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【2024最新】贈与税を非課税にして住宅取得資金を贈与する特例!

あこがれのマイホーム♪ 誰しも自分の家がほしい!と、夢を持つことも多いかと思います。

ただ、実際に家を購入するとなると、一般的にはローンを組むことになり、大きな借金、長い返済となり、そのことを考えるとちょっと気が滅入りますよね。。。

できたら親に少し援助なり何か支援をしてもらって少しでも家計的な負担を減らしたいですよね。しかし、単純に親からお金を受け取るわけにはいきません。お金が移動するということは贈与となり税金がかかってくるからです。では、どうしたら…。

そんな方には、朗報があります!

親から子供へマイホームの購入資金の一部の援助(贈与)を受けることができる非課税制度があります。

ここでは、住宅取得資金の贈与についてしっかりご理解いただける内容をご紹介させていただいています。読み終えていただければ、節税を意識しながらの資金調達のノウハウを身につけていただけることと思います。

1.住宅資金援助には最大1,000万円の贈与税の非課税枠がある

直系親族(ご自身の親や祖父母)から住宅を取得するための資金の贈与を受ける場合、一人あたり最大で1,000万円の非課税枠(現在利用できる最大)があります。
この制度を使うと、一般的にいう毎年の贈与税の非課税枠110万円(暦年贈与)とは別に、ある程度まとまった金額を非課税で支援してもらうことができます。この制度を、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税といいます。

この特例を利用せず、1,000万円を贈与した場合(一般贈与)の贈与税額は、
(1,000万円-110万円(基礎控除))×贈与税率40%-125万円(控除額)=231万円(贈与税額)
ですので、効果は大きくなります。

表1:贈与税の速算表

一般贈与財産(一般税率)               特例贈与財産(特例税率)              
基礎控除後の課税価格 税率 控除額 基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%   - 200万円以下 10%   -
300万円以下 15% 10万円 400万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円 600万円以下 20% 30万円
600万円以下 30% 65万円 1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円以下 40% 125万円 1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円以下 45% 175万円 3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円以下 50% 250万円 4,500万円以下 50% 415万円
3,000万円超 55% 400万円 4,000万円超 55% 640万円

※一般贈与財産とは:兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合
※特例贈与財産とは:直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において18歳以上(※令和4年4月1日以降の贈与)の者(子・孫など)へ贈与を行った場合

2.令和8年12月31日までの期間限定の制度

「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置の特例」とは、令和4年4月1日~令和8年12月31日までに、住宅取得のために直系尊属の方から贈与を受けて、新築(取得)もしくは増改築などをした場合に、適用条件を満たせば一定額まで贈与税が非課税となる制度です。
※令和6年度の税制改正により、適用期間が令和5年12月31日から「令和8年12月31日まで」に延長されました。

贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の間に、贈与税の申告書に「非課税の特例」を適用する旨を記載し、戸籍謄本、登記事項証明書、契約書の写しなどの必要書類と共に、住所地を管轄する税務署に提出します。贈与税の基礎控除額である110万円の控除も同時に適用することができます。

表2:非課税限度額

住宅の種類 非課税限度額
省エネ等住宅 1,000万円
上記以外の住宅 500万円

3.住宅取得資金の贈与が非課税となる条件

住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例には適用条件に該当している必要があります。
直系尊属からの贈与では、養子縁組をすれば、配偶者の父母、祖父母からの贈与でも適用が可能です。

<住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例「適用条件」>
・父母、祖父母などの直系尊属からの贈与である(配偶者の父母、祖父母の場合は「養子縁組」が必要)
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与された資金を住宅取得資金に充て、同年12月31日までに居住する
・贈与を受けた方がその年の1月1日の時点で18歳以上である(令和4年4月1日以降の適用)
・贈与を受けた方のその年の合計所得額が2,000万円以下である
・贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告をする

<適用できる住宅(省エネ住宅)の条件>
・断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6級以上である
(令和5年末までに建築確認を受けた住宅または令和6年6月30日までに建築された住宅は断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上)
・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免振建築物である
・高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上である
・家屋の床面積が40㎡以上240㎡以下で、床面積の半分以上が贈与を受けた方の居住に利用される

4.住宅取得資金の贈与が非課税になる申請手続き

この非課税制度を利用するには、結果的に贈与税がゼロであっても確定申告が必要です。確定申告書や申告手続きに添付する書類も早めに準備しましょう。

4-1.住宅取得資金の贈与を受けるために必要な確定申告書

・贈与税の申告書 第一表
・贈与税の申告書 第一表の二(住宅取得等資金の非課税の計算明細書)
・戸籍の謄本:贈与者と受贈者の関係をチェックするため
・住民票の写し:居住の日や居住の事実の有無をチェックするため
・新築や取得の契約書の写しおよび登記事項証明書
 ※贈与を受けた年の翌年の3月15日までに受贈者が住宅を取得したのかをチェックするため

4-2.贈与税額が0円でも申告が必要、期限にも注意!

