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不動産・車など相続したらすぐに名義変更をすべき3つのポイント

親父が亡くなってから、すでに3ヶ月かぁ。
ばたばたと葬儀や相続の手続きをしているとあっという間に日が過ぎていくなぁ。

あっ、待てよ。
相続の分割は終わったけど、実家の不動産を母親の名義に替えたり、自分がもらった親父の愛車は、まだ名義が親父のままだ!
そもそも、名義変更って誰に相談したら良いのだろうか。。。。

誰かが亡くなったら相続財産の分割を話あって決めたうえで「遺産分割協議書」の作成が必要です。その後、必要に応じて財産を各相続人の名義に変更をしていきます。

名義変更必須ではありませんが、名義変更をしないことで末代に迷惑をかけてしまうケースも珍しくありません。相続したら早めに実施されることをお勧めします。

不動産(家や土地)、車など名義変更が発生した場合には、本記事を参考に手続きを進めてください。

1.相続財産の分割が決まったら名義変更をしよう

ご両親など誰かが亡くなると、財産を分割する協議が始まります。主な分割には「遺言による指定分割」「話し合いで決める分割協議」「調停・審判による分割」があります。いずれにしても、誰が何をどれだけ相続するか決まったら、遺産分割協議書を作成します。その後、必要に応じて名義変更をおこなうことになります。

1-1.名義変更が完了するとご自身の所有になります

例えばお父様が亡くなられた場合に、お父様の名義のままの自宅に住んでいたり、お父様の名前のままの車にのっていたりしても法的な問題はありません。ただし、いくら分割の協議をして実家の不動産を自分が相続することになったり、車を相続することになっても、第三者には分からないことです。名義を変更してはじめてその財産は自分のものだと主張できるようになります。

1-2.名義変更には期限が無い

登記(名義変更)について、手続きをする義務はありません。よって、期限もありません。ただし、名義変更をしないとできないことや、デメリットもありますので確認して早めに対応をしましょう。

1-3.名義変更をしないとできないこと

相続しても名義変更をしないと次のことができません。いざやろうと思っても相続した財産の名義変更はすぐにはできないため、注意が必要です。

<不動産の場合>
・名義変更をしないと相続した土地や家の売却ができない
名義変更をしないと相続した土地や家を貸すことができない
・名義変更をしないと相続した土地に家を担保に設定できない

名義変更をしないと相続した土地に家を建てられない

<車の場合>
・名義変更をしないと相続した車を売れない
名義変更をしないと相続した車を廃車にできない

1-4.名義変更をしないことのデメリット

相続で受け取った財産は、多くの非課税枠や特例があり税金を収めずに相続できるラッキーなケースが多くあります。一方、名義を変更する際に、本当に相続で受け取った財産の名義を変更しようとしているのか。など、状況をしっかりと証明することが手間だったりします。

1-4-1.名義変更を忘れたまま「遺産分割協議書」を無くすと全員に印鑑をもらいにいくことに!

相続の際にはみなで話し合った末に分割したことを証明するため「遺産分割協議書」を作成します。また名義変更には、この「遺産分割協議書」の書類が必要です。これを紛失してしまうと話し合った相続人全員に再び押印のお願いに行かないといけなくなります。具体的にいうと、当時押印した相続人の一人(例えば兄弟)が亡くなられた場合、その奥さんやお子さんにも押印をもらいにいくことになります。

1:分割協議書のサンプル
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1-4-2.知らない間に売られたり、他人名義になってしまうことも!

相続をしたあとも、名義を変更しないと相続人の共有状態となります。そうなると、分割協議書をもっている兄弟などが勝手に売却してしまう可能性があります。気づいたら他人のものだったというケースともありますので、ぜひ早く手続きをしましょう。

2.名義変更が必要な財産はたくさんある

銀行の預金口座に、土地や家、車など財産の所有者が決まっているものについては、名義変更が発生します。では、具体的に申請の窓口や申請に必要な書類について確認しましょう。

2-1.預貯金名義変更・解約の手続きをしましょう。

亡くなった方の預貯金の口座は、一部の相続人が勝手に預金を引き出したりすることを防止するために、金融機関が口座を凍結する話を聞いたことがあるでしょうか。この話は比較的良く知っている方もいると思いますが、凍結した口座の名義変更や解約は相続の分割方法によって必要書類が異なることはあまり知られていません。これらを準備して対応をしましょう。

表1:預貯金口座の名義変更・解約に必要な書類
分割協議 遺言 調停・裁判

・各金融機関の払い戻し請求書
・亡くなった方の預金通帳・届出印
・亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本・住民票
・相続人全員の承諾書・印鑑証明書
・遺産分割協議書

・遺言書
・亡くなった方の除籍謄本
・受遺者の印鑑証明書
亡くなった方の預金通帳・届出印

・家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本
・亡くなった方の戸籍謄本と印鑑証明書
・亡くなった方の預金通帳・届出印

2-2.不動産の名義変更「所有権移転の登記」をしよう。

確実に自分のものにするために早めに登記の手続きをしましょう。また相続する不動産が遠方にあるなど、法務局に出向く必要があり大変なため、その場合には司法書士に依頼しましょう。

表2:不動産の名義変更に必要な書類
財産の種類 申請窓口 必要な書類など
土地・建物 登記する不動産所在地を管轄する登記所(窓口or郵送)

