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マンションは相続税の計算でどう評価する?相続と一緒に考える3つのポイント

相続の際、不動産は土地と建物を評価して財産の額を決める。と聞くことも多いと思います。一戸建てを購入していれば何となく評価の見当がつきそうですが、マンションは共用部もあり相続税を考える際にどのように財産評価をしたら良いのでしょうか。

また、マンションを購入すると相続税対策になるという話を聞いたことがあると思います。
マンションを購入することによって、相続税を安くできるという話は、ウソではありません。しかし、本当に相続税の対策となるのかどうかリスクも把握できなくてちょっと怖いですよね。

マンションの評価方法がわかると、ご自身が住んでいるマンションの相続税に対する考え方や今後賃貸物件に切り替えるか売るかの考え方などを含めた不動産投資の考え方も分かります。

ただし、不動産は株と同じように、価格が下がるリスクがあります。相続税の節税と、投資のリスクは別ものとして考える必要がありますので、投資の場合はリスクについてしっかり検討しましょう。

ここでは、マンションの評価方法と相続時の節税につながる理由をご説明していきます。

1.マンションは相続税を計算するときに、土地・建物を評価する

相続税の計算をする際には、現金・預金については相続開始時点の残高そのもので計算しますが、土地・建物などの不動産の場合には、買った時や売った時の値段ではなく、相続税を計算するために定められている評価の方法で計算します。

1-1.マンションと一戸建ての相続税評価の方法は同じ

マンションを買うときは、何階のどの間取りにしようかを決めて購入するので、建物のご自身が所有されている居室内だけを購入したと思いがちです。でも、マンションを買うと、敷地権といいマンションの土地の一部も一緒に買うことになります。この敷地権は、マンション購入者全員で分けますが、専有部分(ご自分の購入した部屋)が占める割合に応じて敷地権割合を決めます。

よって、マンションの評価にも土地の評価は不可欠となることから、一戸建てでもマンションでも相続税の評価方法は同じとなり、建物は固定資産税評価額、土地は路線価を基準に評価します。ただし、土地の扱いは一戸建ての場合は所有している面積全部を計算するのに対して、マンションの場合は敷地権の割合分だけを計算し評価価額を求めます。参考として、路線価は国税庁が毎年発表している道路に面する土地を評価するための価格です。

路線価はこちら ⇒ 「国税庁:路線価図・評価倍率表」
  

不動産の相続税評価は、次のようになります。

<建物の評価>
 
共通:固定資産税評価額

<土地の評価>

一戸建て:路線価×面積
マンション:路線価×(マンション全体の面積×敷地権割合)

1-2.相続税評価額は、購入金額よりも低くなる

路線価は、時価(実際の取引価格)の80%程度、固定資産税評価額は、時価の70%程度に設定されていると言われています。よって、同じ額を現金で手持ちしているより、不動産に変えた場合には評価額が下がり、結果として相続税を抑えることが期待できます。

5,000万円の現金を持っている場合と、5,000万円のマンション(敷地権2,500万円、建物 2,500万円)を購入した場合の相続税の対象となる相続財産の評価額を見てみましょう。

<現金の場合>

5,000万円の価値のまま

<マンションを購入した場合>

この具体例では、購入時の時価は5,000万円、相続税評価額は3,750万円となり、その差は1,250万円になります。購入すると同時に、土地と建物の財産評価額は購入金額から路線価と固定資産税評価額に代わります。
 

購入時の時価 相続税評価額
総額(土地+建物) 5,000万円 3,750万円
土地(敷地権) 2,500万円 2,000万円
建物 2,500万円 1,750万円

1-3.タワーマンションの購入にはご注意を!