住宅取得等資金贈与の非課税制度が適用された結果、贈与税が0円になるからといって申告が不要なわけではありません。申告をしないと非課税の適用が受けられないのです。

また、贈与税の申告期間は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日となります。
期限内に申告、納税を済ますよう注意しましょう。

5.住宅取得資金の贈与は相続時に加算しなくてよい

お父さまから財産の贈与を受けた場合、3年以内(令和6年1月1日以降の贈与から7年以内に段階的に延長)に贈与をしてくれたお父さまが亡くなられてしまうと相続財産として戻し入れるというルールがあります。亡くなられる直前に相続財産を減らそうとすることに対する対策です。

しかし、耐震・省エネまたはバリアフリーの住宅家屋など一定の要件を満たす不動産を取得するために、この住宅取得等資金の贈与税の非課税を利用した場合には、相続財産として戻し入れる必要がありません
相続税の対象となるかの判断において、1,000万円は大きく左右するため、もしものことを考えると制度を活用するメリットになります。

6.さらに押さえておくべき住宅資金と贈与税の3つのポイント

その他にも、住宅資金にかかる贈与税について更に知っておくべきポイントを3つご紹介します。

6-1.夫婦でそれぞれ特例を利用すると非課税枠が倍になる

住宅取得資金等の贈与税の非課税制度は、夫婦それぞれで利用することが出来ます。それぞれで利用するためには、住宅を共有名義にする必要があります。共有名義にさえすればそれぞれで利用可能です。
仮に夫婦がそれぞれの両親から1,000万円ずつ贈与を受けた場合には、最大2,000万円まで贈与税が非課税で住宅を取得するための資金を受けることができます。

図1:共有名義で家を購入するイメージ
共有名義で家を購入するイメージ

6-2.お金を「借りた」ことにすれば贈与税はかからない?

親子の家計を「連結」で考えると、金融機関から借りるよりも圧倒的に有利で金融機関とのローン契約に伴うさまざまな手数料が、親子間だとかかりません。また、返済期間や金利も比較的自由に設定することができます。
ただし、金利を0%にすると利息分が贈与とみなされ、「あるとき払いの催促なし」にすると全額が贈与とみなされ贈与税の対象になる可能性があります。

親から子が「融資」を受ける場合は、贈与とみなされて贈与税が課税されないように注意する必要があります。親子の間でも、お金の貸し借りがあったことを立証できるようにします。そのために次のことが必要です。

○返済可能額である
○金銭消費貸借契約書を作成する
○定期的に返済をする
○利子を支払う(利子は受け取った親の所得税の対象となります)

親族間だからこそ、しっかりと第三者に説明できるようにすることが大切です。

※親からの借金について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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6-3. 贈与税の非課税枠110万円でローンの費用を親に負担してもらう

毎年、贈与を受ける側の非課税枠は110万円です。110万円までは非課税ということは9.1万円/月のローンであれば、全額親が負担して支払っても非課税となります。月々9.1万円の支払いであれば、35年ローンで3,000万円のローンが組めます。

ご両親が亡くなられたあとの支払いは検討が必要ですが、うまく非課税枠を活用して繰越返済を検討してみましょう。

7.まとめ

お読みいただいて、住宅取得資金におけるお得な制度をご理解いただけましたでしょうか。

生前に贈与することで大きな節税の効果があることがお分かりいただけたかと思います。令和4年4月1日~令和8年12月31日までに受けた贈与にこの制度を活用すると最大の1,000万円までの贈与が贈与税ゼロ円でできることが分かりました。
手軽に高額の贈与をおこない、亡くなった後の相続税対策につながる本制度は非常に注目されている制度といえるでしょう。

この制度を上手く利用して皆さんも節税しながら、夢に一歩近づきたいですね。

※贈与に関わる内容で悩んだ場合には、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
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