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遺産相続で土地を相続する場合の遺産分割と名義変更の手順【保存版】

遺産相続を考える際に、相続財産の中に実家の土地や家が含まれていたり、その他の土地が含まれている場合など、土地・不動産についてはどのように考えたらよいかお悩みではないでしょうか。

多くの方にとって、遺産相続は一生のうちに何度も経験するものではありませんので、今回が初めての方や相続財産の中に土地が含まれた相続が初めての方も多いと思います。
遺産相続の際に土地をどのように扱えば良いのか?相続財産を分割するためには土地の取り扱いをどのように考えたらよいのか?そもそも、その土地はいくらの価値があるのか?名義変更ってどうしたらいいのか?など、ご不安な点が多いと思います。

初めて遺産相続に関わる方にも分かりやすく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

Contents

1.相続財産に土地が含まれる場合の遺産分割の4つのポイント

ご両親から遺産相続をする際に、遺された財産の大半が「土地・不動産」であるケースは多くみられます。この場合、相続財産に占める「土地・不動産」の割合が多く、とても分割しづらくなります。

今回は、相続財産が土地と少しの現金のみであり、それらを兄弟3人で分け合うとことを想定した場合、どのような遺産分割の方法があるのか、について考え方をご紹介します。ご自身にあった方法をご選択ください。

1-1.土地を手放さず遺産相続をする方法

先祖代々慣れ親しんだ土地を他人に渡したくないという思いから、土地を手放さずに遺産相続をしたいという方も多くいます。その際に利用する考え方を3つご紹介します。

1-1-1.ポイント①:一人が土地を相続し、他の相続人は現金を分ける

ご自身がご両親と同居しており、そのままご実家を相続するような場合です。この場合、ご実家の土地・不動産を自由にすることができ、継続して住むことや新しく建てなおすことなどができます。
一方で、ご兄弟は実家を相続できないため不平等に思います。そんな場合の考え方としては、話し合いによりご両親が残した少しの現金をご兄弟で分けていただく方法や、ご自身が相続した実家の財産価値と同等の金額を受け取れるように、ご自身の貯蓄等からご兄弟に現金を渡す方法などがあります。

図1:1人が土地を相続するイメージ

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1-1-2.ポイント②:土地を相続する人数分に切り分けてそれぞれが所有する

ご兄弟3人で法律に基づいた相続割合のとおり1/3ずつ平等に土地を分割して相続する方法です。土地を分割することを文筆といい即利用資産にお願いして土地の面積を測ってから分割します。この方法は、公平に分けることができますが、広大な土地でない場合には分割した結果として、一人当たりが所有する土地が小さくなり売却しづらくなるケースがあります。また、ご実家の不動産が複数名の土地にまたがって存在し土地の売却ができないなど将来に渡って困るケースや、形状が規律正しい土地ばかりではないため測量が難しく専門家に依頼する必要があるなどデメリットもあります。

図2:土地を相続人数分に切り分けてそれぞれが所有するイメージ

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1-1-3.ポイント③:相続人全員の共有財産にする

土地を分割せずに、ご兄弟全員で共有財産として相続する方法です。この方法は、土地を手放さずに済みますが、将来的に管理方法をめぐるトラブルが起きたり、ご兄弟の誰かが土地を売却して現金化したいなどの要望がでたときに意見があわずにトラブルになりやすいというデメリットがあるため、あまりおすすめできません。また、共有財産のままご自身のお子さんの世代に相続されると、売却時にはいとこ全員の承諾と書類が必要となるため、かなりの手間が発生することになります。

しかし、土地の分割方法についての話し合いがまとまらずいつまでも相続できなさそう、このままではトラブルになりそうといったときに、一旦共有財産として話し合いを続けることも一つの方法です。
 
図3:土地を共有財産にするイメージ

1-2.土地を手放して遺産相続をする方法

遺産相続した土地を手放したくないと思われる方がいる一方で、田舎にある土地の活用方法が思いつかない、土地を管理できる相続人がいない、現金にして平等に分けたいなどの理由で土地を手放すことを選択される方も多くいます。その際に利用する考え方をご紹介します。