マンションを購入することで、相続税の評価額が下がり、相続税が安くなることをご説明しましたが、その効果がより顕著に表れるのが、タワーマンションの高層階になります。

1-3-1.タワーマンション節税は本当の話

建物の固定資産税評価額は、基本的には、構造(木造や鉄筋コンクリートなど)や広さなどで決定されることから階数と固定資産税評価価額に関係性がありません。よって、高層階ほど購入代金が高くなり売るときも高く売れるにも関わらず、土地の敷地権割合や固定資産税評価額が低層階と同じ考え方となることから、所有している間の価値だけを下げておくことができます。よって、加えてマンションは特に駅地下の場合には換金性が高いため、節税策として高層階を購入する富裕層の方が増えてきました。

1-3-2.相続直前のタワーマンション購入は指摘される可能性が高い

相続直前にタワーマンションを購入し、その後相続が発生し、あまり期間を置かずに売却すると、税務署からは、マンションの評価額ではなく時価(取引価格)で申告するよう指摘を受ける可能性があります。このようなタワーマンション節税を利用した極端な節税をしたことで、税務署側と納税者側で争った事例もありますが、結局納税者側が負けています。タワーマンションを使った極端な節税方法は、価値の変動とあわせリスクがありますので、十分に検討して利用しましょう。

1-3-3.平成30年(2018年)以降に課税される物件から高層階の固定資産税が高くなる

平成29年度の税制改正により、平成30年以降に課税されるタワーマンション(20階建て以上/60メートル以上)の新築物件については、固定資産税の見直しがあります。高層階が増税、低層階が減税となります。1階上がるごとに0.26%高くなることから、1階と40階を比較すると10.4%、1階と50階を比較すると13%の税金が高くなります。1階が減税となることから単純増ではありません。

1-4.マンションを賃貸に出しても評価が下がる

現金を不動産に変えることで、評価額が下がることがわかりましたが、その不動産を賃貸に出すことにより、さらに相続税評価を下げることができます。建物を第三者に貸す場合、建物を借りている人には「借家権」という権利が発生します。このような状態の建物を「貸家」といい、その敷地は「貸家建付地」といいます。

それぞれの評価は、次のようになります。

建物(貸家):固定資産税評価額×(1-借家権割合)
土地(貸家建付地):路線価×マンション全体の敷地×敷地権割合×(1-借地権割合×借家権割合)

※借家権割合は一律30%
※借地権割合は路線図に記載されている割合

そうすると、建物については相続税評価額からさらに30%、土地については相続税評価額からさらに約20%程度の減額が見込めます。

<具体例>

5,000万円のマンション(敷地権2.500万円、建物 2,500万円)を購入して賃貸に出した場合

購入時の時価 相続税評価額 賃貸で貸した場合の評価
総額(土地+建物) 5,000万円 3,750万円 2,825万円
土地(敷地権) 2,500万円 2,000万円 1,600万円
建物 2,500万円 1,750万円 1,225万円

この具体例では、時価5,000万円のマンションが、最終的には2,825万円の評価額になり、その差は2,175万円で、56%も評価額が下がるということになります。

2.小規模宅地等の特例の適用があればさらに相続税が安くなる

先に説明のとおりマンションには敷地権という土地があります。建物が建っている土地=宅地には、小規模宅等の特例の適用が可能です。ここでは、小規模宅地等の特例という相続税を計算するときにだけ使える特例をご紹介します。

2-1.小規模宅地等の特例の概要

小規模宅地等の特例とは、亡くなった方または亡くなった方と生計を一にしていたご家族の居住用や事業用として利用されていた宅地等のうち、決められた利用区分と面積内であれば相続税を減額するという
ものです。

利用区分 減額割合 限度面積
特定事業用宅地等 80% 400㎡
特定居住用宅地等 80% 330㎡
貸付事業用宅地等 50% 200㎡

2-2.広い郊外の敷地から都心のマンションに住み換えて節税を

小規模宅地等の特例のうち、亡くなった方や亡くなった方と生計を一にしていたご家族の居住用の土地については、奥様や同居している親族などが相続すれば、その敷地(330㎡まで)の評価額が80%も減額
されます。つまり、マンションの敷地の相続税評価額が2,000万円であれば、1,600万円評価額が下がり、土地の評価額は400万円になります。

