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相続放棄を3ヶ月以内に判断しないと遺産相続で借金を背負うことに!

お父様が亡くなられた場合など、身内が亡くなられることはとても寂しく辛いものですね。
また、葬儀から四十九日の法要までの時間はせわしなく、自治体の手続きやあいさつ回りなどをしているだけであっという間に過ぎてしまいます。同時に、もちろんご自身のお仕事だって忙しいでしょう。

しかし、亡くなられたお父様に生前に多額の借金があった場合には、3か月以内に相続の対象となる方全員が相続放棄の手続きをしなければならないというルールがあります。四十九日の法要が過ぎたら、ほぼ2ヶ月が経過しており、残り1ヶ月しかありません。しかも、この期限を過ぎると承認したとみなされてしまいます。

ここでは、生前からお父様の借金をご存じの方、亡くなられた後に借金を知ることになった方のいずれの場合にも活用できる遺産相続時の借金の取り扱いについて説明します。

1.遺産相続する財産に借金があった場合、最初に押さえておく7つのポイント

遺産相続をする財産にはプラスの財産(現金や土地など)とマイナスの財産(借金やローンなど)があります。これらを相続するか放棄するかの決断と、裁判所への申し立てなどの手続きを完了させるところまでを3ヶ月以内に実施する必要があります。もし、判断を延期したい場合にも家庭裁判所へ申し立てが必要です。
期限内にしっかり対応するために、次のポイントをしっかり押さえておきましょう。

1-1.3ヶ月以内に借金を相続するかどうか判断が必要

借金を含めた相続財産を相続するのか、放棄するのか判断ができる期間は意外にも短く、相続の開始があったことを知った日の翌日から3ヶ月以内となります。放棄をする場合には、この3ヶ月以内に判断と手続きをすべて終えてしまう必要があります。しかも、3ヶ月を経過してしまうと自動的に相続をすると判断した(単純承認)とみなされる仕組みです。

詳しくは3章をご確認ください。

<判断基準>

 

1-2.3ヶ月以内に判断できない場合は、必ず延長申請をする

亡くなられる前から借金が分かっていた場合は少なからず準備ができていると思いますが、亡くなられた後にわかった借金については対応が後手になりがちです。期日をしっかり意識して相続をする方々で話し合いをしましょう。また、どうしても判断できない場合には、家庭裁判所へ申し立てをおこなうことで3ヶ月の延長申請をすることができます。

1-3.借金などマイナス財産だけを放棄できない

現金や思い出の実家など借金以外の財産は相続したいが、何とか借金だけを回避する方法はないか、と検討されることもあると思いますが、残念ながら相続手続きの段階では何とも対応することができません。現金や不動産も借金もどちらもご両親が残した財産であれば、相続の対象となります。

1-4.亡くなられたことで借金がゼロになるものが無いかを確認する

住宅ローンは多くの場合に団体信用保険に加入しており、契約者の方が亡くなられると保険が適用されて住宅ローンの支払いが不要になります。このような亡くなられたことを端にして借金が借金では無くなる
契約もあります。借金だと思って悲観的になっていたものが実は借金で無いこともありますので、契約内容を確認しましょう。

1-5.借金などマイナス財産の分割は法律で定められた分割のみ

現金や不動産などプラスの財産については、相続する権利がある人(法定相続人)が法律で定められた割合(法定相続分)をもとに自由に分割をします。一方で、財産をたくさん相続する代わりに借金も多く相続すると話し合いで決めても、実は借金などのマイナス財産は法定相続分にそって法律で定められた割合で分割されてしまいますので注意が必要です。

<プラスの財産の相続>
法定相続人で、どのように分けるのか話し合って自由に決めることができる

<マイナスの財産の相続>
プラスの財産を分割した割合に関係なく、法定相続分という法律で定められた割合で背負う
割合を変更することができないため注意が必要

1-6.「相続放棄」をすると取り消しができない

相続放棄は相続人一人でおこなうことができますが、一旦放棄すると取り消しができませんので注意しましょう。多額の借金があると思ったけれど実は返済ずみであったり、あとから多くの現金や保険が見つかって返済できたり、いろいろなケースがありますので、焦らずにまずは全財産のチェックをしましょう。

