相続 名義変更
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相続した財産の名義変更が分かる!家、土地、車、そのほかの財産の手続きをまとめてご紹介

ご家族が亡くなられて相続が発生すると、その方の財産を相続人の方が引き継ぎます。
そして、財産によっては亡くなられた方の名義から引き継いだ方の名義に変更をします。

相続の名義変更というと、家や土地、車などの大きなものをイメージしやすいですが、それ以外の財産にも名義変更があります。

相続手続き後の名義変更は必須ではありませんが、相続の際に名義変更をしないことで末代に迷惑をかけてしまうケースも珍しくありません。相続したら早めに名義変更を実施されることをお勧めします。

当記事では、家や土地、自動車、預貯金の名義変更の手続きに加え、それ以外の電話や保険、光熱費の名義変更についてもご紹介いたします。

1.相続による名義変更は早めに行う

相続により亡くなられた方の名義の財産を相続人の方が引き継いだからと言って、名義変更を行わなくてはいけない義務や期限はありません。しかし、名義変更をしないままでいると、困るケースがあります。

家や土地、自動車などを売却する場合には、所有者の許可が必要になりますので、亡くなられた方の名義のままでは売却できません。
また、土地や不動産を相続して名義変更をせずに時間が経過し、ご自身が亡くなり次の相続が発生します。その時、名義変更が終わっておらずご両親の名義のままでいると、お子さんはご自身のご兄弟や場合によってはそのお子さんから名義変更の署名と捺印をもらう必要があります。名義変更を放置しておくことは、先々の手続きを非常に煩雑にします。

<名義変更をしないことで起こる問題>
①相続財産の売買や賃借契約ができない
②家や土地を担保にできない
➂相続した土地に家を建てられない
④子や孫の代の相続時に相続人が増える
⑤財産の処分ができない

図1:2世代に渡り名義変更をしていなかった結果、相続人が9人になることもある
遺産相続 2世代に渡り名義変更をしない結果イメージ

2.家や土地の名義変更(相続登記)の方法

相続した家や土地の名義変更を行うことを「相続登記」といいます。法務局に登記されている家や土地の所有者の名前を変更する手続きです。手順や登記に必要な書類を確認し、ご自身でできそうか専門家に依頼するか判断します。


2-1家や土地の相続登記完了までの5ステップ

家や土地の名義変更(相続登記)を完了するための手順は5つのステップです。
この手順に従って手続きを進めていただければご自身でもできますが、必要な書類が多いことや、書類にミスがあると法務局の方と何度もやり取りを行わなければいけませんので、不安な方は司法書士に依頼することをおすすめします。

図2:土地の名義変更5ステップ
遺産相続 土地の名義変更の流れ

※不動産の相続登記について詳しくはこちらをご覧ください。(当サイト内)
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2-2不動産の相続登記にかかる費用と必要書類

相続登記にかかる費用は以下の通りです。

・登記事項証明書代       :600円/1物件
・戸籍・住民票・評価証明書代など:数千円
・登録免許税          :固定資産税の1000分の3
・その他 交通費or郵送代など :数千円

相続登記に必要な書類は以下の通りです。

<作成するもの>
遺産分割協議書⇒相続人全員が文書で分割内容を確認して押印したものが良い。
登記申請書⇒申請者が自分で作成。A4用紙横書き。法務局提出用と控えの2部を作成する。

<用意するもの>
亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本⇒現在の戸籍を起点として、戸籍の変更があった分だけ取得する
亡くなられた方の住民票の除票⇒亡くなられた方が不動産の所有者という事を証明する
相続人全員の戸籍謄本・住民票⇒ご自身のものを取りに行く
固定資産税評価証明書⇒相続する土地の市町村の窓口で取得する

図3:登記申請書書き方例
登記申請書のサンプル

3.自動車の名義変更の方法

続いて、亡くなられた方の名義の自動車を相続する場合の名義変更手続きについてご紹介します。
自動車も名義変更しなければ、売却したり処分したりすることができません。

3-1.自動車の名義変更完了までの5ステップ

亡くなられた方の自動車の名義変更完了までの5ステップです。

【自動車の名義変更5ステップ】
①自動車の所有者を確認する
②誰が相続するのか”新所有者”を決める
③遺産分割協議書を作成する
④自動車を相続するための必要書類を集める
⑤陸運局(運輸局)へ手続きに行く

3-2自動車の名義変更にかかる費用と必要書類

自動車の名義変更にかかる費用は以下の通りです。

<自動車の名義変更費用>
・移転登記手数料         :500円程度
・新しく所有する相続人の印鑑証明書:300円程度
・新しく所有する相続人の車庫証明書:2,600円程度
・ナンバープレート代       :1,500円程度(管轄が変わる場合のみ)