仮に、ご自宅の敷地が郊外など330㎡を超える場合には、思い切って都心のマンションに住み替えると、より節税効果があります。具体例で確認してみましょう。

<具体例>

郊外の500㎡の敷地               
評価額 5,000万円(路線価 100,000円)  
小規模宅地等の減額 5,000万円×330㎡/500㎡×80%=2,640万円

都心のマンションの敷地権50㎡
評価額 5,000万円(路線価 1,000,000円)
小規模宅地等の減額 5,000万円×80%=4,000万円

以上から、土地の評価額が同じ5,000万円でも、小規模宅地の減額では、500㎡(郊外)では2,640万円、50㎡(都内のマンション)では4,000となり、単価の高い土地の方が1,360万円の減額ができます。

2-3.賃貸に出している場合でも50%の減額が可能

亡くなった方の住居用の土地に奥様やご家族が住まれる場合には80%の減額がありますが、マンションを賃貸に出している場合でも、貸付事業用宅地等として50%の減額が適用できます。

しかし、貸付事業用宅地等の場合には、限度面積は200㎡までとなり、減額割合も50%となります。そのうえ、居住用の敷地や事業用の敷地で、すでに小規模宅地等の特例の適用を受けている場合には、さらに限度面積の制限があります。たとえば、被相続人の自宅で、特定居住用の小規模宅地等の特例の適用を330㎡のうち220㎡(220㎡/330㎡=2/3)まで受けていたとしても、残りの1/3(200㎡×1/3=6.66㎡)については、貸付事業用の小規模宅地等の減額が可能です。

路線価の高いマンションの敷地については、貸付事業用宅地等の減額割合が50%だとしても、小規模宅地等の適用があれば、やはりその効果が期待できます。

<具体例>

都心のマンションの敷地権 50㎡
 
賃貸に出した場合の評価額
5,000万円(路線価 1,000,000円)×(1-借家権 30%×借地権70%)=3,950万円
 
小規模宅地等の減額 3,950万円×50%=1,975万円

都心のマンションを賃貸に出し、小規模宅地等の特例の適用を受けることによって、評価額が5,000万円から、最終的には1,975万円まで下がり、3,025万円の評価を下げることができます。

ただし、相続開始時に賃貸に出していても申告期限で空室になっているときは、小規模宅地等の特例の適用はできないので注意してください。

3.マンションの投資リスクと相続税対策

ここからは、相続税とは少し離れて、相続対策としてマンションを購入するデメリットをお話します。

3-1.維持費がかかる

現金や預金は、使わなければ減ることはありませんが、不動産は所有することによる維持費がかかってきます。預金は、利息もあまりつきませんが、減ることもありません。

マンションは、土地と建物になるので、毎年固定資産税がかかってきます。その他、管理組合に管理費や修繕積立金なども毎月支払わなくてはいけません。また、建物については、年々劣化していくので、一定の期間ごとに大規模な修繕が発生します。

3-2.買った値段ではなかなか売れない

マンションを売却する場合、買った時より高く売れたという話は、実際はあまり聞きません。また、マンションを売却するときには、手数料などの諸経費がかかってきたりします。

相続税の節税効果は、マンションの時価が下がらない場合を前提としています。結局、マンションを手放したときに、手許に残る現金が大幅に少なくなってしまっては、相続税は安くなったけれども、残された家族に残す財産も減らしてしまうことになってしまいます。

4.さいごに

マンションの評価は一戸建てと変わりませんが、土地の考え方が特殊でしたね。
敷地権割合を用いて計算することで、ご自身の土地価格が分かります。
 
また、マンションを購入することによって、相続税の節税効果が期待できるのは本当の話です。しかし、マンションを利用した相続税対策にはリスクを伴うため、いいことばかりではありません。税制面でも、今後規制がかかってきくる可能性もあります。

加えて、ご自身やご家族がマイホームとして利用する不動産については、土地の広さや価格などを加味して住み換えをしたり、二世帯住宅にすることを検討するなど、相続税を計算する際に極力評価を下げられるよう工夫してみましょう。

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