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【平成31年3月まで】の特例!贈与税0円で教育資金を贈与する方法

教育資金の贈与に、贈与税0円の非課税枠があることを知ってますか?

ひとりの子どもが幼稚園から大学をすべて公立に通うとすると、その学費は約1,000万円、すべて私立に通うとすると約2,500万円かかるといわれています。とても高額で驚きますよね。お孫さんの将来のため、ある程度の金額が貯まってから渡そうと貯金をしている祖父母の方もいらっしゃると思いますが、まとめて大きな金額を贈与する場合には贈与税の申告と納税が必要となります。

しかし、これから紹介をする「教育資金一括贈与」を利用して贈与をおこなえば、贈与税0円でお孫さんに贈与をすることができるのです。ここでは、制度の内容、贈与税を0円にするために必要なこと、暦年贈与との比較、そして利用時の注意点まで説明します。

注意すべきは、平成31年3月までの特例制度ですので、これから贈与をお考えの方やこの制度の利用をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.教育資金一括贈与なら、1,500万円まで贈与できる!

1-1.教育資金一括贈与の非課税枠は?

「教育資金一括贈与」とは、直系の祖父母や両親から30歳未満の子どもに教育資金を一括で贈与する場合、1人あたり1,500万円までは非課税となる制度です。非課税枠の総額1,500万円のうち、学校等への支払いは最大1,500万円、塾や習い事など学校外への使用は最大500万円が非課税となります。ただし、もらう側の枠が1,500万円のため、夫婦の両家から1,500万円ずつもらわないように注意が必要です。

1-2.教育資金とは?

教育資金とは学校等や学校等以外に直接支払われる次のような金銭をいいます。

【学校等】
幼稚園、小中学校、高校、大学、大学院、保育所、認定子ども園、特別支援学校、外国の教育施設等に直接支払う金銭
① 入学金、授業料、保育料、入学試験の試験料など
② 学用品、修学旅行費、給食費、PTA会費など、教育に付随する必要費用

【学校等以外】
塾やスポーツ教室、文化芸術教室等に直接支払う金銭
③ 塾など教育に関する費用、水泳やピアノなどのスポーツや文化芸術にかかる費用、その施設利用料
④ ③に使用する物品の購入費用
⑤ 通学定期代金
⑥ 留学渡航費、入学や編入学に必要となった転居の際の交通費等

図1:教育資金の一括贈与の非課税枠
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2.贈与税0円で贈与するために必要な4つ条件

教育資金一括贈与を利用して贈与税を支払わずに贈与を行うには条件があります。これから記載する4つの条件を全てクリアすれば、贈与税はかかりません。

2-1.条件1:直系尊属であること

教育資金一括贈与は子ども・孫からみて直系尊属からの贈与でなければなりません。具体的には、贈与を受ける子ども・孫からみて自分の祖父母・両親から30歳未満の直系のお子さん・お孫さん等への贈与をいいます。

2-2.条件2:専用口座を作成すること

金融機関に専用の教育資金口座を開設する必要があります。この口座は贈与を受けるお子さん・お孫さん1人につき1口座しか開設できません。各銀行等の金融機関ごとに1人1口座開設できるとお間違えの方が多くいらっしゃるので、注意が必要です。

2-3.条件3:領収書を金融機関に提出すること

教育資金口座から現金を引出すには、口座を開設した金融機関に領収書の提出が必要です。領収書を確認し教育費用に使用したと認められると、口座より現金の引出しが可能になります。

2-4.条件4:預入れた金額を使い切ること

作成した教育資金口座に預入れた金額は、お子さん・お孫さんが30歳になるまでに使いきらなければなりません。教育資金口座は贈与を受けた方が30歳になるまでしか利用できません。使いきれなかった場合には、残額に対して贈与税がかかってしまいます。

3.暦年贈与と比較した3つのメリット1つのデメリット

暦年贈与とは1月1日から12月31日の1年間に受けた贈与財産の合計額が110万円以下の場合に、贈与税が非課税となる制度です。110万円を超える場合には贈与税の計算が必要となります。

例えば、孫へ1年間に1,500万円の贈与をおこなった場合の計算は次のとおりです。贈与税は450.5万円かかることになります。

計算式の考え方と税率表(一般税率)をあわせて表記します。

図2:孫に1,500万円を贈与した場合の贈与税の計算。
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図3:贈与税の計算式
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表1:贈与税税率表(一般税率)
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これをふまえて、暦年贈与と比較した教育資金一括贈与のメリット・デメリットを見ていきましょう。

3-1.メリット① 贈与税がかかりません

教育資金一括贈与の場合、先述した4つの条件をクリアしていれば、贈与税はかかりません。
教育資金口座に設定していないお孫さんの口座に一括で1,500万円を入金した場合は、暦年贈与に該当し、上記計算の通り450.5万円の贈与税を支払わなければなりません。贈与税がかからないというのは、教育資金一括贈与の最大のメリットです。

3-2.メリット② 贈与財産の使用を教育目的に限定できます

教育資金口座から現金を引出す場合、教育費用に使用したと証明する領収書の提出が必要です。暦年贈与ですと、お子さん・お孫さんが贈与財産を自由に引出して使用できてしまいます。贈与をしたいけれど娯楽目的で使われてしまうのは嫌だなとお考えの方には、預入れた財産を教育以外の目的に使用されることがない教育資金一括贈与はオススメの贈与方法です。

3-3.メリット③ 相続税の節税対策にもなります

暦年贈与は贈与者が亡くなった場合、相続開始前3年以内の贈与について相続財産に組み込まれますが、教育資金一括贈与で贈与した財産は、相続財産には組み込まれません。お孫さん1 人につき1,500 万円の贈与ができるので、例えば4 人のお孫さんに1,500 万円ずつ贈与した場合、相続財産を6,000 万円節税することができます。