この他、状況により下記の費用が必要となります。
・専門家(司法書士など)やディーラーに依頼する場合の代行費用⇒総額3万円程度
・戸籍謄本一式(亡くなられた方と引き継ぐ方)
・自動車取得税⇒車を新たに所有する方にかかる税金。車種や経過年数によって異なる。

<自動車の名義変更必要書類>
①普通自動車を特定の一人が相続する場合(査定金額100万円超)
②普通自動車を特定の一人が相続する場合(査定金額100万円以下)
③軽自動車の場合

表1:普通自動車を特定の一人が相続する場合(査定金額100万円超)の必要書類

必要書類など 取得先 備考
亡くなられた方の自動車検査証 有効期限があるもの
亡くなられた方の死亡が確認できる戸籍謄本または除籍謄本など 役所 500円程度
※遺産分割協議の際に取得してる場合が多い
相続する方全員の記載がある戸籍謄本 役所
新しく所有する相続人の印鑑証明書 役所 300円程度
新しい所有する相続人の車庫証明書 ※1 管轄の警察署 発行後40日以内 2,600円程度
ナンバープレート ※2 陸運局 管轄が変わる場合のみ1,500円程度
委任状 ※3 名義変更手続きを第三者に委任するもの
所有する相続人の実印を押印
遺産分割協議書 全員の署名と捺印のあるもの

※1車庫証明:新しい所有者の車庫証明の取得が必要。同居家族の方が相続する場合で、 自動車の保管場所に変更がなければ不要となる場合がある。
※2ナンバープレート:管轄する陸運局が変更になる場合には、新しい陸運局で取得し、手続きの際に現在の陸運局まで持参する
※3委任状:名義変更手続きをご自身ではなくご家族や専門家等に依頼する場合に必要(書式は自由)

4.名義変更が必要なそのほかの財産

土地や家、車などの財産のほかにも、名義変更が必要な財産はたくさんあります。では、具体的に申請の窓口や申請に必要な書類について確認しましょう。

4-1預貯金の名義変更・解約

亡くなられた方の預貯金の口座は、一部の相続人が勝手に預金を引き出したりすることを防止するために、亡くなられたことを知ると金融機関はその方の口座を凍結します。
凍結した口座の名義変更や解約は相続の分割方法によって必要書類が異なります。

表2:預貯金口座の名義変更・解約に必要な書類

分割協議 遺言 調停・裁判

・各金融機関の払い戻し請求書
・亡くなった方の預金通帳・届出印
・亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本・住民票
・相続人全員の承諾書・印鑑証明書
・遺産分割協議書

・遺言書
・亡くなった方の除籍謄本
・受遺者の印鑑証明書
亡くなった方の預金通帳・届出印

・家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本
・亡くなった方の戸籍謄本と印鑑証明書
・亡くなった方の預金通帳・届出印

※預金の相続手続きについて詳しくはこちらをご覧ください。(当サイト内)
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4-2電話やクレジットカード、光熱費など

預金以外にも亡くなられた方の財産で名義変更が必要なものはあります。ご確認ください。

表3:そのほかの財産の各種名義変更手続きの一覧
財産の種類 申請窓口 必要な書類など
電話加入権 通信会社 ・加入継承届など届出用紙
・亡くなった方の謄本
・死亡診断書
・相続する方の印鑑
・遺言がある場合は写し など
NHK受信契約 NHK ・名義変更は電話でOK
・引き落とし口座が変わる場合は所定用紙の提出
クレジットカード クレジット会社 ・電話連絡をして機能を停止する
ゴルフの会員権 所属のゴルフ場

・名義書換依頼書
・亡くなったことが確認できる戸籍謄本
・遺産分割協議書
名義書換料が必要な場合がある

生命保険・損害保険契約 保険会社 ・保険会社所定の名義変更請求書
・保険証券
亡くなった方の戸籍謄本
・相続人の印鑑証明書
借地権・借家権 地主・家主 ・権利を継承したことを連絡。
 契約書の名義変更をおこなう
※名義変更料は不要
電気・水道・ガス 電力会社・ガス会社・水道局

・料金のお知らせに記載の「お客様センター」へ連絡

5.まとめ

亡くなられた方の財産の名義変更には義務や期限は設けられていません。
しかし、そのままにしておくと土地や家、自動車などは売却などの契約ができません。また、相続が1回、2回と増えるごとにその財産を相続する権利のある相続人が増えて手続きが煩雑になります。
期限はありませんが、なるべく速やかに名義変更手続きを行いましょう。

手続きはご自身でも十分対応が可能です。しかし、戸籍謄本をはじめ色々な書類を集めたり、平日に役所に行かなければならなかったりと、慣れない作業に手間取ってしまうこともあるものです。そのような場合は専門家に依頼することをおススメします。

不動産の名義変更(相続登記)であれば司法書士に、相続税の申告が必要な場合は名義変更もまとめて税理士に依頼することができますので、無理なく行える方法を検討しましょう。

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