1-2-1.ポイント④:土地を売却してお金で分ける

遺産相続する土地については、相続人の皆さんにとってご実家など思い入れのある土地であったり、全く思い入れのない土地だったりといろいろなケースがあります。個々の感情は大切にしたいものですが「住む人もいないから」「平等に相続財産を分けたいから」などの理由から、土地を売却して均等に相続する方法があります。デメリットとしては、売却する際に「不動産譲渡税(4-2-4で説明)」の支払いが必要になります。

図4:土地を売却するイメージ

2.土地の概算の評価額を自分で調べる方法

ご自身が相続する土地は、「相続財産としてどのくらいの価値があるのか」「売却するとなるとどのくらいの金額で売却できるのか」と相続するにしても売却するにしても気になるところだと思います。こういった方は土地の概算の評価額を知りぜひ参考にしてください。

2-1.相続財産としての評価額は主に路線価を活用

土地の概算の評価額の計算方法を説明します。この評価額は遺産相続をする際に大まかな土地の値段をご自身で計算して知りたいときに利用します。通常は路線価方式を利用しますが、路線価の定められていない地域に土地をお持ちの場合は、倍率方式を利用します。

2-1-1.路線価が定められている地域は路線価方式を利用する

路線価が定められている地域の評価方法です。路線価とは国税庁が毎年定めている道路ごとにつけられた値段のことで、土地の1平方メートル当たりの価格で示されます。表示単位は千円です。

路線価方式で土地の価格を求める場合には、路線価をその土地の形状など(間口の狭さや角地など)に応じて特別な補正をした後に、その土地の面積を掛けて計算します。ご自身で計算する場合には、補正を正しく考慮することが難しいことから補正なしで概算として利用します。正しい価格が知りたいときには不動産鑑定士へ依頼をします。

(例)面積180㎡の土地の計算例  ※土地で補正をせず概算額を求める

① 国税庁ホームページの路線価図から調べたい土地を探す

 路線価を調べるためには ⇒ http://www.rosenka.nta.go.jp/

②土地がどの道路に面しているかを確認する

図5:路線価の一例(赤の土地の場合、赤の点線枠で囲まれた道路の値を利用)

③その道路の路線価に、土地の面積を掛ける

 路線価の表示が「280D」の道路に面しているため、単位の千円を掛けると路線価は28万円。ここに土地の面積を掛ける。

 28万円×180㎡=5,040万円(評価額)
  ※実際は補正などの計算が入り、上記の評価額より低くなるケースが多い。

2-1-2.路線価が定められていない地域は倍率方式を利用する

路線価が定められていない土地の評価方法です。その土地の固定資産税評価額(都税事務所、市区役所又は町村役場で確認できます)に、国税庁が毎年定めている一定の倍率を掛けて計算します。

(例)固定資産税評価額が5,000万円のときの計算手順

①国税庁ホームページより、該当の土地の倍率表を確認

 倍率方式 ⇒ http://www.rosenka.nta.go.jp/
  ※該当地域に「倍率地域」と記載がある場合に倍率表を確認

②倍率表に1.1の記載がある場合は、固定資産税評価額に掛ける

 5,000万円×1.1=5,500万円(評価額)

図6:倍率方式の図

2-2.売却するときの目安額は主に公示地価を活用

遺産相続をする土地の売却を考える場合に、売却額の目安の1つとして「公示地価」が利用できます。この公示地価は、国や都道府県が公表している基準地の価格で市場取引でも参考にされます。また、公示地価は客観性があることから、一般企業が自社の保有する土地の概算評価をするために使うこともあります。
一方で、公示地価は国土交通省が定めた地点のみ対象となっていて限定的です。定められた地点以外の土地の評価は、補正が必要であったり、極端に小さい土地や不整形な土地などでは目安として利用できないデメリットもあります。

公示地価はこちら ⇒ 国土交通省のホームページより

以上のように、ご自身で土地のおおよその価値を調べることはできますが、実際に遺産相続において土地を分割する場合には、正しく知る必要があるため、税理士や不動産鑑定士に相談することをおすすめします。

3.土地の相続方法が決まったらまず名義変更をしよう!