1-7.相続人が財産を処分した場合は放棄できなくなる

相続放棄や限定承認の手続きをする前に財産の全部や一部を処分してしまった場合には単純承認として扱われることになります。借金等のマイナスの財産をみつけてすぐに対応をするのではなく、相続をどのように進めていくべきかしっかり検討をしてから進めましょう。

2.借金の総額を把握するために確認したい5つの方法

どれだけご両親との間柄が良く、いろいろな相談ができていたとしても借金については隠したいと思うことが多いのではないでしょうか。借金をしている方からするとできることなら墓場までもっていきたいものかもしれません。そのため、亡くなられた方の借金総額の把握は意外にも難しいものです。

本来、亡くなられた方がプラスの財産もマイナスの遺産も含めた財産目録を作ってくれていると良いのですが、なかなか作成されている方はいません。故人に口なしですので、ひとつずつ紐解いていくことになります。期間の目安として、亡くなられてから1ヶ月を目処に借金の把握をするとその後がスムーズに進みます。

借金を把握する5つの方法をご紹介します。

2-1.金融機関の預金通帳を記帳して把握する

地道な作業となりますが、金融機関の通帳をすべて記帳して、その情報の中から引き落としがされている内容を全てチェックします。そうすることで、毎月の返済履歴が確認でき、おおよその借金をしている先の見当がつきます。

2-2.請求書や領収書などの保管書類や郵便物から把握する

請求書や領収書を確認することで、どのようなお金を支払っているかおおよその検討をつけます。もし支払いが滞っているとすれば、少なくとも1ヶ月以内には催促の請求書や連絡があります。そこで借金の状況を確認してください。

2-3.金融機関からの借金を把握する

ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況などの確認は、全国銀行個人信用情報センター (全国銀行協会)という銀行や信用金庫などから組織された信用情報機関で照会することができます。亡くなられた方の法定相続人が書類等をそろえて郵送することで開示されます。

お問合せ先:0120-540-558
本人開示の手続きについて(http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/

<法定相続人の申し込み>
・登録情報開示申込書
・申請者の本人確認書類
・申請者が法定相続人であることを証する資料
・亡くなられた方の死亡を証する資料
・申込手数料 1,000円

2-4.クレジットカード会社からの借金を把握する

株式会社シー・アイ・シーというクレジット会社の共同出資による信用情報機関があります。各クレジット会社等との契約内容や支払い状況等の信用情報が確認できます。主には「インターネット開示」「郵送開示」「窓口開示」の3つがあります。

お問合せ先:0570-666-414
情報開示とは(http://www.cic.co.jp/mydata/

<パソコン開示の方法>
1.クレジット契約した電話番号からかける
2.受付番号を取得する
3.(1時間以内に)パソコンから番号を入力
4.PDFファイルをダウンロード

2-5.消費者金融からの借金を把握する

株式会社日本信用情報機構(JICC)という信販会社、消費者金融会社、クレジットカード会社、金融機関などが加盟した組織があります。法定相続人が情報開示の手続きを取ることができます。法定相続人が申請をする場合には「郵送開示」のみです。

お問合せ先:0570-055-955
信用情報開示制度について(http://www.jicc.co.jp/kaiji/about-kaiji/index.html

<法定相続人の申し込み>
・信用情報開示申込書
・申請者の本人確認書類
・申請者が法定相続人であることを証する資料
・申込手数料 1,000円

3.多額の借金があった場合の2つの回避方法

ある程度ご自身が許容できる額の借金の場合には、実家等を相続できるのであればご自身で返済を考えることもよくあります。しかし、返済の目途が立たないほどの借金であったり、プラスの財産を加味しても相続をしたくないマイナスの財産の方が多かい場合など、そんなときは「相続放棄」と「限定承認」という2つの回避方法があります。

