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【はじめての遺産分割】相続で揉めない遺産分割をする4つのSTEP

ご家族が亡くなると遺産分割といって財産の分割をする必要がありますよね。初めてご対応される方は不安だと思いますし、何度もご経験されることでもないため二度目以降であっても手順などを忘れてしまいご不安だと思います。どのように財産を分割したら良いか、手順はどうか、といろいろ疑問や不安もあると思います。

遺産を分割するためには、まずは相続をする方を確定する必要があり、法律で定められた割合などを基準として話し合いで決めていったりします。

遺産分割の考え方や手順を記載しますので、遺産分割をされる際にはぜひ参考にしてください。

1.STEP1:亡くなった方の財産を分割する前に確認する分割の3つの種類

ご両親が亡くなられて遺産相続の手続きを進める場合には、まずは四十九日の法要を目安にして、「遺言の有無の確認」「相続財産の把握」「相続人の確定」の3つが必要です。この3つが整わないと遺産分割の手続きが進みませんので、急いで始めましょう。なお、相続する財産に借金やローンなどが多く、相続をしたくない場合には「相続放棄」の手続きをしましょう。「相続放棄」は3ヶ月以内に手続きが必要ですので期限に気をつけましょう。

詳しくはこちら ⇒ 「遺産相続の放棄ができる期限は3ヶ月!相続放棄の手順と期限切れ対応」

以下の図をもとに、どの遺産分割の方法を利用するか決定して、それぞれの内容を確認しましょう。

図1:遺産分割の選択方法

 

1-1.遺言があった場合に利用する「指定分割」

遺言がある場合には、亡くなられた方の意思を尊重して遺言に記載されている遺産分割の割合を優先させます。この遺言で指定された相続分(相続人が財産をもらえる割合)が、法定相続分(法律で定められた相続の割合の目安)と異なっていても遺言の指定を優先することになります。遺言の効力は、分割の話し合いが終わったあとに遺言が見つかった場合でも、最初からやり直すことになります。よって亡くなられた後には、遺言があるかどうかしっかり確認しましょう。

2:指定分割のイメージ

 

1-1-1.遺言で指定された割合と異なる分割が可能

遺言は亡くなられた方の意思を尊重するものですが、内容を確認した結果として次の2つのパターンの場合には、遺言で指定された割合と異なる分割が可能となります。

①全員の合意により、話し合いで分割をすることに決める場合

遺言の内容を確認したところ、不平等な内容が記載されていた場合には全員の合意があれば、話し合いで分割することに切り替えることができます。不平等なまま相続をすると残った家族間の今後の関係性が悪くなることが想定されたり、遺言作成時と執行時の財産価値(株価・預金残高など)が変わっており、円満な分割とならない時などに、話し合いにすると良いと思います。

②不平等な遺言の場合は、遺留分を基に分割が必要

法定相続分(法律で定められた相続の割合の目安)は、目安であり保証ではありません。一方で、相続する財産の最低限の割合を決めているのが遺留分です。この遺留分を侵害する割合で遺言が作成されている場合には、全員で話し合いまたは遺留分を保証する形で再配分となります。たとえば、「財産はすべてすべて長男に相続させる」など不平等な遺言であった場合には、遺留分の割合を最低限保証できるように財産の分割協議を進めるか、遺留分の減殺請求がされた場合は当事者の合意をするようにします。

詳しくはこちら ⇒ 「知らないと損するかも!?遺産相続における遺留分の権利とは」

3:遺留分のイメージ

1-2.遺言が無い場合に利用する「協議分割」

遺言による指定が無い場合は、相続人全員による「遺産分割協議」という話し合いをおこないます。法定相続分を目安として、「特別受益(生前に他の相続人に比べて多くの財産をもらっている)」や「寄与分(亡くなった方の財産維持や増加に貢献した人へのプラスアルファ)」などを考慮して進めます。ご両親の財産を亡くなった時点の財産を単純に分けようとするのではなく、長い目で見てご家族が平等に財産を受け取れるような配慮であったり、世話をされた方のご苦労や時間について考慮しましょう。

特別受益の例:一人だけ進学した学費、一人だけ土地や車をもらった
寄与の例1:仕事を辞めて介護したことで高額な入院日を免れた
寄与の例2:亡くなった方の事業を無給で手伝っていた

遺産分割協議については、2章・3章でくわしく説明します。

図4:協議分割のイメージ

1-3.協議がまとまらない場合に利用する「調停分割・審判分割」

分割協議は一人でも欠けると成立しません。たとえば音信不通で生きているはずだが戸籍を追いかけても住所が特定できない場合や、遺産分割協議への参加を拒否したり、妨害するために故意に協議への参加をしない相続人がいる場合には分割協議ができません。そんな場合には、家庭裁判所に申し立てをします。遺産分割の協議がこじれた時は「調停分割」、調停分割した結果に対して不服の申し立てがあった場合には「審判分割」となります。

