対象となる所得を決めます。ご自身の状況によって、下げられる金額が異なるため、同じ年収でも住民税は異なります。

図2:住民税の計算の流れ

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2-3.STEP1:「年収」から「必要経費」を引いて「所得」を求めます

年収から最初に引くのが「必要経費」と呼ばれるものです。サラリーマンであれば給与所得者のため、同じ年収であれば同じ金額を引きます。個人事業主であれば1年間に使用した実際の経費を引きます。

2-3-1.給与所得者の「必要経費」は同じ年収なら同額

サラリーマンなど給与をもらっている場合には、会社が必要な経費は支払ってくれますが、スーツ代や手帳などご自身が仕事に必要なために購入しているが、会社から経費として支給されないものがあります。こういったものに対して各自が申告をすると税務署はそれぞれの業界の特徴などが分からないため判断が困難になります。よって、給与所得者の方は収入に応じて一律の必要経費を決めています。この金額を「給与所得控除額」といいます。

表4:給与所得控除額 ※平成28年
年収 給与所得控除額
1,800,000未満 収入金額×40%
650,000円に満たない場合は650,000
1,800,000円以上~3,600,000円未満 収入金額×30%180,000
3,600,000円以上~6,600,000円未満 収入金額×20%540,000
6,600,000円以上~10,000,000円未満 収入金額×10%1,200,000
10,000,000円以上~12,000,000円未満 収入金額×5%1,700,000
12,000,000円以上 2,300,000円(上限)

2-3-2.個人事業主の「必要経費」はそれぞれ違う

個人事業主の方であれば、備品代や打ち合わせ費用など仕事に関わる必要であれば経費として扱うことができます。年収から1年間の仕事に関わる経費を差し引き「所得」を求めます。

2-4.STEP2:「所得」から「所得控除」を引いて「課税所得」を求めます

必要経費を差し引いた「所得」から、ご自身の状況に合わせた「所得控除」をおこない、税金の対象となる「課税所得」を求めていきます。ここで主な8つの控除を紹介します。これらを状況に応じて税金の対象となる所得から減額をすることができます。このようにご自身の状況によって税金の対象となる金額が変わってきます。

表5:主な所得控除
所得控除の種類 控除額
基礎控除 納税者すべて 33万円
社会保険料控除 健康保険、介護保険、厚生年金保険など 1年間に支払った保険料全額
生命保険料控除 生命保険、年金保険、介護医療保険の保険料 最大7万円
地震保険料控除 地震保険料 最大25千円
配偶者控除 配偶者の合計所得が38万円以下 33万円
配偶者特別控除 配偶者の合計所得が38万円超76万円未満 33万円から3万円まで段階的
扶養控除 16歳以上 33万円
特定扶養控除 19歳以上23歳未満(大学生) 45万円

2-5.STEP3:「課税所得」に「住民税の税率(所得割)」を掛けて、「調整控除」をする

まずは、「課税所得」に所得割を掛けて算出をします。

表6:住民税の所得割税率と均等割額
所得割 均等割
市区町村民税 課税額×6% 3,500円
都道府県民税 課税額×4% 1,500円

その後、税額に調整控除を行います
(1) 課税所得が200万円以下の場合、以下a、bのいずれか小さい金額の5%
   a:人的控除額の差額の合計(表7)
   b:住民税の課税所得金額
(2) 課税所得が200万円超の場合、(①a-(①b-200万円))x5% (最低2,500円)

表7:人的控除額の一覧
項目 所得税 住民税
基礎控除 380,000円 330,000円 50,000円
配偶者控除 380,000円 330,000円 50,000円
扶養控除 380,000円 330,000円 50,000円
特定扶養控除 630,000円 450,000円 180,000円

2-6.STEP4:最後に均等割りを足して完成

所得割りに均等割り(5,000円)を足して完了。

3.住民税の計算例

住民税はいくらになるのでしょうか。実際に先ほどご説明したSTEPを利用して計算をしてみましょう。

住民税の計算例を2つ示します。2つを比べると
例1:年収500万円で独身の方
例2:年収600万円で奥様とお子さん(中学生)を扶養している方
この二人の住民税は、ほぼ同じになります。

【住民税の計算例1】

条件1:年収500万円、独身の場合。保険料7万円控除、社会保険料50万円

STEP 項目 計算
STEP1 給与所得控除 500万円×0.2+540,000円 = 154万円
所得 500万円-154万円=346万円
STEP2 所得控除 基礎控除33万円+社会保険料50万円+保険料7万円=90万円
課税所得 346万円-90万円=256万円
STEP3 税額 256万円×10%=25.6万円
調整控除 課税所得256万円、所得控除33万円
(a)基礎控除の差 5万円
(b)住民税の課税所得 256万円
∴(5万円-(256万円-200万円))×5%⇒2,500円 ※最低数
住民税の所得割り 25.6万円-2,500円=253,500円
STEP4 住民税 住民税=所得割り253,500+均等割り5,000円=258,500円

以上から 住民税は 年額 258,500円(21,541円/月) となります。

 

【住民税の計算例2】

条件2年収600万円、奥様(扶養)、子ども16歳(扶養)の場合。保険料7万円控除、社会保険料60万円

STEP 項目 計算
STEP1 給与所得控除 600万円×0.2+540,000円 = 174万円
所得 600万円-174万円=426万円
STEP2 所得控除 基礎控除33万円+配偶者控除33万円+扶養控除33万円+社会保険料60万円+保険料7万円=166万円
課税所得 426-176万円=260万円
STEP3 税額 250万円×10%=26万円
調整控除 課税所得260万円、基礎控除33万円・配偶者控除33万円・扶養控除33万円
(a)基礎控除の差 15万円
(b)住民税の課税所得 260万円
∴住民税の調整控除(15万円-(256万円-200万円))×5%⇒2,500円 ※最低数
住民税の所得割り 25万円-2,500円=247,500円
STEP4 住民税 住民税=所得割り247,500+均等割り5,000円=252,500円

以上から 住民税は 年額 252,500円(21,041円/月) となります。

 

4.まとめ

住民税を4つのステップで計算する方法を説明ました。

今年の年収がそろそろ決まる時期ですので、決まりましたらぜひご自身で住民税を計算してみてください。

また、住民税は今年の所得に対して来年支払うものです。

ふるさと納税をされる方は来年の住民税が控除されますので、今年の年収から住民税を計算して寄付できる枠をご自身で計算してみましょう。

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