土地の遺産相続をしたら「名義変更」が必要という言葉を耳にされたことがあるかと思います。本章では、名義変更を早めに行うことの重要性と手順について説明します。

3-1.土地の名義変更(相続登記)とは、所有者の登記名義を変えること

法務局に登記されている土地や不動産の所有者の名義を変更することを「名義変更」と言います。特に相続するときの名義変更を「相続登記」といい、この手続きは相続後に相続人が土地を保有する場合、売却する場合どちらも行う必要があります。また、いつまでに行わなければいけないという期限はありませんが、名義変更をしないことにより様々なトラブルが起こる可能性がありますので、早めの手続きをオススメします。

3-2.名義変更が遅れたことによるトラブル事例から分かる重要性

名義変更には期限が無いことから後回しにしがちですが、遺産相続の分割が決まり次第、すみやかに行うことが重要です。名義変更が遅れたことで起こりえるトラブル事例をあげながら説明していきますので、ご自身にあてはめて想像してみてください。

3-2-1.土地の名義変更をしないまま放置すると、子孫に迷惑がかかってしまう

土地や不動産を相続して名義変更をせずに時間が経過すると、ご自身が亡くなり次の相続が発生します。ご自身への名義変更が終わっていれば奥さんやお子さんに簡単に名義変更ができ、相続がスムーズに進みますが、名義変更が終わっておらずご両親の名義のままだと大変なことになります。

たとえばご自身が亡くなった際に、ご自身のご兄弟がすでに亡くなられているとそのお子さんから名義変更の署名と捺印をもらう必要があります。
相続人がお孫さんの世代まで広がってしまうと、会ったことや話したこともない可能性がある遠い親戚に署名捺印をもらいに足を運んだり、そもそも所在地が分からなかったり、連絡が取れないケースもあり、非常に大きな労力が必要になってしまいます。

子や孫に大きな負担を掛けないためにも、ご自身が相続したらすぐに名義変更をしましょう。

72世代に渡り名義変更をしていなかった結果、相続人が9人になったイメージ

<図の説明>

ご両親から相続した土地を、ご自身の孫世代まで名義変更をしていなかった場合
 ・名義はご両親(お父さま)のまま。
 ・ご自身が亡くなった際に、ご兄弟がすでに亡くなっているとそのお子さんに権利が相続されている。
  さらに、ご兄弟のお子さんも亡くなられていると、お孫さんに権利が相続されている。
 ・ご自身の家族においても、ご自身が亡くなられたことで、お子さんに権利が移っている。
以上から、図7のような家系であれば、計9名の署名捺印があってはじめて名義変更ができる。

3-2-2.所有者が決まっていないため売却ができない

土地を売却するときは所有者(名義人)の許可が必要になりますが、名義人が亡くなられて名義変更を行っていない場合には売却ができません。相続された方に名義変更をすると売却ができますが、名義変更には時間を要することからいざ売却したいというときにできず、タイミングを逃してしまう可能性もあります。せっかく相続した土地をタイミングよく売却しようと思っても、名義変更を行っていなければできないことがありますので、気をつけてください。

土地の名義変更を行わなければできないことの例
 ・土地の売却
 ・土地を担保に入れて銀行からお金を借り入れること

4.名義変更(相続登記)の手順を知ろう

それでは名義変更の手順を説明しますので、ぜひ参考にして早めにご対応ください。
 
図8:土地の名義変更の流れ

この手順に従って手続きを進めていただければご自身でもできますが、必要な書類が多いことや、書類にミスがあると法務局の方と何度もやり取りを行わなければいけませんので、不安な方は司法書士に依頼することをおすすめします。

名義変更の具体的な手順・費用の詳細はこちら⇒「不動産・車など相続したらすぐに名義変更をすべき3つのポイント」
 

5.土地の相続に関わる税金は4つある

土地の遺産相続には、主に4つの税金があり相続する時と相続してからなどタイミングが様々となりますので、あわせて確認しておきましょう。

5-1.土地を相続したときに納める税金(相続税)※該当者のみ

相続の際に、亡くなった方の相続財産が相続税の対象かどうかを判断する基礎控除額を超えていた場合に「相続税」の支払いが発生します。都市部で土地を保有している場合には、土地の評価額が高く、財産が土地のみで現金がほぼ無いような状況でも相続税の対象となるケースがありますので注意しましょう。