1-4.相続人が1人であれば、分割協議の手続き・書類作成は不要

遺産分割は、相続人が2人以上いる場合におこないます。お一人の場合には不要となります。ただし、本当に相続人が一人であるかを確定するためにも、亡くなった方の戸籍謄本を取得して戸籍をさかのぼり他に相続人がいないことを明確にしましょう。

2.STEP2:遺産分割をするための話し合い「遺産分割協議」の進め方

遺産分割をするために「遺産分割協議」をおこない、話がまとまると「遺産分割協議書」を作成します。この「遺産分割協議」は相続人全員の出席が必須であり、一人でも参加していないと成立しません。認知症の方や未成年の方の参加も必要なため、次の進め方の手順を確認しましょう。

2-1.相続人全員参加での話し合いが必要

遺産分割協議への参加方法に決まりはなく、全員が集まって話し合いをしもよいし、代表者が意見を収集して取りまとめて、メールやFAXでやり取りして合意しても良いです。ポイントは全員でおこなうこと、全員が最後に遺産分割協議書に押印することです。

2-2.未成年・認知症・行方不明者などがいる場合は代理人の参加が必要

未成年者は分割協議に参加できません。また親が相続人の場合には代わりができないため家庭裁判所に「特別代理人」を選任してもらいます。認知症など合理的な判断ができない場合には本人の判断力を医師など専門家に診断してもらい「成年後見制度」を利用して、後見・保佐・補助のいずれかを利用します。行方不明の場合は、7年未満は家庭裁判所に「不在者財産管理人」を選任してもらい、7年以上であれば
家庭裁判所に失踪宣告を申し立て死亡したものとします。

3.STEP3:遺産分割の具体的な4つの手法

遺産分割協議の際に、いざ遺産分割をしようとしても住宅や土地など分割しにくい財産を含め、どのように公平に分割するか困るケースが多くあります。現金だけであれば簡単ですが、財産を公平に分割することはなかなか難しいものです。次の分割方法を参考にして、争いのない相続をしましょう。

3-1.財産をそのままの形で分割する「現物分割」

家と土地は奥様へ、預貯金は長男へ、有価証券は長女へなど個々の財産を各相続人へ配分する方法です。わかりやすく、分割も楽なため財産を現物のまま残せることがメリットである一方、法定相続分にそった分割にしようとすると困難なところがデメリットです。

図5:現物分割のイメージ

3-2.財産を共同で相続する「共有分割」

財産の一部、あるいは全部を相続人全員が共同で所有する方法です。公平な分割が可能で、財産を売却することなくそのまま残せることがメリットである一方で、財産の利用や売却について全員の合意が必要なため自由度が低くなります。また共有財産を長期保有すると、相続人が亡くなると権利はそのお子さんに移るため非常に複雑な利害関係となります。相続時は公平な分割のために利用したとしても、早めに共有名義の解消をされることをオススメします。

図6:共有分割のイメージ

3-3.財産を金銭に換えて分割する「換価分割」

財産を売却して金銭に換え、分割する方法です。公平な分割が可能となるメリットがある一方で、財産の現物が残らなかったり、売却の手間や費用が発生したり、譲渡益に所得税・住民税がかかることがデメリッ
トです。現物分割と組み合わせて利用すると2つの分割のメリットが活かせます。

図7:換価分割のイメージ

3-4.財産をもらった方が差額等を現金で払う「代償分割」

相続人の一人が財産の現物を所有し、他の相続人へ相続分の差額を現金等で支払う方法です。財産の多くが不動産や事業用の資産の場合、後継者に相続させたい場合にメリットである一方で、現物の財産をもらった方が他の相続人へ代償として渡す財産が必要であることから財産が準備できないと成立しないデメリットがあります。

図8:代償分割のイメージ

4.STEP4:話し合いでまとまった内容は「遺産分割協議書」へ落とし込む

最後に、遺産分割協議で決定した内容を「遺産分割協議書」に落とし込みます。ここには誰が何を相続するのか皆が誤解しないように具体的に示します。遺産分割協議書はパソコン等で作成しても可ですが、全員が署名押印して、完了させる必要があります。

図9:遺産分割協議書の例

5.さいごに

遺産分割の流れと、遺産分割を考える際の考え方についてご理解をいただけましたか。

大切なことは、相続人全員が集まって亡くなった方の意思を尊重して財産分割をすることです。相続に関わらずお金に関わることは、もめ事につながることが多いと思います。しかし、財産の分割でもめる事を亡くなった方が望んでいるわけではありません。

今後も家族間の関係を良くしていくためにも、争いのない良き遺産分割をしてください。

もし本記事を読まれた方が、ご自身が亡くなった後の相続についてお悩みの方であれば、遺言を作成してしっかりとご自身の意思をご家族に伝えられるよう準備し、相続を円満に終わらせられるようにしてはいかがでしょうか。

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