これらの手続きは自分でやるにせよ、税理士に頼むにせよとても時間がかかります。ご自身が仮に相続放棄をする場合には、次の相続人となる方に連絡をして、その方にも判断や手続きをしていただかなければなりません。借金を把握したらすぐに判断しましょう。
 
では、具体的にみていきましょう。

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相続放棄・限定承認については⇒「遺産相続の放棄ができる期限は3ヶ月!相続放棄の手順と期限切れ対応

3-1.回避①:「相続放棄」とは、相続財産の全てを一切引き継がないこと

相続をする場合には、プラスの財産もマイナスの財産も全て引き継ぐことになります。ただし、相続放棄をすることで、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続できなくなります。借金などマイナスの財産が明らかに多い場合は相続放棄を検討することをオススメします。また、相続放棄はその性質上、相続人一人で行えるためご自身の状況と相続する財産や借金の金額を加味して、ご自身でしっかり判断をしましょう。

<相続放棄の手順>
相続放棄をする場合は、家庭裁判所に申請をする必要があります。

(1)申し立てをする先
亡くなられた方の最後の住民票上の住所地にある家庭裁判所

(2)必要費用
・収入印紙800円分(申述人1人につき)
・連絡用の郵便切手(家庭裁判所に確認)

(3)必要書類
・相続放棄の申述書
・申し立てをする人の戸籍謄本
・亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本
・亡くなられた方の住民票

3-2.回避②:「限定承認」とは、負債額がわからないときに条件つき相続をすること

限定承認とは、亡くなられた方の財産を「プラス財産の範囲内でマイナス財産を相続する」というものです。多額の資産を持っている人には、さまざまな融資や投資の話が舞い込んできますので、場合によっては資産家ほど大きな借金を抱えているケースもあります。
一見、全ての相続において「限定承認」をすればリスクが無いように感じますが、限定承認は他の2つの選択肢と比べて非常に手間がかかりますし、注意も必要です。

<限定承認の煩雑さとは>

限定承認は、非常に手間がかかります。よって実際には、ほとんど活用されてないのが実情です。
限定承認は平成27年度でわずか759件、それに対して相続放棄は189,381件あります。

それは以下の注意点が理由です。

3-2-1.限定承認は相続人全員の合意が必要

「相続放棄」は相続人一人ずつの意思を反映して申し立てができますが、「限定承認」は相続人の誰か一人でも反対している場合には申し立てができません。全員の合意と必要書類の準備がとても大変です。もちろん、合意を取っていたり、資料を準備している間に3ヶ月が過ぎてしまうと単純承認になってしまいます。

3-2-2 限定承認はみなし譲渡所得税が発生し納税が必要

限定承認の場合、株や不動産など亡くなられた方の財産を時価で譲渡したとみなされるため、含み益があると譲渡所得税がかかります。

3-2-3 限定承認は、申し立ての手続きが大変

限定承認の場合には、プラスの財産をお金に変えて借金などの支払いに当てる清算手続きを行わなければなりません。限定承認の不明な点は司法書士に相談すると良いです。

<限定承認の手順>
限定承認をする場合は、家庭裁判所に申し立てをする必要があります。

(1)申し立てをする先
亡くなられた方の最後の住民票上の住所地にある家庭裁判所

(2)必要書類
・限定承認の申述書
・相続人全員の戸籍謄本
・亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本
・亡くなられた方の住民票
・財産目録(借金を含む)

4.まとめ

一番大切にしたいポイントは、3ヶ月がすぎると自動的に借金も背負うことになるということです。

いつの時代も変わることなく、亡くなられた方に借金があるケースは決して珍しい話ではありません。亡くなられた方に借金があった場合には、迅速な状況把握や判断などの処理が求められます。
もしもの場合には、スムーズな対応が必要となることから、相続に詳しい税理士などの専門家をうまく利用しながら進めていかれることをオススメします。

税理士の選び方はこちら⇒「知識がなくても大丈夫!相続税が発生したときの税理士選びのポイント

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