・登記申請書
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本・住民票
・遺産分割協議書
・固定資産税評価証明書

・登録免許税の納付も必要

2-3.そのほかの財産・各種名義変更手続きをしよう。

亡くなった方の名義を変更すべきものは、いろいろあります。これらを参考にしてぜひご自身で手続きをしましょう。

表3:その他の財産・各種名義変更手続きの一覧
財産の種類 申請窓口 必要な書類など
自動車 相続する人の住所を管轄する運輸支局・自動車検査登録事務所 ・申請書
・亡くなった方の除籍謄本
・新使用者の戸籍謄本と印鑑証明書
・車検証
・新使用者の保管場所証明書
・自動車税申告書
・自賠責保険証明書
・遺産分割協議書
・代理人の申請時は委任状
・登録手数料500円 など
電話加入権 通信会社 ・加入継承届など届出用紙
・亡くなった方の謄本
・死亡診断書
・相続する方の印鑑
・遺言がある場合は写し など
NHK受信契約 NHK ・名義変更は電話でOK
・引き落とし口座が変わる場合は所定用紙の提出
クレジットカード クレジット会社 ・電話連絡をして機能を停止する
ゴルフの会員権 所属のゴルフ場

・名義書換依頼書
・亡くなったことが確認できる戸籍謄本
・遺産分割協議書
名義書換料が必要な場合がある

生命保険・損害保険契約 保険会社 ・保険会社所定の名義変更請求書
・保険証券
亡くなった方の戸籍謄本
・相続人の印鑑証明書
借地権・借家権 地主・家主 ・権利を継承したことを連絡。
 契約書の名義変更をおこなう
※名義変更料は不要
電気・水道・ガス 電力会社・ガス会社・水道局 ・料金のお知らせに記載の「お客様センター」へ連絡

3.名義変更の手順を知ろう

名義変更はご自身でも十分に対応が可能なものです。ただし、いろいろな書類をあつめたり、書類の記載ミスがあった場合には、法務局の方と何度もやり取りをすることになりますので手間がかかります。また、ご自身で名義変更の手続きをする場合に、一番ネックとなり断念することにつながるのが、「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本」の取得です。

3-1.相続登記(不動産の名義変更)の手順

「2-2. 不動産の名義変更「所有権移転の登記」をしよう」に記載した必要書類を準備して、実際に手続きをする方法は次のとおりです。

ネックとなる「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本」は、まずは最後の戸籍謄本を取ります。そこには、移転前の市町村が書かれているため、次はその市町村に戸籍謄本の依頼をします。この作業を出生の地域にたどり着くまでずっと繰り返していきます。この作業が面倒で諦める方が多くなります。
また出生地まで遡る間に、過去の結婚歴や子どもが居たことなどが発覚する場合があります。

 

表4:相続登記(不動産の名義変更)の手順
流  れ 対応内容
①登記の申請準備

(A)登記申請場所を調べる:
・登記する不動産の所在地を管轄する登記所

(B)費用書類をそろえる: 
<作成するもの>
・登記申請書
⇒申請者が自分で作成(図2)。A4用紙横書き。
 法務局提出用と控えの2部を作成する。
・遺産分割協議書
⇒相続人全員が文書で分割内容を確認して押印したものが良い。(図1)

<集めるもの>
・亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
 ⇒現在の戸籍を起点として、戸籍の変更があった分だけ集める。
  いわゆる転勤族の場合は、収集にとても手間がかかる。
 ⇒相続関係説明図を作成すると登記の調査後に戻ってくる。
・相続人全員の戸籍謄本・住民票
 ⇒ご自身のものを取りに行く
・固定資産税評価証明書
 ⇒相続する土地の市町村の窓口で取得する

②登記の申請をする

登記する不動産の所在地を管轄する登記所に行くor郵送する

③登記の審査

提出書類に不備があった場合には、呼び出しを受ける場合がある

④登記の完了

指定の日に法務局に出向き結果を確認。問題が無ければ完了。
「登記識別情報通知」が発行されるので保管する。

2:登記申請書のサンプル
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3-2.相続登記(不動産の名義変更)の主な費用

・登記事項証明書代       :600円/1物件
・戸籍・住民票・評価証明書代など:数千円
・登録免許税          :固定資産税の1000分の3
・その他 交通費or郵送代など :数千円

3-3.手続きが面倒な時は司法書士にお願いしよう

いわゆる転勤族などの場合には、出生から死亡までの戸籍謄本をとる手間が大変となります。また時間がない場合は1ヶ所であっても大変だと感じたり、各種書類を準備することが手間だと感じることもあります。そんなときには、不動産の名義変更を司法書士に依頼すれば、一緒に戸籍の収集をしてくれます。また、名義変更を依頼すれば、収集については実費のみでサービスで対応してくれるケースも多いです。一般的に不動産の名義変更は、5万円~10万円の範囲です。

4.まとめ

期限が無いもの、いつやってもいいもの。
こういった手続きは、後回しにしてしまうことが多いのではないでしょうか。

不動産・車といった相続で得た財産については、すぐに名義変更をしないと思わぬトラブルになったり、末代にとても迷惑をかけたりすることもお分かりいただけたと思います。

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本集めは、かなり骨が折れる作業ではありますが、これをクリアできれば自分での手続きも可能です。

相続で得た財産を、奥さんやお子さんに確実に遺してあげるためにも、忘れずに名義変更をしましょう。

 

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