ご自身が納税対象者かどうかは、下記の計算式にあてはめて確認しましょう。
 
(例)
財産:土地(評価額) 5,000万円、現金 2,000万円
相続人:お子さん2人のみ

図9:納税対象かどうかのチェック

7,000万円―4,200万円(3,000万円+2×600万円)=2,800万円(課税対象)

上記の計算式にあてはめた結果、納税対象であった場合には、次の税率表を使って支払う税金の金額をご自身で計算してみましょう。

図10:相続税の税率表

2,800万円の相続税課税対象を法定相続分(法律で定められた割合)で1/2ずつに分けた場合、1人当たりの相続額1,400万円となり、税率15%
 1,400万円×0.15 =210万円(相続税)

相続税についてはこちら ⇒ 「相続税の税率は?相続税計算での活用と生前贈与による対策の基本」

5-2.土地所有者の変更登記をするときに納める税金(登録免許税)

相続開始後、亡くなった方の所有していた土地や不動産の名義をご自身に変更することを「相続登記」といいます。そして変更の登記をする際に納める税金を「登録免許税」といいます。

登録免許税の金額は、固定資産税評価額の0.4%となっています。固定資産税とは、土地や家などの資産を所有している人が毎年市町村(東京23区は都)に納める税金のことですが、登録免許税はその評価額に基づいて計算されます。
  
登録免許税の計算方法は、以下のようになっています。

(例)
固定資産税評価額1,300,500円の場合、千円以下の単位を切り捨て、0.4%を掛けます
 ⇒1,300,000円×0.004=5,200円

ここから、百円未満を切り捨てます。
 ⇒5,000円(登録免許税)

5-3.土地を保有していると毎年納める税金(固定資産税)

固定資産税とは、土地や家などの資産を所有している人が納める税金のことです。土地を相続し売却せずに保持する場合は、この固定資産税を毎年納める必要があります。

・誰が支払うか
毎年1月1日時点での土地の所有者(名義人)。共有名義の場合は相続人全員で支払い、分割している場合は持分に該当する分のみ支払います。

・どこに支払うか
対象となる土地の所在地を管轄する市町村(東京23区は都税事務所)

・いつ支払うか
毎年支払いが必要です。納付期限は年4回あり市町村ごとに期間が決められていますので、詳しくは土地の所在地を管轄する市町村のホームページ(税金・納税課などのページ)で確認するようにしましょう。

・いくら支払うか
固定資産税評価額に1.4%を掛けた金額が原則となります。
正確な固定資産税評価額は、土地の所有者に市町村(東京23区は都税事務所)から送付される納税通知書に記載されていますが、公示地価の7割が目安とされています。

(例)
土地の評価額(固定資産税評価額)が5,000万円の場合
 
5,000万円×1.4%=70万円(固定資産税)

5-4.土地を売却するときに納める税金(譲渡所得税)

土地を売却するときに発生した所得分にかかる税金のことを「譲渡所得税」といいます。譲渡所得金額は、以下のように計算します。

図11:譲渡所得の計算方法

譲渡所得税についてはこちら ⇒ 相続した不動産を売却するときのお話~税金が安くなる3つの特例~

以上から、土地の相続に関わる4つの税金についてお分かりいただけたと思います。

おおよその金額でもかまいませんので事前に把握しておくことで、トラブルが起きた場合に慌てることなく相続手続きをすすめることができると思います。

6.まとめ

土地を相続するうえで覚えておいていただきたいことをまとめます。

 ・トラブルを起こさないようにするためにはどんな分割方法がベストかを考えておく
 ・土地を相続したらすみやかに名義変更を行う
 ・土地を相続するとどんな税金を納める必要があるのかを知っておく
 
遺していただいた土地を無駄にすることがないように、また相続人同士でトラブルなど起こさないように、土地の相続に関して不安やお困りごとがありましたら、専門家に相談することをおすすめします。
名義変更については司法書士、相続税については税理士に相談すると良いでしょう。相続税の対象となった場合には、相続税の申告件数が多い会計事務所にご相談をいただくと、名義変更もワンストップで対応をしてくれます。

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