3-4.デメリット① 制限の多い贈与方法です

教育資金一括贈与は30歳未満の直系のお子さん・お孫さんにしか利用できません。また(3-2)にも記載した通り、教育費用以外の目的にも使用できません。使用目的を制限したくない方にとってはデメリットになってしまいます。

お子さん・お孫さん以外に贈与をしたい場合や、お子さん・お孫さんが30歳を超えている場合、贈与財産をどのような目的にも使用できるようにしたいとお考えの場合には、教育資金一括贈与はニーズに合わない贈与方法となるでしょう。

表2:比較表
教育資金一括贈与 暦年贈与

非課税額と1,500万円贈与した場合の税額

1,500万円まで非課税
贈与税0円

年間110万円まで非課税贈与税450.5万円

贈与財産の使用目的 教育費用のみしか使用できない 自由に使用できる
相続財産との関係 相続財産に組み込まれない

相続開始前3年の贈与は相続財産に組み込まれる

受贈者の制限

30歳未満の直系のお子さん・お孫さんのみ

制限なく誰でも贈与できる

4.制度利用の5つの手順

教育資金一括贈与の利用手順を説明していきます。

① 銀行や信託銀行などの金融機関で契約と口座開設を行います。

② 教育資金非課税申告書を受贈者の納税地の税務署に提出をします。
※教育資金非課税申告書は、口座開設をおこなった金融機関が税務署へ提出してくれます。必要書類を準備して金融機関で申告書の記入を行うだけで大丈夫です。

③ 教育資金非課税申告書の提出完了後、贈与財産を預入れます。
※1,500万円に達するまでなら、一括ではなく追加で預入れも可能です。ただし預入れる都度、手続きが必要となります。

④ 教育機関等に教育費用を支払い、領収書をもらいます。

⑤ 教育機関等に支払いをした際の領収書を金融機関に提出し、教育費用に使用したと確認が完了後、口座から現金を引出すことができます。(この方式を後払方式といいます。)
※領収書の提出と引き換えに口座から現金を引出せる「後払方式」が主流ですが、金融機関によっては必要額を引出して使った分の領収書を後日提出する「事前支払方式」を用意しているところもあります。「事前支払方式」はあらかじめ現金の準備をする必要がないですが、引出した額と使った額に相違がある場合など、管理が煩雑になることもあります。

図4:制度利用の5つのステップ

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5.教育資金口座が終了となる3パターン

教育資金口座が終了となるのは、次の3パターンです。

5-1.受贈者が30歳になった時

教育資金口座の使用期間はお子さん・お孫さんが30歳になるまでですので、30歳になった時に教育資金口座は使用できなくなります。

5-2.受贈者がお亡くなりになった時

お子さん・お孫さんが亡くなった時、教育資金口座は終了になります。

5-3.教育資金口座の使用を終了させる時

① お子さん・お孫さんが30歳になるまでに預入れた1,500万円を使いきった場合
② 預入れた額は1,500万円未満だが、それを使いきり、この先は追加の贈与をしない場合
③ 口座に残高があるが、もう教育費用に使用しない場合

6.教育資金口座終了時に贈与税がかかる2パターン

① お子さん・お孫さんが30歳になった時に、口座残高がある場合
② 教育資金口座の使用を終了させる時に、口座残高がある場合

この2パターンに該当し、口座残高が110万円を超えていると、教育資金口座の残高に贈与税がかかってしまいます。または非課税額内の場合は、下記の税率表(特例税率)をもとに教育資金一括贈与の贈与税額を計算します。計算方法は、暦年贈与と同じです。

例えば、孫が30歳になった時に200万円残っていた場合の計算は次のとおりです。贈与税は20万円かかることになります。

計算式の考え方と税率表(特別税率)をあわせて表記します。

【計算式】 口座に200万円残った場合の贈与税の計算。

(200万円-110万円)×10%=9万円

表3:贈与税税率表(特例税率)
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7.制度利用時の注意点

贈与税がかからないからといって張り切って贈与をおこなってしまい、思わぬトラブルになってしまうケースもありますので、注意をしましょう。

7-1.贈与しすぎてしまった

非課税枠最大の1,500万円を贈与したが、老後資金が足りなくなってしまったので解約をしたいと思っても、解約できない場合がほとんどです。また、お孫さんが30歳までに使いきれかなった場合は贈与税がかかってしまいます。いくら贈与するのかはご家族内でよく話し合ってから決めましょう。

7-2.家族間のトラブルになってしまった

口座はお子さん・お孫さん1人につき1口座しか開設できませんので、1人の贈与者が最大額の1,500万円を贈与してしまうと、他の方は教育資金の贈与がおこなえなくなります。1,500万円以内であれば、直系尊属内の複数の方から教育資金口座に贈与をおこなうことができます。贈与者1人で1,500万円贈与をおこなうのか、複数の贈与者から贈与をおこなうのか決めておくことで、トラブルを防ぎましょう。

8.まとめ

お子さん・お孫さんが30歳になるまでに使いきれば贈与税がかからない、贈与財産の使用は教育目的のみという、教育資金一括贈与の特徴をご理解いただけたでしょうか。

高齢であったり健康に不安を感じている場合は贈与を継続しておこなえない可能性があるので、元気なうちに一括して非課税で贈与ができるということが、この制度の最大のメリットといえるでしょう。

銀行での手続きや領収書の提出が必要などの手間はありますが、ぜひこの制度を利用して贈与税0円で贈与をしてみてはいかがでしょうか。

 

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